goo blog サービス終了のお知らせ 

OSTRICH FEATHER BOA

お前の意見は求めん。

Skoop On Somebody Christmas Live Tour 2021 福岡電気ビルみらいホール

2021-12-11 10:42:04 | LIVE

御無沙汰です。
12/10、Skoop On Somebodyのクリスマスライブツアーで電気ビルみらいホールへ行ってきました。
SOSは昨年12月のクリスマスライブ以来で1年ぶり。コロナになってからも、毎年このクリスマスライブツアーは開催してくれて、福岡にも必ず来てくれる。そして、彼らのライブは、このグループならではの暖かみというか、ホーム感みたいなものや、他では味わえない極上のラグジュアリー感もあって、それが溜まらなかったりします。毎年タイトルは同じながら、内容が全く違うのも魅力の1つで、同じ曲でもアレンジが変わっていて、新鮮な気持ちで堪能出来たりする楽しみを求めている部分はあります。気が付けば、僕の中の冬の醍醐味の一つになってしまった。
一昨年が教会、去年がイムズホールで、今回は彼らのホームグラウンドともいえる電気ビルみらいホール。僕は2018年1月の『State Of Soul』以来ですね。木目を基調とした中規模なサイズ、天井まで広々と突き抜けた解放感、遠距離からでもステージを見る事ができて大好きな会場の1つです。それに家から何せ歩いて行ける距離にあるんで最高だなと(笑)
この日、後列だったのですがそれでも視界良好でした。来場者は大半が女性の方でしたが、カップルやご夫婦の方、僕のように男性だけで来ている方もいましたが、年齢層が高めな方が多かったように思いますね。まさにオトナのための時間。なんてことを思っている内に暗転。

1.Sounds Of Snow
2.Call Me
3.On The Red Carpet
4.After The Party
5.時計
6.Nice'n Slow
7.ふたりごっこ
8.Joy&Happiness
9.街に愛が溢れて
10.Mood 4 Luv
11.バラ色
12.どんなに離れても

ENCOLE
13.Everlasting Love

暗転と同時に落ち着いた雰囲気で入場したコーラス隊、そしてSOSの2人。
そのまま「Sounds Of Snow」で開演。過去何度もこのツアーでは演奏していますが、この曲が1曲目に披露されたのは初めてだと思う。乗っけから演奏とハンドクラップが織り成す心地良さに、このグループならではの暖かい空気感が会場全体に醸成されていました。続けてデビューアルバム『SKOOP』に収録されている「Call Me」、そして『Save Our Souls』に収録されている「On The Red Carpet」と、これまで演奏してこなかったレア曲を立て続けに披露。この選曲は恐らく誰にも予想できていなかったのではないでしょうか。こういう良い意味で予想を裏切る展開をしてくる所に、彼らの遊び心を感じるものです。コーラス隊のハーモニーが楽曲に彩りと厚みを加え、より魅力を増したアンサンブルが心地良い。

一呼吸置いて、TAKEさんの「ここからメロウな曲をやりたいと思います。好きに体を揺らして下さい」というMCから披露されたのは「After the Party」。「Sounds Of Snow」と同じくアルバム『Sounds Of Snow』最後に収録されているナンバーですが、まさかこの曲をやってくれるのか!という感動がありましたね。というのも、このアルバム持ってるんですが、一番好きな曲がこの「After the Party」だったんです。いつか生で聴けたらと思いつつ、同時にそんな機会も無いかもしれないと半ば諦めていました。だからこの曲紹介をされた時、心の中で歓喜の叫びをかましていました(笑)これだけでも今日来た価値あったと思いましたね。ってまあその後も楽曲は続くんですが(笑)
 ライブは「時計」「Nice'n Slow」「ふたりごっこ」、「Joy&Hapiness」、「街に愛があふれて...」と披露されていくんですが、定番曲もありつつ、これまで殆どやってこなかったであろう曲を交互に織り交ぜた斬新な選曲になっていました。「ふたりごっこ」は『S.O.S Duets』という企画アルバムに収録されていた楽曲だし、「Joy &Hapiness」も『Sounds Of Snow』に収録されている楽曲ながら、これまでクリスマスライブツアーでも披露されなかった楽曲です。Mellowながらも、選曲そのものに挑戦というか、去年までと同じ事をしたくないっていうハングリーさも感じられました。 
 それに凄いなと思ったのがボーカル、ピアノ&キーボード、コーラス隊(3人)という小編成ながら、見事に成立されている点でしょうか。リズムパターンが打ち込まれている楽曲もありましたが、どちらかというとボーカルとコーラスが乗るパターンの楽曲の方が、彼らの持ち味が有機的に絡み合って、その心地良さは感嘆ものでした。伴奏とコーラスの中で、TAKEさんは歌を歌い、思い思いにコーラスを重ね、その瞬間瞬間を見事に彩る、まるでジャムセッションです。ライブは生ものだと言いますが、その最たる場面でした。歌が上手いとかそんなレベルを超越していました。「Nice'n Slow」なんてキーボードのみの伴奏でボーカル、コーラスのアンサンブルは、これまで聞いてきた中で一番染み入るものでした。

 合間のコーラス隊の紹介ではちょっとした笑いの場面もあり、コーラス隊の女性の方がはっちゃけすぎて、TAKEさんから「救急車呼んでもらっていいですか(笑)」というワードが連呼される始末でした。と言いつつ、コーラス隊の方々がそれぞれ第一線で活躍されている方々ばかりで、SOSからも絶賛されていて、お互いにリスペクトしあっているからこそ出来る関係性なんだなと。
 そんなやり取りを挟みつつ、ラストスパートと云わんばかりに「Mood 4 Luv」「バラ色」と、アップテンポな楽曲で会場を盛り上げ。そして最後は、「色んな人との繋がりがあって今の自分達がいる。だから遠く離れてもお互いに思ってます。そんな気持ちを込めて歌います」とのMCからの、またもこれまで披露していなかった楽曲「どんなに離れても」を演奏し、本編が終了しました。この楽曲は音源で聞いた時、そんなにピンと聞いてなかったのですが、この日は、凄く伝わる何かがありました。

 そして鳴りやまない拍手の中アンコールへ。最後は「今こういう時代だから、こういう言葉を言わないといけない気がします。でもそれをわざわざ言わなくてもいいような当たり前な時代になれたら良いと思っています」的なMCからの「Everlasting Love」で、圧巻の終幕でした。

トータルで1時間半程度でしたが、非常に濃厚でラグジュアリーな時間でした。
今回コロナもあって行けるかどうか分からなかったのですが、結果的には来れて良かった。
素敵な冬の一夜、ありがとうございました。


vivid undress『Re:君に出会うための物語~最終章~』 福岡Queblick

2021-11-11 18:07:31 | LIVE

御無沙汰です。
去る11/10にvivid undress(vvun)のワンマンライブに行ってきました。
現状、最初で最後のワンマンライブ。
このライブツアーを持って活動を終了する事が公式から発表された時、正直驚きました。去年メジャーデビューして『混在ニューウェーブ』というまさに第二の初期衝動と云わんばかりの勢いに満ちたアルバムを聞いて、これから付き進んでいくだろうと思っていたからです。
公式blogには経緯がVoのkillaさんから綴られていましたが、様々な葛藤と闘争を経てきた事、そしてやり切った気持ちでもある事など、色んな想いが赤裸々に綴られていて、察するに余りある心境でした。そんな中発表されたラストツアーの初日が福岡でした。思えば、メジャーデビュー直後の去年2月に「出会えたんだ」というツアーで会って以来、去年10月に予定された『変身コンプレックス』のツアー、そして今年6月に発売されたミニアルバム『愛のゲイン』のツアーで福岡に来てくれる予定が、全てコロナでふっ飛んでしまい、やっと実現できた物語の続きが「最終章」というのは、なんて無情なんだと。福岡はずっと対バン形式で、ここに来て最初で最期のワンマンライブを飾った不思議な巡り合わせ。行きたい、行かなければならない、そんな気持ちで行ってきました。多分今年最後のキューブリック。開場前から長蛇の列が出来ていました。遠征している人もいたみたいで、この日はソールドアウトとなり、超満員でした。

