80代の平良進さんや瀬名派孝子さんが指導しているのですが、この抜きん出たハイカラな主人公たちのメイクが気になっています。真喜志康忠さんたちがやった史劇や歌劇の舞台録画もあり、扮装も学べるはずですが、宝塚のような女性的扮装とメイクですね。それが、脇を固める重鎮と浮いてみえますね。ナウイ、ハイカラさは、例えば白塗りの組踊でも感じられるのですが、もう見たくない、気持ちになります。
時代劇はテレビでも映画でも綺麗過ぎますね。時代の色合いを出せるのは白黒の映像でしょうか。七人の侍のようにー。あまりに衣裳が華美になっても、興ざめで、時代の色合い、風を感じさせてくれないと、どうもですね。写実性が疎んじられていますね。豪快な歌舞伎とも異なるですよね。沖縄芝居は明治時代に王府時代を想起して描かれているのですが、時代劇は明治、大正、昭和初期に近い舞台もありますね。
時代の相を見せてほしいですね。眉がつり上がったメイクは馴染めません。乙姫の舞台は女性ならではの華美さでしたが、女性芸能と、男性の演じる芝居の違いもありますね。同じ「思案橋」が久高将吉さんと、佐辺良和さんとはかなりの差があります。時代の相を出せない現代の舞踊家、伝統組踊伝承者の差ですね。どうその味わいを出すか、時代考証がそもそも軽かった沖縄芝居ですね。沖縄芝居実験劇場は幸喜良秀演出のセンスで、時代考証はよくなっていましたよね。
新作組踊に弁証法的に見たこれまでの沖縄芸能の「合」が見られるのはせめてもの幸いですね。舞踊、組踊、芝居(歌劇)、歌三線、琴、太鼓と技量に優れてきた役者が育っていますね。新しいセンスと伝統の継承の場合、どうもまだしっとりと見せる、という点で、時代の軽さも感じます。名優はやはり100年に一人、二人なんでしょうか?