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「聞得大君誕生」再演、新たな『美』・孵化は芸術監督嘉数道彦の感性&たゆまぬ探究心!

2014-05-30 22:27:52 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

                         (沖縄タイムス2014年5月30日)

沖縄タイムス芸能担当記者のこの特集はヒットだね。嘉数道彦のコメントを大切に掲載した視点は良かった!ノロとユタが武具で争う初演は最も弱点に思えた。そのコンセプトそのものも、気になった。あり得ない!話では、とー。ところが今回は精神的な戦いである。祈りや唱えによる闘い、また名乗りのパターンの継承と、嘉数さん。殺傷が起こらないのも古典組踊の型だ。それを生かした。なるほど、組踊を肌に沁みこませた舞踊家・芸術監督のセンスの高さがすべてをl淘汰した新たな美を生み出したという事に驚く。またそれを許諾して嘉数さんの感性を尊重した玉三郎さんの柔軟性も、すでに汎アジア的な美をも包摂する、日本を代表する歌舞伎女形芸の第一人者の達観した凄さだね。

練り直された新作組踊、演出により、作品はどんどん洗練され、抽象性を増し、結晶となっていくのだろう。川満香多は按司の役柄など恰幅がいいが、写真から見ても美男美女のペアーには見えないのが、残念だ。ハットするように男の美を感じさせる配役でも良かった。女心をときめかせる男の美がある。それを生かしてほしい。

*このブログの「芸能・演劇批評」は意外と読まれているのですね!嘉数さんは素直に創作(演出)に向き合っている好ましい芸術監督です。古典舞踊を習得し、組踊を演じ、沖縄芝居の史劇・歌劇・間の者を演じ、現代劇にも挑戦するばかりではなく、新作組踊も果敢に創作する方です。そしてかつ演出!これほどの才能はこの間の沖縄になかったですね。

演じ、創作し、演出する、いいですね。かの真喜志康忠さんは30本近い創作をして、かつ優雅に踊り、組踊の谷茶の按司を演じ、80代にして色気のある演技者でした。史劇、歌劇、創作、演出、制作もこなしました。

嘉数さんが平成の真喜志康忠になるにはまだまだです!真喜志康忠さんの貴重な舞踊のビデオがあります。素敵です。動きが軽やかです。かつ組踊も色艶があり、史劇も歌劇も個性的な声音、台詞使い、歌です。模範になる要素が満杯です。70代でも80代でも艶が出せる役者・舞踊家なってほしいですね。真喜志康忠の三枚目役もいいですね!「壊れた南蛮甕」のあのXXX地頭の役など!いいですよ。

ただ「芝居子小」と、バカにされた時代を生きてきた真喜志康忠さんの時代と現在とは位相が違います。願わくばウチナーグ=方言と卑しめられてきた時代の沖縄芝居や組踊ではなく、堂々と一国の言語してしての琉球語への誇りを持った舞台に立つ姿を見たかったですね。いわば時勢の流れと闘ってきた真喜志康忠さんたちの創作と現代とは異なります。真喜志康忠を瀬長亀次郎と並べる所以は、時代と闘ってきたゆえです。差別との闘いでもあったのですね。だから文化ヒーローとしてわたしは真喜志康忠さんを称えます。

何しろ世界が(ユネスコ)が組踊を世界遺産として登録し、琉球諸語を独立言語と認証した現在である。君たち若い芸能者は、堂々と琉球王国時代から近代にいたる琉球・沖縄の歴史の総体を対象化し、世界に発信できる時代になったのだから、その位相は変わります。そこで玉三郎さんですが、氏の姿勢はアジアを世界を見据えています。この出会いをさらに琉球・沖縄の芸術(舞台芸術)のレヴェルアップへと突き進んでほしいですね。 


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