SE
1.主演舞台
2.シーラカンスダンス
3.グリーン・ステップ・グリーン
4.ファンファーレ行進曲
5.夢見る2人
6.Make Magic
7.知らない
8.後悔
9.さよならジレンマ
10.感情戦争
11.ララ、バイバイ
12.シンガーソングライター
13.劣等者の逆襲
14.パラレルワ
15.ワンルームミッドナイト

ENCOLE
16.私メンヘラなんかじゃないもん

何時もSEの中笑顔で入場してくる男性陣と、少し間を置いて厳粛な面持で入場してきたkillaさん。
いつもの宇宙服みたいな白い衣装に眼の周りにメイクや装飾を飾っていて綺麗だった。
そんな彼女がギターを構え紡がれたのはまさに開幕の狼煙を告げる「主演舞台」。「さあ新しい私を始めよう」「何度だって生まれ変わる」と決意表明を歌ったこの曲を皮切りに、「シーラカンスダンス」「グリーン・ステップ・グリーン」とアッパーでエネルギッシュな曲を連発。メンバーが煽らなくても要所要所で拳が上げるオーディエンス。生で見たかったっていうのがひしひし感じられました。yu-yaさんも、syunさんも、tomokiさんも全員笑顔でアイコンタクトを交わしつつ、パフォーマンスで応え、煽ったりと、久しぶりのツアーを、そしてライブを楽しんでいるのが見て取れました。killaさんは凛とした空気を纏いつつも、時に舞うような動きを見せながら歌いつつ、「ファンファーレ行進曲」では「踊りましょ!」とハンドマイクに切り替えてダンスまで披露し早くも熱狂状態へ。

killaさんより、ライブツアーが無事に開始できた事への感謝と、Rio様から今夜は「福岡ならではの特別なセトリ」である事が告げられ、「夢見る2人」を演奏。ハンドクラップとテンポ感、サウンド感、メロディが合わさって思わず弾みたくなる疾走感溢れる楽曲。「Make Magic」では80年代のディスコ的アプロ―チでkillaさんがピースサインを殺人的な可愛さで披露。バラエティに富んだ楽曲が続き飽きる事が無い。この曲は男性陣の、特にボトムを支えながら誘導するようなベースラインと、上物で楽曲を特徴づけるキーボードの音色と、そこに有機的に絡むギターのアンサンブルが絶妙でした。ここから配信ベストに未発表曲として収録された相当レアな「知らない」、「後悔」と畳みかけ。「後悔」という暗い言葉にも関わらず、何処か突き抜けているような、その後悔を向き合っているような印象さえ感じました。

そしてライブは佳境へ。演奏されたのは「さよならジレンマ」。そこから「感情戦争」「ララ、バイバイ」「シンガーソングライター」「劣等者の逆襲」と演奏されましたが、見ていてまるでバンドの、、もっと言えばkillaさんの本質を全て出し切るかのようでした。セトリを組んだRio様の意図は分かりませんが、これらの楽曲群が、全部繋がってるというか、一つのストーリーを見てるようでした。vvunの楽曲はkillaさんの歌詞や歌が最大の特徴だと思うし、バンドサウンドはそんな歌声が最大限活かせつつもバンドというアレンジになっているのですが、その音像的な激しさに、内面を赤裸々に綴ったリリックや歌が合わさって、常にギリギリの状況の中で闘ってきた生き様や想い、核心に触れているようでした。そんな中で歌うkillaさんは、歌いながら色んな想いが駆け巡っていたためか、明らかに感極まっていました。

僕も「シンガーソングライター」では凄く感情移入しました。自分に嘘を付けない、素直でありすぎたが故に沢山傷ついてきて、思い通りに行かない、ネガティブな事に振り回され、自分に自信が持てない、そんな自分が嫌で死にたくなる。それでも前に進む事を諦めたくないっていうのを繰り返してきた。一人の歌手としての成功を夢見た原点。その想いを消す事なくこれからも歌っていく、だからバンドのボーカリストにも関わらず敢えて「シンガーソングライター」というタイトルを付けた。と、僕は勝手に解釈してるんですが、そんな想いが「心が生きたいと叫ぶから」「自分に正直でいたい」「本物になってやる」といった言葉にも表れていたと思うし、「すべて見てよ」と云わんばかりにさらけ出して歌う姿はとても輝いていました。生で見れて良かったと思うくらいsyunさんのスラップが圧巻だった「劣等者の逆襲」。さらに無条件に盛り上がれるグループが最高で大好きな「パラレルワ」と終始勢いを保ったまま、ラストはこのライブ唯一のバラード「ワンルームミッドナイト」へ。オーディエンス全員を見つめるように一言一言届けるように、そして最期は「そばにいて」と両手を広げて歌い上げるkillaさんは美しかった。

アンコールで登場した際は、一転してリラックスした雰囲気の中、「メンヘラとRAINBOWどっちが良い?」と即席挙手制のアンケートを行い、挙手が多かった「私メンヘラなんかじゃないもん」を何とそのまま演奏するというサプライズ。最後は激しくかましてアンコールを締めくくり、写真撮影を行って、全員清々しい笑顔でステージを後にし、最初で最期の福岡ワンマンライブは終演となりました。

 

「シンガーソングライター」で、ボロボロになりながらそれでも自分自身を信じて進む事を諦めなかった人が、「ワンルームミッドナイト」で、誰かを愛しているという言葉をしっかり伝えられる境地にまで変わった事を受け入れ認められるようになった事。line blogでの言葉を踏まえると、『君に出会うための物語』への道のりは、もうこの時から始まっていたのかもしれません...その変化を認識した上で『愛のゲイン』で「オリジナルカラー」という一つの答え、生まれた終わりの物語。
赤裸々にここまで表現するバンドって、他にいないと思うんですよ。ずっと追いかけていたのも、その音楽性と、その中のリアルな生き様に共鳴していたからな気がします。あと、メンバー内に福岡出身が2人もいるのもある(笑)。だから、ライブが始まってから、何が演奏されるのか楽しみで仕方がなかった。勿論、披露する度に終わりに向かっていく現実はあるけど、1曲でも多く音楽を共有したい気持ちが強かった。改めて自分にとって、vvunは大切なバンドの1つだったと気付きました。正直、もっと曲が聞きたかった。『愛のゲイン』の「オリジナルカラー」とか。それでも16曲って過去最多なんですけどね。

