Jean SIBELIUS :The spruce, Izumi TATENO(HQ)
今から15年ほど前、門真のホールで舘野泉さんのピアノコンサートがあり、
主人と聴きに行きました。
プログラムは、第一部が、グリーグをはじめ、
シベリウス、メラルティン、カスキ、パルムグレンといった、
その頃まだ私の知らなかった北欧の作曲家の作品で、
第二部はムソルグスキーの「展覧会の絵」でした。
当時の舘野さんが、一曲ずつ曲について解説しながら演奏してくださり、
そのおだやかにお話しされる様子と、ふんわりした笑顔も、
訪れたことのない国々の、
風や木々の音、空や大地から届いたような響きも、
とっても心に残りました
さて、フィンランドの作曲家シベリウスの「樅の木(もみのき)」
今は、子供さん向きのピアノ曲集にも載っていて、
よく演奏されています。
「もみの木」というと、クリスマスの讃美歌の曲のほうや
ツリーを飾る楽しいイメージが最初にうかびますが、
北欧の国々の人にとってこの木は永遠の生命の象徴であるそうで、
この曲にも深い思いが感じられますね。
短調だけれど、悲しいのではなく、湧き上がってくるような旋律。
まっすぐな幹、しなやかな緑の枝葉、しっかりふんばる根、
大自然と生きていく木の命であり、人の命である・・・
心に寄り添い、支えになるような音楽です。