津田則子先生のデザインで「折り鶴」です。 元の作品は四角いプレートに描かれていますが、素材と図案を少し変えさせていただきました。
センター試験がまだ「共通一次」という名前だった頃のこと。
千羽鶴を折ったりお百度参りしてくれた母が、とんかつ弁当を持たせてくれて、
まだ暗い道を、父に車で送ってもらい始発電車に乗ったこと、
分厚いダウンに古いタイプのカイロを持って、
積もった雪に足元をとられないよう歩いた会場への道、
初めて見た、大学の広い階段教室と長い窓、マークシートの用紙、
こうした記憶も、だんだん遠い日のものになりました。
そして、二年前の自分の息子の受けたセンター試験も、やっぱり大雪の日。
母みたいにとんかつを入れたかったのに、おにぎり2個にしてくれと言われ、
お腹すかないかなと思ったり、 ハンカチ持ったか受験票持ったかとたずねてしまったり
自分の時よりはらはらして過ごして、
親の思いがようやくわかるこの頃です。
これはその年に描いた作品で、木のプレートにアクリルの絵の具で描いた折り鶴、
母は、この年も本物の折り鶴をたくさん折ってくれました。
親の思いはいずこも、いつまでも同じ、
受験生のみなさんがいつも通りの力を発揮されますように