まあ、長々書きましたが、ライブは決してしんみりした空気ではなく、色々ありましたが、前向きな終わり方だったと思います。余談をすると、Rio様からは、スタッフが本当にいないので今日の物販は実の母親がされている事や、福岡ではほぼキューブリックでしかライブをやっていないので、思い入れのある場所(照明の演出が完璧だと絶賛していました)といったエピソードもあったし。
あと、ツアーでは全会場ごとにセットリストが異なる事や、公演ごとに「仕掛け」を用意して、複数公演来るアンズにも楽しんでもらえるようにしているとの事でした。福岡であれば『変身コンプレックス』の楽曲が全曲入っているのが「仕掛け」かなと察しました。冒頭と本編ラストがそのアルバムの最初と最後の楽曲だったので...のちの公演のセトリを見ても作品ごとにスポットを充てていたので合っていたのかなと思います。予定調和を好まない、まさにオリジナルカラーに拘るバンドだなと。
僕は残念ながらこのライブでvvunとの物語は終わりですが、それでも最後に出会えた事を心から感謝しています。間違いなく2021年印象に残ったライブの1つでした。さようなら、ありがとうございました。

僕が最初に知るきっかけになった曲。


八十八ヶ所巡礼 presents one man LIVE !! 幻魔大祭1009 @福岡天神graf

2021-11-07 19:35:03 | LIVE

御無沙汰です。
これを書いていたのは10月10日なんですが、10月と思えない位暑かったです。残暑ですか、、長すぎやしませんか、、それとも8月が雨ばかりだったから遅すぎた夏を取り戻してるのだろうか、、。
そんな鬱陶しくなる暑さの滾る10月9日、八十八ヶ所巡礼のワンマンライブでgrafへ行ってきました。
最後に鑑賞したのが去年の2月。3~4か月置きにコンスタントに福岡でもLIVEしてくれていたので、あの時点ではまさかここまで期間が空くなんて誰も想像していなかったはずです。実は昨年夏もワンマンライブが予定されていましたが、コロナの影響で出来ずじまいで、そのままライブの告知が途絶えて、年末ごろに入ってアコースティック公演が主要都市で行われるようになっていき、今年に入って新作『幻魔大祭』が発表され、そのリリースツアーとしてやっと福岡で再会となりました。

そんな再会の場所は過去彼らが何度もLIVEしてきたgraf。
ただ移転しており、なんとVoodoo Loungeと同じ雑居ビルの、しかもそのブードゥーの1つ上の5Fのフロアという、同じ建物にライブハウス2つ混在している珍しい状況になってました。(ちなみに元の場所にはQueblickの姉妹店としてOP'sというライブハウスが開店。)
EVで下りて極端に狭い受付のスペースを抜けると、向かって左手にバーカウンター、右手にステージという造りになっていて、バーカウンターとステージがオープンスペースになっている所がgrafらしいなと思いました。ちなみに生ビールを注文したらハートランドでした。中々洒落てますね。
ステージはちょっと変わった造りで、バーカウンターに対してやや左斜めに、ちょうど建物の端から三角形のような形でステージが造られていました。まあ、ブードゥーよりもステージがやや横長になって見やすいというメリットはありつつ、代償として、柱が一本邪魔になって一部見えにくいスペースが出来てしまっていましたが、、、集客人数は恐らくフルキャパの半分か、多くても6~7割程度といった所でした。会話は多かったですが、全員ちゃんとマスクしてたし、しっかり空気の循環してたと思います。

SE
1.幻魔大祭
2.怒喜怒気
3.幽楽町線
4.脳の王国
5.OH! SOJI!
6.狂感できない
7.神@熱
8.IT'S a 魔DAY
9.月斗
10.ohenro3
11.M.O.8
12.JOVE JOVE
13.攻撃的国民的音楽
14.具現化中
15.日本

ENCOLE
16.金土日
17.慧光
18.仏滅トリシュナー

全員PV「幻魔大祭」の衣装で登場。
マガレさんだけ、目の周囲を青くメイクしてました。
かっちゃんさんは、髪が茶髪になっていて、同姓から見ても相変わらず抜きんでて美しかった。
kenzoooooさんは上着をすぐ脱いでいつも通り上半身裸になってました。なんつー筋肉。
相変わらず個性爆発な所も健在でした。

ライブは新作『幻魔大祭』のタイトルナンバー「幻魔大祭」から開演し、「怒喜怒気」と序盤からフルスロットルで畳みかけて行きました。これまでだと割と徐々に徐々に彼らの世界観に引き込まれて行くような印象でしたが、今回はストレートにガツンと冒頭から主張してくる感じが新鮮でした。
マガレさんは足でステップを踏みながら楽しむようにベースを演奏しながら熱唱し、かっちゃんさんは逆に寡黙ながら頭を振り乱し、体を仰け反られせながらギターをかき鳴らす等、体全体を使ってアピール。「幽楽町線」では早くもグラサンを外し、そのグラサンのつるを咥えてギターソロを披露するという色気たっぷりなパフォーマンスまでしてました。グラサンを放り投げた後も観客を1人1人見つめながら演奏するその目力が半端無かった。序盤で早くも持って行かれてしまいました。

「久しぶりだな!福岡の貴様ら!!」
序盤3曲終えて笑顔で話しかけるマガレさん。
今回はアルバムに併せて「魔族」のコンセプトらしく、自分達を魔族だとアピールしてました。
「我々は魔族だ!!と言っても世の中を滅ぼしたりする訳じゃない!人間が大好きでちょっとイタズラしたりする位だ!!最近やっと事と言えば〇〇〇を逃がしたくらいだ...!!」と敢えてローカルネタを出して笑いを誘ってました。その後もマガレさんは一曲一曲終わる度に笑顔で「ありがとう!」と叫び、合間には「貴様らと喋りたい事がいっぱいあるんだよ!!」と話すなど、これまで会えなかった距離を必死に埋めようとしているようでした。grafが親不孝通りという場所にあるので、それにちなんで「親孝行しろよ!」とかも言ってました。

「歌ったりできない分、頭の中をぶっ飛ばそう!!」と「脳の王国」から、変幻自在に曲調が変化するプログレな「OH! SOJI!」、ミディアムテンポながら独特なポップなメロディーが心地良いのに、何処か切ない空気な拭えない「狂感できない」、現状の災禍をモチーフにしたかの「神@熱」「IT'S a 魔DAY」と、変幻自在で摩訶不思議な音楽性を表現していきました。ただ、それでもこの日の彼らは、とにかくライブが出来る、目の前で自分達を求めてくれる「貴様ら」と再会できた歓びを、そして満足にライブが出来なかったこれまでからの解放を、もっと言うと「勢い」を感じました。
実は『幻魔大祭』を始めて聴いた時、それまでのテクニカルな摩訶不思議さよりも、ストレートでシンプルなロックンロールアルバムというのが最初の印象でした。詰まる所「分かり易い」という要素が強かった。だからスッとアルバムの世界観に入ることが出来たし、何度もノンストップで最後まで聴ける感覚。
ライブは終始突っ切る様な流れで、「月斗」から勢いを止める事もなく、マガレさんの絶叫、かっちゃんさんのギターと魅せ方の双方に拍車のかかった演奏、kenzooooさんの重厚なドラムが織り成す激しさ、楽しさ、その中に彼らならではの超絶技巧な圧巻のパフォーマンスで駆け抜けていきました。特に「M.O.8」~「JOVE JOVE(序盤のマガレさんのバンドマイクは新鮮でした)」~「攻撃的国民的音楽」と連なった場面での一体感は凄まじく、このライブ最大のハイライトだったと思います。

