明けましておめでとうございます。今年もこの中二病なブログをよろしくお願いいたします。
今年初のライブは1/12に行われたブードゥーラウンジでの「ようこそ地獄ヘルズツアー2018」でした。
去年もこの組み合わせでキースフラックで「愛と狂気の西日本ロックンロールサミット2017」というイベントを見に行ったけど、この日のライブはあの時と比べると明らかに熱気や勢い、士気が異なっていた3バンドによる激突ライブとなりました。
初陣は首振りDolls。
このバンドはそれこそキースフラックで初めて見た北九州のバンドですが、4月に175Rぶりにメジャーデビューが決まっているという状況でした。SHIMAはメジャーデビューしていなかったのかと知りました。予定時刻から5分押し位で開演。花魁のような格好で着物を身に纏うドラムボーカル「nao」。黒シャツに赤のジャケット姿で悪魔のような格好のギタリスト「ジョニー」、しなやかなモデルのようなベーシスト「ジョン」という3ピース。冒頭から「悪魔と踊れ」「金輪際」そして「Come on!」の掛け合いが印象的な新曲とアグレッシブな曲で飛ばしていきました。naoはドラムをたたきながらにも限らず殆ど息切れもせず煽りまくり、時に頭を振り乱しながら暴れていて圧巻でした。彼らのライブは今日で4回目になりますが、この日は今までのライブにもなかった勢いや背水の陣で臨むような覚悟にも似た気合を感じました。それはメジャーデビューするというのもあるのかもしれないし、単純にライブバンドとして這い上がってきた自負かもしれないし、地元だからというのもあったかもしれない。中盤に新曲含むバラード調の曲を2曲はさみながらも後半からは再び攻撃を再開。「ニセモノ」だったかな?よく覚えていないけど、とにかく「イージーライダー」と飛ばし、その勢いのままnaoがロックンロールは好きですかー!ロックンロールを見せてやる!!と絶叫しながら、ジョニーが上着を脱ぎ捨て始まった「ロックンロール」。中盤ではジョニーとジョンが客席まで降りてきてセッション対決を繰り返し、ジョニーは男性客に肩車されながら最期まで演奏するという常軌を逸した時間もありつつ、ラストは「タイムマシーン」で爽やかに終了していきました。
2番手はDroog
2016年の命題のワンマンライブからキースフラックのライブまで半年間で3回見ましたが、それから約1年ぶりに観たライブでした。
この間再度メジャーデビューしたり、家庭の問題で解散危機を迎えていたり、新譜をリリースしたりと波乱万丈だった1年だった模様。
既に入場した時点で命題のワンマンの頃のホームな雰囲気でも、キースフラックで見た3マンを楽しむという少しアウェイっぽさを感じる雰囲気でもなく、この日の彼らもまた挑んでいるように見えました。冒頭、拡声器を持って登場したカタヤマヒロキ。目元は黒くアイメイクを施していました。始まったオープニングの曲は「カルトスターに憧れて」だったかな?冒頭から飛ばすというより敢えて抑え目な曲をオープニングに据えて、湧き上がる興奮を充満させるように始まりました。そこから「命題」「TOKYO SUBMALINE」と抑えていたものを爆発させるようにアグレッシブな流れへ。首振りDollsとも違うけれどもその迫りくる音や叫びやメンバーのパフォーマンスは明らかにこれまで見たDroogのライブの中でも鬼気迫るものでした。新譜の環状線デラシネから「ペーパームーン」と披露するなど激しいだけでなく多角的にライブを、Droogというバンドを表現していました。少しのMCを挟んだのちに演奏された「環状線」。この曲は「終点」のように激しいサウンドでもメロディーがしっかりと乗った暴れて聞かせれる曲ですが、環状線という言葉に自分達の立ち位置を置き換えて歌った曲。聞いていて痛みと心に染みるリリック。Droogの曲は自分達の想いや状況が逆境だとしても、そこからもがいてもがきながら進もうとする男達の人生を写した軌跡でもあると思います。その若さや赤裸々さが俺は好きなのかな...と思いました。
ライブは「Neon Sign」「ブラックアウト」「Johnny&Vicious」とこれまでも聞いてきた曲と新曲を交互に演奏。そして演奏すると思っていなかった久しぶりな「人類」と畳みかけていきました。それでいて最後は突っ走って終わるのではなく、「夜明け前」というどちらかというと内に秘めた想いを歌ったようなミディアムテンポの曲で終了。一癖も二癖も自分達のふり幅を見事に表現したライブだったと思います。
3番手はTHE SLUT BANKS
このバンドも去年のキースフラック以来2回目でした。TUSKさんはleather fieldのコラボなんかで、ACE DRIVERは元sadsという所で知ってました。去年と変わらず一番最年長ながら、一番アグレッシブでバイオレンスなライブを展開していました。海外でいう所のモーターヘッドのような印象を受けました。徹頭徹尾爆走ロックンロールで終演を迎えました。
ラストが地獄ヘルズ
去年の西日本ロックンロールサーキット、さらに仲良くなって東日本ロックンロールサーキットと親睦を深めた3バンドからメンバーを選りすぐって結成されたバンドです。naoがマイクスタンドだけ持って歌っているのも新鮮で、TUSKが何とも形容し難いウィッグにサングラスをしていました。ノリ的には企画バンド、お祭りバンドという、お遊びの延長線上が発端だったはずです。音楽もお祭り的な形でやるんだろうと思っていたんですが、結果的に会場限定CDに収録された3曲をそのまま披露してくれた中で感じたのは、思いの外「地獄ヘルズ」というバンドの音楽が出来上がっていたことです。あとボーカルが3ボーカル(nao、カタヤマヒロキ、TUSK)と歌唱や歌いまわしが全然違っていて、それが歪な形で融合しているように聞こえて凄く面白かったです。naoが煽りまくる、ジョニーやカタヤマヒロキが客席に下りて縦横無尽に動き回るわで、なんだかんだで最期は熱狂的なフィナーレで終演を迎えました。
お世辞にも人が多いとは言えない会場でしたが、そこに来た人にしか体験できないロックンロールがありました。
またいつかこの3バンドで来れるかもわからないので、もう2度と見れない景色かもしれないという哀愁を感じつつ、濃ゆいスタートを切れたと思います。ありがとう。