lemonの日記

音楽、トールペイント、パン、猫のみかん

シベリウス「樹の組曲」より 「もみの木」Op.75/5

2015年01月17日 | 音楽

Jean SIBELIUS :The spruce, Izumi TATENO(HQ)

今から15年ほど前、門真のホールで舘野泉さんのピアノコンサートがあり、

主人と聴きに行きました。

プログラムは、第一部が、グリーグをはじめ、

シベリウス、メラルティン、カスキ、パルムグレンといった、

その頃まだ私の知らなかった北欧の作曲家の作品で、

第二部はムソルグスキーの「展覧会の絵」でした。

当時の舘野さんが、一曲ずつ曲について解説しながら演奏してくださり、

そのおだやかにお話しされる様子と、ふんわりした笑顔も、

訪れたことのない国々の、

風や木々の音、空や大地から届いたような響きも、

とっても心に残りました

 

さて、フィンランドの作曲家シベリウスの「樅の木(もみのき)」

今は、子供さん向きのピアノ曲集にも載っていて、

よく演奏されています。

「もみの木」というと、クリスマスの讃美歌の曲のほうや

ツリーを飾る楽しいイメージが最初にうかびますが、

北欧の国々の人にとってこの木は永遠の生命の象徴であるそうで、

この曲にも深い思いが感じられますね。

短調だけれど、悲しいのではなく、湧き上がってくるような旋律。

まっすぐな幹、しなやかな緑の枝葉、しっかりふんばる根、

大自然と生きていく木の命であり、人の命である・・・

心に寄り添い、支えになるような音楽です。