「お前ら何人だ?オレは日本人だ!!」と堂々と締めくくられた「日本」で本編を終了し、鳴りやまない拍手に導かれて登場した3人。kenzoooooさんは登場するや笑顔で観客を見つめ、勝手に頷いてドラムセットへ戻っていくだけで会場の笑いを誘ってました。動作だけで笑いが取れる凄いドラマー(笑)

「ここからは我々の残業タイム、貴様らにとってはボーナスタイムだ!」と始まったアンコールは、まず「金土日」のリズムに併せてメンバー1人1人アドリブソロを披露。マガレさんが「適当なドラムを弾くぞ~!」とか「適当に片手だけでギターを弾くぞ~!!」とか言ってメンバー紹介しつつ全員キレッキレのソロでしたが、中でも本当に片手だけでソロを弾き倒したかっちゃんさんは凄かった。
「やってる意味の無い事が大切 僕らも貴様らもライブハウスもバーカウンターさんも皆頑張ってる!!」等と応援歌になった「金土日」から、『幻魔大祭』でもストレートなメッセージソングに聞こえる「慧光(えこう)」へ。この曲は初めて聞いた時、特にメロディが...「紫光」のメロディを彷彿させて一番印象に残った曲です。歌詞に「慧光」という言葉は出てきません。恐らく、「衆生の心の闇を照らす阿彌陀仏の智慧の光明」として、歌詞のテーマを総括した言葉としての「慧光」なのかなと、勝手に捉えているのですが。とにかく好きだったんですよ。特に、終盤に「いかれた世でもどうか御無事で」という印象的なフレーズがあるのですが、今の世情の中で、そんな曲がこの局面で披露された事に、彼らなりの想いを感じました。
そしてラストは「渇愛が止まらない」と繰り返す「仏滅トリシュナー」をクールに叩き付け、「福岡ありがとう!」と清々しくさっぱりとした表情で袖へ消えて行かれました。

色々書きましたが、一言で言うと「カッコよかった!ありがとうございました!!」に尽きます。
『幻魔大祭』も純粋にカッコいいロックンロールアルバムだし、また聞きたいと思った。
grafも移転して音質や照明のクオリティーが上がってて、気持ち良かった。
また、お会いできるのを楽しみにしております。本当にありがとうございました!!


NEE 2nd TOUR「熱烈スタンプラリー2021」 福岡INSA

2021-10-15 09:21:34 | LIVE

 

御無沙汰です。去る9月の21日、NEEのワンマンライブに行ってきました。
NEEは、eplusのチケットをチェックしている時にこのツアーの案内が流れてきて、アー写が最初ビジュアル系みたいだな...ってとこから音源をチェックしたところ、「アウトバーン」って曲のPVを見て、ああ、良いじゃん!って思って衝動的に行く事を決めた感じです。だから長年追いかけている訳でもなく、ただ知る機会と、チケット発売日が重なって、応募したら当選して、その流れで行ってみるかと思ったっていう色んな偶然が重なった次第です。INSA自体も去年のBoris以来行けていなかったし、まああそこはね、外国の生ビールが飲めるので好きな会場なんですけど、まだ緊急事態宣言中でアルコール提供が禁止だったので、それが残念でしたが。当日は仕事上がりでそのまま向かいました。もう満員でしたね。やっぱ世代的に若い人が多くて。今の20代の方々の音楽的嗜好を知れるという意味でも貴重でした。

SE:全校朝会
1.第一次大戦
2.ボキは最強
3.九鬼
4.本当は泣きそうです
5.因果オウホウ
6.ビリビリのーん
7.aLaLe
8.You are はっぴー
9.下僕な僕チン
10.歩く花
11.ぱくちー
12.アウトバーン
13.不革命前夜
14.膝小僧
15.こたる

ENCOLE
16.万事思通
17.夜中の風船 Mark Ⅱ

SE「全校朝会」が流れるとそのまんま学校の体育祭のような入場行進でメンバー全員が登場。
初っ端「第一次大戦」(最初Tempalayかと思いました..)から狼煙を上げるように始まったライブは、「ボキは最強」「九鬼」と同期モノありの情報量の多い楽曲群を、その若さと個性溢れる彼らが勢いと衝動のままにステージ上でぶちまけ、序盤3曲でフルスロットルで飛ばしていきました。
ライブは、アルバム『NEE』という、同期アリ、アグレッシブあり、バラードあり、シンプルな歌モノあり、シティポップ的アプローチあり、とやりたいことを詰め込んで自分達の色に染め上げた音の玉手箱のような楽曲群が次々に披露され、声が出せないにも拳を突き上げたり、時にはその場からジャンプしたりするオーディエンスが続出するなど、ツアーの初日とは思えない程の一体感が充満していました。
シティポップ風の「今日は泣きそうです」が僕は一番好きなんですが、それで一瞬クールダウンの場を設けつつ、「因果オウホウ」「ビリビリのーん」「aLaLe」ではダンスミュージックからラップなどの多彩さを披露しながらフロアを揺さぶり「熱」が途切れる事なくライブを繋ぎます。この激しいのか、ポップなのか、無心なのか、よく分からない、良い意味で「何でもあり」な音楽性に翻弄されたかと思えば、一転して「You are はっぴー」からはミディアムテンポな歌モノを中心としたブロックへ。「歩く花」のシンプルさが逆に斬新に感じる楽曲や、「ぱくちー」のような子供の合唱曲のようなひたすらのんびりとした曲調の面白さで少しライブの中にゆとりを持たせていく等、セットリストの中で緩急が練られていました。
ライブの合間のMCでは声が出せない分メンバー同士でのやり取りが多く、当初は緊張気味だったメンバーもライブしていく度にそれが解れて笑顔が出ていました。割とボーカルのくぅさんとかギターの夕日さんはそんな感じで、逆にベースのかほさんは割と笑顔いっぱいみたいな感じでしたね。各々の言葉で今回初日を迎える事が出来た事への感謝を語りつつ、ドラムの大樹さんが九州出身という事で、音楽で生活していく事を決めつつ上京したエピソード等を語り、地元に戻ってきた事に多少ノスタルジックになっている所を他のメンバーがフォローする場面が何度もあり(笑)人間臭い所を見せていたのも印象的でした。
そうやって様々な表情を魅せつつ、「アウトバーン」からは再度ラストスパートの如く「不革命前夜」「膝小僧」と再度アグレッシブなナンバーを連発。終盤になっているのに序盤よりも更に音の激しさが増しているのが凄かった。そして「こたる」で本編終了。
アンコールではメンバー全員がツアーTシャツに着替えて登場し、「万事思通」そして、「また逢える日までバイバイバイ」という言葉が繰り返される「夜中の風船」で最期にもう一度大きな一体感を作りポジティブな空気の中で終演を迎えました。

振り返ると、ほぼほぼ現時点での持ち曲を全て網羅したヒストリーでもあり、一つの大きなストーリーを見せられたようにも感じて、何度も繰り返し聞くことでより違った表情を堪能できる気がしました。このあたりが所謂「中毒性」なのかなとも思うんですが、とにかく何でもアリな自由さがありつつ、それでいて一貫性があるから聞いてて散漫な感じにならないんですよね。それと、その音楽性の中に、僕よりも年下の、そして今最前線で活躍されているアーティストの方々の楽曲を聞いて育ってきた世代ならではの曲調もあるのかなとも思ったり。だから結構色んな意味で音源だけじゃ分からない発見があって面白かったです。
終演後はそそくさと帰りましたが、多分あの勢いのまま突っ走れば、もっともっと大きくなる、そんな予感をさせてくれるNEEさん達でした。ありがとうございました。

 

僕が今のところ一番好きな彼らの曲。


HYDE『20th Orchestra Tour ROENTGEN 2021』 福岡サンパレスホテル&ホール

2021-10-14 22:13:56 | LIVE

HYDEさんのROENTGENというアルバムは、僕が人生の中で最も影響を受けた芸術作品の1つ。
2001年のevergreenから始まった一連の作品群に聞き惚れ、ROENTGENという作品の、音楽、アートワーク、ジャケット、その全てにHYDEさんの拘りが詰まった、音楽という概念を超えた究極の芸術作品だと感銘を受けました。年がら年中鑑賞している訳ではありませんが、初めて聞いた時から現在に至るまで、その作品の印象は不変のまま、今聞いても、時代性の無い永遠性があると思います。evergreenからSHALLOW SLEEPまでのシングルは全て棺桶型で持ってますし、ROENTGENに至っては初回盤の合皮、さらに全英語詞のアジア盤、2004年のROENTGEN english.そしてDVDのROENTGEN STORIESと全部持ってます(笑)いかにROENTGENを愛しているか分かるでしょ。

HYDEさんは「コンサートをするつもりで作った訳ではない」とのことで、生で見る機会は無いと諦めていましたが、そんな中で発表された今回のツアー。行かない理由が無いですね。でも当初関東近郊のみだったため、遠征しようか迷ってましたが職業柄断念して、またしても半ば諦めていた矢先に福岡を含む追加公演の発表。もうSS席を確実に取る為にFCに入会しましたから(笑)勿論当日はSS席で鑑賞。
何気に今年初の、そして今年最後のサンパレスとなりました。今は正直ライブハウスよりホールの方が見てて落ち着きますね。

1.UNEXPENCTED
2.WHITE SONG
3.evergreen
4.OASIS
5.A DROP OF COLOUR
6.SMILING
7.THE ABYSS
8.DEPATURES
9.Red Swan
10.SHALLOW SLEEP
11.NEW DAYS DAWN
12.ANOTHER MOMENT
13.HONEY
14.flower
15.Angel's tale
16.THE CAPE OF STORMS
17.FINAL PIECE
18.BRAKING DAWN
19.NOSTALGIC
20.SECRET LETTERS

もう、夢のような時間でしたね。
暗転したステージ上の映像。バラバラな骨組みが徐々に「evergreen」のPVにも表れた鳥籠となり、「UNEXPECTED」のSEに連なり、暗闇の中、スポットライトが灯り入場してきたHYDEさん。この鳥籠は「evergreen」でもROENTGEN STORIESでも象徴的に使われていたアイテム。敢えて冒頭に表現した事に「またここから始まる」という象徴としての意味合いを感じ、紡がれた歌声と音色が2001年へ巻き戻していきました。荘厳な「WHITE SONG」とノスタルジックな世界観へ導かれる中、「evergreen」ではenglish ensemble的なアレンジを取り入れたニューバージョン。よく聞くと原曲よりもキーが全曲上がっていて、単にROENTGENの再現ツアーではない、現時点でのHYDEさんによる新解釈でブラッシュアップされたROENTGENだと認識。

冒頭3曲を終えてリラックスした表情で語り掛けたHYDEさん。今回のツアーはROENTGENをアルバム通り全曲演奏しながら、自身のソロ20年という事で、過去曲やカバー曲、新曲等も網羅したものになると簡単に説明。
一呼吸置いての「OASIS」「A DROP OF COLOUR」はアルバム通りのアレンジでしたが、ライブで一聴してその魅力を再認識しました。アルバムでもそんなに聞いてなかったんですが、砂漠の荒野に佇んでいるような感覚に陥る「OASIS」の世界や、延々と紡がれるドラムの音色が深淵と重みと、何処となく不気味さを与える「A DROP OF COLUR」の流れは、このプログラム内でも異彩を放ち、良い意味で浮いて新鮮に聞こえました。

現在制作中のROENTGEN 2に収録予定という前触れで演奏された新曲「SMILING」。タイトルから連想される明るくて陽気な印象より、そのSMILINGという言葉の意味合いを強く感じさせるドラマチックさが印象的な一曲。そしてタイトル通り深遠な世界観を表現した「THE ABYSS」。初聴きなのに一発で情景が浮かぶ世界観は見事としか言いようがありません。カバー曲である「DEPATURES」はもはや自身の楽曲に染めあがっていました。さらにYOSHIKIさんとのコラボレーションシングル「Red Swan」と、美しく燃え上がる激情のような歌声と、ステージには厳粛ながらも熱気を帯びた景色が広がっていきました。

福岡のご当地ネタなど、演奏中とは一転してリラックスした雰囲気で場を笑いにも包むHYDEさんのMC。目の前にいる人達を本気で愛おしそうに、「嬉しいんだよね。。可愛く見えちゃうんだよね。。」等と終始和やかなムードで、この演奏中との落差が心地良く、その流れのまま演奏された「SHALLOW SLEEP」。こちらも音源通りのギターのアルペジオに、english ensembleのオーケストレーションが加わったこのツアーならではのアレンジでした。一転して「NEW DAYS DAWN」では「オーケストラによるメタル」的な要素満載で、聴覚で感じる激しさと狂気が漲っていました。そしてその激しさや狂気を解放していくように「ANOTHER MOMENT」と続きました。

「たぶん皆がいなかったら3年で終わってましたよ。それが30年だから、みんなのおかげです。またバンドとして福岡に来るけど」と披露されたのはL'Arc~en~Cielの「HONEY」「flower」、ロックンロールだった「HONEY」がとんでもなくお洒落にアレンジされて、そこから「flower」と、生で聴ける感動しかありませんでした。このセクションはROENTGENの世界観から、良い意味で明るさや心地良さを押し出した空気が全面に出ていたように思います。オリジナルのギターアルペジオのイントロから、HYDEさん自身のアコースティックギターも加わって演奏された「Angel's tale」実は僕が一番ROENTGENで好きな楽曲。これを生で聞いた瞬間、何か達成できた感覚がありました。

聞きながら思い出したのが、この曲のインタビューの記事。当時、聴覚上のロックではなく、非常にアンダーグラウンドという意味でこの曲はロックだと思うと発言していました。実際、この日のMCでも、当時の時代情勢に逆行するように、自分だけの世界観を徹底的に突き詰めた作品がROENTGENであると発言していました。だから、HYDEさんの中ではROENTGENは従来の形に囚われない意味でのロック・アルバムであり、今思うと非常にヒリヒリした緊張感や、反骨精神が充満しているように感じました。でも、このツアーでは、その要素を感じなくて、ベタな言葉ですが、心地良さというか、愛というか、少なくとも反骨精神や緊張感は皆無でした。それはきっとHYDEさんの20年の歴史の中で、その精神が浄化されたというか、その違いこそが20年の重みであって、ROENTGENもそれによって自然と変化したものなんだろうと思います。実際、Angel's taleも、HYDEさんなりのクリスマスソングですが、当時感じた冷たく荘厳な雰囲気の中に、温かみを感じて、その何かを反映しているようでした。



「幽霊船の歌なんですよ」と「THE CAPE OF STORMS」で二度目のピークを迎えた後、ウェディングソングとして披露された涙腺なしでは聞けない究極のラブソング「FINAL PIECE」、「提供したのに当の本人が来日できなかったから、僕の歌の方が生で皆聞いてる人が多いんじゃないですかね(笑)」とJ-JUNさんに提供した「BREAKING DAWN」のセルフカバーと、このタイミングでなければ聞けなかったであろう貴重な楽曲などのエンターテイメント要素を含みながら、コンサートは終盤へ向かっていきました。

終盤はROENTGEN2の世界観の第一弾となる「NOSTALGIC」。出会いや別れ、出発を「駅」をモチーフに表現したドラマチックな世界。この曲は聞けば聞く程、その楽曲の魅力を再発見できるスルメ曲ですね。そして、その旅立った列車から想いを馳せる様な展開で、ラストの「SECRET LETTERS」へ。制作された時代がまるで違うのに、この2曲が同じ時系列の中でストーリー性を持って聞こえるあたり見事としか表現しようがありません。
「はるかな青空、はるかな貴方を、心は忘れない―――」
「SECRET LETTERS」の最期の一節が、HYDEさん自身の観客への想いを代弁しているようでした。

終演後はスタンディングオベーション、鳴りやまない拍手の中、一度は袖に引っ込んだHYDEさんが再度登場して、穏やかな笑顔で何度も御礼を述べて、去っていったラストシーンでした。

こうして僕の最初で最期のROENTGENの鑑賞は幕を閉じました。恐らくもう2度とこんな機会は無いと思います。だから、本音を言えばあと2回は鑑賞したかったのですが、それでもこの福岡で、生で、リアルタイムでROENTGENの世界を堪能できた事を、人生の大切な1ページとして刻んで良いのではないでしょうか。まあ、生きてりゃ奇跡のような瞬間に出会う事もあるよって。

本当に夢のような時間でした。一生忘れないと思います。
鑑賞後にパンフレット、タイダイTシャツ、白Tシャツと久しぶりに大量購入して、完全に満足して帰宅に着きました。本当にありがとうございました。そしてROENTGEN2の未来を、待っています。


我儘ラキア HOME PARADE SUMMER TOUR @福岡BEAT STATION

2021-09-27 15:10:07 | LIVE

ご無沙汰です。
去る9/11のBEAT STATIONにて行われた「HOME PARADE SUMMER TOUR」に行ってきました。

元々このツアーに参加した目的は我儘ラキアです。これはSNSか何かのタイムラインで『WAGAMAMARAKIA』という作品とそのツアーの告知を見たのがきっかけです。最初B-GIRLみたいなグループなのかと思っていたんですが、肩書には「アイドル」って書いてあって、無茶苦茶アクの強いアイドルグループだなと完全に見た目から入ってしまった経緯です。僕の中でのアイドルグループの定義だと、衣装は同じで可愛らしい笑顔を振りまきながら歌って踊るみたいなイメージなんですけど、良い意味でそこに靡いてないというか。むしろ女性ならではのカッコよさみたいなものを体現している印象が強くて。それに、こういう風に見た目から惹かれた場合、どうしても気になってしまうんですよ。どんな表現をしているのか。で、そのツアーは行けなくて、その後今回彼女達が所属している会社の企画で開催されるツアーが福岡でもあるという事で、行く事にしたわけです。
ちなみに今回は同じ所属の「Night Owl」なるグループとのダブルヘッドラインでしたが、開催ギリギリになってそのNightowlが出演を辞退したため、結果的にはラキアさんの単独ライブツアーになりました。しかもその後もメンバーの海羽さんの体調不良で1公演が直前になって中止になったり、最終的には回復しツアーは続行され福岡も開催できたので良かったですが、ラキアさんはこのツアーの翌日にも福岡で行われたアイドルのイベントにも出演されたので、色々な意味で大変だったのではないかと思いました。
恐るべしコロナ。
ちなみにこのツアーではラキアさん達が開場前に浴衣での2ショットチェキ撮影会を開催したり、公演終了後にはステージ衣装での2ショットチェキ撮影なんかも行われていて、キャンセルのグループが出た分、来てくれる人に楽しんで欲しいという趣旨であろう企画もありました。僕はあくまで音楽を聴きに来たのと、話すことが無いので参加しませんでしたが。

公演当日は開演5分前位に入りました。7割位埋まってたと思います。マスクは皆してましたが結構喋ってる人が多くて、いくら開催するとはいえこの事態宣言の状況下でぺちゃくちゃ喋る客もそうだし、対して注意喚起しない主催側もどうなんだろうと思いながら後ろで見てました。恐ろしくて前に行けないよ。定刻5分遅れ程で開演。

1. reflection
2. why?
3. New World
4. Leaving
5. rain
6. Like the star
7. ゼッタイカクメイ
8. One
9. SURVIVE
10. JOKER

入場してきた時に思ったのが、写真で見るよりずっと若いんやなって事でした。
アイドルグループといいつつも、スピーカーに足をかけながら荒々しくも繊細に歌いあげるメインボーカルの星熊南巫さんは普通にロックボーカルにしか見えなかったし、ダンスやコーラスワークで魅せる海羽凜さんと川崎怜奈さんはダンサーだったし、合間合間に緩急のあるラップを入れて会場の熱気を上げていくMIRIさんはラッパーと、アイドルっていうカテゴリーに収まらない、四者四様の個性バリバリなパフォーマンスを魅せてました。というか、こういうアイドルが何でいなかったんだろうっていう、新しい形のアイドルを見たといっても過言ではないです。ただ、海羽さんは体質かもしれませんがメンバーの中でも汗の量が多くて顔も他のメンバーと違って疲れているように見えました。あと特にマイクトラブルですかね、何度もMIRIさんが苦笑いしたり首をかしげながら音が出ないとスタッフさんや他のメンバーと掛け合う場面がずっと続いてたり。中盤で全然違う曲のSEが流れて思わずメンバーがPA卓を観たりと、こっちが分かる位のトラブルが起こってました。多分ステージではもっとトラブルが起きてたはずなんじゃないかと。だからパフォーマンスとか以上に親心的に大丈夫なんかなと思いつつ途中から心配で見てました。最終的にはラキアさん全員、中断することなくやり切ってましたが。

元々ファンではなく興味本位で来たので、一緒に楽しむっていう意識よりどういうグループなのかっていう所で傍観者だったのですが、たぶんラキアさんは客席全体を見てたと思う。所々眼があったし、必死にこの場を盛り上げようっていうのは伝わってきました。ただ、「盛り上がっていきましょう!!」とか「声出せますかー!!」とか煽るのは良いんだけど、声出せはあかんやろ...とも思いましたが。
今回は2マンだったこともあり、選曲も10曲、持ち時間も1時間でアンコールもなく、最終曲の「JOKER」が終わると笑顔でサッと退出していきました。僕もそのままサッと帰りました。

色々思う所もあったし、トラブルもあったりで、そういう意味で久々に凄いライブを見たという感想ですが、可愛いというより、カッコよくきめるっていう彼女達のイメージは変わりませんでした。
彼女達とはまた11月に同じ場所で、今度はワンマンで再会する予定です。そこでどう思うか、、追いかけていくのか、それともそこで終わるのか、また真髄を見極めに行きたいと思います。ありがとう。


PEDRO SENTIMENTAL POOLSIDE TOUR 福岡DRUM LOGOS

2021-08-29 11:54:50 | LIVE

”夏の終わりの大切な一日を私達のためにありがとう”

この言葉はライブが終盤に差し掛かった際のPEDROことアユニD嬢から発せられたMCの一部。
その日の想いが全部詰まってたみたいで印象に残ってる。

夏の終わりに差し掛かっているというのに、お盆過ぎから始まった終わらない雨模様の日々。
そんな8/24にPEDROのSENTIMENTAL POOLSIDE TOURで福岡DRUM LOGOSに行ってきました。
PEDROのライブは2019年以来約2年ぶり。去年の夏のツアーはコロナの関係で行かなかった。大体この人たちのライブツアーは夏にやってる事が多いから、個人的には夏になるとまた行くんだろうなと思ってました。前回行けなかった分、今回は行ってみようと決めていたので。

本来であればこの福岡公演はツアーの3本目だったけど、ツアーが始まる直前にアユニ嬢の所属するBiSHのメンバーから新型コロナ陽性者が出た影響で、序盤の2公演が延期となり、結果的にこの福岡がツアー初日になりました。相変わらずの雨空にうんざりするような蒸し暑い夕暮れ、久しぶりにShinShinのラーメンで腹ごしらえをした後、感染リスクを抑えるために開演ギリギリまで入りませんでした。
開演5分前位に入ると、会場の扉は全開していて、アルコールは販売禁止。ではあるけど、入場者数は恐らくほぼほぼコロナ禍前の水準に戻しているであろう位の人数。勿論ソールドアウト。
正直全席指定でキャパシティに対して収容人数を減らしてくれた方が安心するんだけどとは思った。
ぶっちゃっけ福岡でも2~3日前に緊急事態宣言が発令されたから、行こうか行くまいか悩んでいた。でも行こうと決めたのは、行きたい気持ちが強かったから。そんな複雑な気持ちが会場に充満していたと思う。6日にバンズのライブを見た時の方がまだ気持ちよく見れた。20日ちょっとで変わる脆い世界。
そしてコロナになってからは初めてのDRUM LOGOS。2019年のAngelo以来ですよ。

開演と同時に暗転して、アユニさん、サポートメンバーのギターの田渕さん、ドラムの毛利さんと入場。各々の配置につき一呼吸置くと、「東京」から開演。

SE
1.東京
2.愛してるベイベー
3.猫背矯正中
4.Dickins
5.GALILEO
6.無問題
7.日常
8.おちこぼれブルース
9.EDGE OF NINETEEN
10.SKYFISH GIRL
11.pistol in my head
12.乾杯
13.夏
14.浪漫
15.空っぽ人間
16.生活革命
17.自律神経出張中
18.感情謳歌

ENCOLE
19.うた
20.NIGHT NIGHT

「こんばんは、PEDROです。よろしくどうぞ」という彼女らしい短い挨拶を挟み、黙々と楽曲をプレイしていくPEDROの皆さん。基本的に全員楽器演奏なので、ビジュアルやパフォーマンスで魅せる訳でもなく、ひたすら楽曲を演奏していくオーソドックスなスタイル。でも彼女の表情や歌声に緊張と歓びをはじめ色んな想いが溢れてるように見えて、アユニさんの繊細な部分が見え隠れしている場面が多かったと思います。それはコロナ禍になって以降発表された「東京」「日常」「丁寧な暮らし」「夏」なんか顕著だと思うんですが、自分の中の負の心境を落とし込んだような「zoozoosea」「THUMB SUCKER」の時よりも、目の届くところにいる人達との想いや日常の大切さを歌った、優しさというか、繋がりというか、そういうキラキラした部分を素直に歌にした曲が増えた....ような気がしました。そんなキラキラした部分とドロドロした部分、両極端な要素が組み合わさった、生々しく成長していっている姿を見ているようでした。アユニさんという人間をPEDROというフィルターを通して触れていく感覚。
セットリストは年代問わずこれまでの作品全てから満遍なく選曲されていて、通常のアルバムを出してツアーという流れとは異なるため新鮮でした。中盤まで盛り上げていくスタイルながら、終盤にかけてミディアム~バラードテンポな楽曲が多く演奏され、特に「浪漫」~「空っぽ人間」~「生活革命」あたりのセクションは、その曲世界が、孤独でセンチメンタルな世界は広がっていくようで、文字通りセンチメンタルな感情を覚えました。情景が浮かぶというか。今にして思えばこの終盤のセクションが、このライブの最大の肝だったと思います。
あと、田渕さんの轟音のような凄まじい音圧によるギターサウンドは明らかにバンドサウンドの核になっていたと思います。特に激しいナンバーになるとアグレッシブさに拍車がかかり、中盤の「EDGE OF NINETEEN」なんかは完全に独壇場で、残響混じりの狂ったようなギターが圧巻でした。実際この日、歌以上に田渕さんのギターをずっと見てました。でもMCで福岡出身という事もあり博多弁で話しかけたり、ツアー直前に行われたサマソニのナンバガの話題に触れてアユニさんから凄かったと絶賛されると「恥ずかしい~」と恐縮されている姿との可愛らしい姿とのギャップも印象的だった(笑)

ツアータイトルにもなっているセンチメンタルというのは、意味的には涙もろいとか、感情的になるとかそういう心の揺らぎを表した言葉ですが、最新シングルでも「夏」のPVの情景にも通じる所はあって、イメージとして夏の思い出みたいなものがあったと思うんです。でも、多分一番センチメンタルになっていたのはアユニさん本人だったんじゃないかと思います。”なんでもない日常が外に出れない間に変わってしまったらどうしようと思った...”とか、”1人でツアー直前まで色々考えて泣いた...”とか、マイナスな方向に考えてしまっていたそう。”あんまり自分は言葉で発信するのが得意では無くて...."とも。でも、”ツアーが再開になって、人前に立った時、色んな不安やリスクがあるにも関わらず、この場を選んでくれたあなた方を見て、本当に嬉しかった ありがとう”
とか、不器用ながらも必死に考えて一生懸命言葉にしてくれている姿を見て、滅茶苦茶良い子じゃないかと思ったし、ああ来てよかったな、とか不安なのはお互い様だったんだなと思いました。この時間がとても貴重なんだと。アユニさんになんか大事なこと教えてもらった気がします。
本編終了後、短いMCを挟み、アンコールの最期の最期で全員で盛り上がれる「NIGHT NIGHT」にて終演。挨拶もそこそこに笑顔で一礼して去っていくアユニさん。そんな潔い最後で終わった夜でした。

そしてこの記事を編集している頃、PEDROの年内を持っての活動休止が発表されました。余りに唐突で急な別れ。どんな心境でツアーをしていたのか慮れませんが、奇しくもこのライブが福岡最後の公演となってしまいました。そう考えると自分が行った事に意味があり、そして結果忘れられない夏の一日になってしまいました。たぶんそんな人は沢山いると思う。PEDROとBiSHの両立にオーバーヒートをきたしたのか、それとも他の理由なのかは分からないけど、残念であると同時に、ここまで精力的に活動されたアユニさんに賛辞を贈りたいと思います。でも僕はBiSHよりPEDROが好きなので、次いつになるか分かりませんが、会いに行けたらと思います。そんな忘れられない夏の終わりの一日をありがとう。


BAN‘S ENCOUNTER 2020-2021 “僕が君に歌える日までTOUR" @福岡BEAT STATION

2021-08-09 14:40:31 | LIVE

 

ご無沙汰してます。
蒸し暑い夏の真っ只中8/6、BEAT STATIONにBAN'S ENCOUNTER(以下バンズ)のワンマンに行ってきました。
バンズ自体は2019年12月のw.o.d主催の対バンツアーでキューブリックで見た以来だから、約2年ぶりとなりました。バンズを始めて観たのは忘れもしない2015年11月。grafで行われた対バンライブにゲストで出ていたのが最初でした。当時インディーズバンドというものを良く知らなかった時代で、about a ROOMやIRIKOも一緒に見たのですが、このライブは主催のバンドより対バンのライブの方が集客が多かったという意味でも未だに鮮明に覚えてるライブでした。
そんな中で、バンズのステージは派手ではないけど、等身大でストレートに自分の気持ちを歌っていて、その真っ直ぐな姿が凄く印象に残っていました。それから、2016年の四次元で行われたabout a ROOMとの対バンライブ「ファンファーレを鳴らせ」とか、2018年のキューブリックでのUnblockの対バンとか、結構大事な場面で見ている機会が多くて、コンスタントに関わってはいるんですよね。メンバーがこの間に代わったりもしてますが、本質的なことはずっと変わってなかった。というかもっと売れていいんじゃないかとも思ってるし...
まあ、そんな感じで今に至るのですが、今回は5月から続いた全国を対バンで廻る主催ツアーのツアーファイナルでもあり、規模としても大きなハコだと思います。そこでワンマンって痺れますね。
僕は対バンツアーは1か所も予定が合わず行けなくて、でもこのファイナルだけ奇跡的に予定があったというオチです。活動休止したバンドも多い中で、こうやって続けていてくれた事が嬉しいし、対バンで何度も見ていますが、ワンマンは今回初めてなんで、どんなステージになるんだろと期待してました。この2年でどうなってるか知りたかったというのもあったしね。

開演時間が18時だったので、定時で仕事上がって、そのまま全身消毒した後、会場までとにかく走った...
夕暮れ時が一日の終わりを告げようとしている、蝉の音が鳴り響く街路樹を抜け、鉄道の高架下にあるBEAT STATIONに着いたのは開演して既にメンバーが入場していた時で、ほんとにタッチの差でした。
シンプルにバンドロゴのみが掲げられたバックドロップと、色違いのTシャツに身を包んだメンバー3人。ボーカル&ギターの松尾さんのギターが今までの黄色いギターからスカーレットの高そうなギターに代わっていました。
それぞれステージ上で見つめ合っては、お互いの健闘を祈るように拳を交わし合い、派手に一音鳴らしてから「バンズエンカウンターです!」の松尾さんの挨拶と共にスタートしました。

1.僕にないもの 君にないもの
2.信じる唄
3.NOVA
4.ライフライクマンガ
5.無才能平凡人
6.知らない
7.星に願いを
8.名前もない日々の事
9.明日を呼べよ
10.SONG
11.夜
12.after
13.LAMP
14.希う人
15.ピース
16.ありふれた人
17.episode
18.今日は
19.終わらない唄
20.ナニカ
21.アワー

ENCOLE
22.17

W-ENCOLE
23.無才能平凡人

オープニングは、会場限定で発売中の最新EP『言葉なんかじゃ伝えきれないけど』収録の「僕にないもの 君にないもの」から。ミドルテンポでありながらも力強く歌われたこの楽曲から「行こうぜ!」の言葉で初っ端から鉄板曲「信じる唄」を披露。その瞬間一気に反応するように、体を上下に動かしたり拳を振り上げたりするオーディエンス。その上昇した空気をさらに上げるように「NOVA」「ライフライクマンガ」「無才能平凡人」と一気にアップテンポなナンバーを畳みかけて行きました。
少しブレイクを挟んで、「知らない」からはバンズの持ち味でもある「歌」をより堪能できるミドルテンポなブロックへ。「星に願いを」「名前もない日々の事」などのストレートかつ叙情的な言葉とメロディに、その歌を盛り上げるようにして展開していくバンドサウンドの心地良さに包まれて行きました。特に「星に願いを」はミラーボールを用いた光と影の演出が相まってスケール感が気持ち良かった。
「去年全然ライブが出来なくてなって凄く不安になったけど、こんな世の中でもやっぱり未来は自分で掴み取っていかなきゃいけないって思った。そんな気持ちを歌った曲です」的なフリからの「明日を呼べよ」、大合唱曲「SONG」で、早くも一つ目のピークに達したような感覚を味わっていました。

ブレイクが後半になり増えるにつれて、何度も「ありがとう」と感謝の言葉を口にしていた松尾さん。
MCではこのツアーにかける意気込みや、「ファイナルはどうしてもビーステでやりたかった」と、この日への想いを語っていました。「全国各地で対バンで色んな人達と関わって、そこで感じたモノを全部出し切れるようなライブにしたい」とも言ってました。そういう出会いを大切にしてきたんでしょうね、100人位来ていたと思うんですけど、客席の人の顔も覚えてたみたいで、「いつも来てくれてる人」とか「久々に会えた人」とか言ってました。そういやabout a ROOMのメンバーも来てました。
後半は「とばしていくぞー!!」の煽りから「LAMP」から再度アップテンポなナンバーを立て続けに演奏。ストレートに全身全霊で歌いながらがむしゃらにギターを弾きむしる松尾さん、そんな松尾さんをところどころ見守るような視線を送りつつ時に頭を振り乱し、クールに演奏するベースのずーさん、ほぼほぼ笑顔でボトムをしっかり支えつつ、コーラスで楽曲に彩りを加えていくドラムの田原さん。それぞれがこのステージを心の底から楽しみながら全力で演奏している姿はとても輝いてました。

そしてあの場所にいたオーディエンスの方々が、その想いをしっかり受け止めているようにも感じました。アップテンポといっても頭を振ったり暴れまわるような曲ではないけど、なんか見てたら分かるんですよね、届いてるんだろうなっていう空気感が充満してて。それはきっと、紡ぐ言葉が、歌が、そこに描かれている葛藤やもがきやあがきのような気持ちを赤裸々に綴った想いが、不器用とさえ思う程真っ直ぐで、そして誰もが同じように感じているであろう気持ちでもあるから、だと思います。特にこのコロナによって生き辛くなっている時代の中では特に。
あと、バンズは信じてるんですよね。自分達の想いが誰かを照らせる事を。
余談ですが、「信じる唄」ってあるんですけど、あそこに書かれた言葉が、バンズがこんな状況でも活動を続けてきた根底にあると思うんですよ。「僕が君に会えるまで」っていうツアータイトルもそうなんですけど、重ねてきた出会いや別れの中で、想いが誰かに届く、誰かの火を灯す、そんな瞬間を求め続けている。から、こそではないかと。
ここまで来てからの終盤で演奏された珠玉のバラード「episode」「今日は」は、特に響くものがありました。音源よりも何倍も曲の持つ力強さ、説得力みたいなものがあって、最大のハイライトだったと思います。そして最期は、彼らの想いそのものを言葉に落とし込んだような「ナニカ」そして「アワー」と演奏し本編は終了しました。

終了後ただちに拍手が起こり、一旦はけるもすぐ戻ってきたメンバー。松尾さんが「ノリで変えてみた」とサブとしてステージに置いていたかつてメインで使っていた黄色いギターに持ち替え、「ゆっくりかもしれないけど、もっともっと大きくなって、これからも歌い続けれるように頑張ります」と語りながら、そのギターからすべてが始まった彼自身の原点を歌った「17」を演奏。
最期はバンドのシンガロングと呼応するように会場から数多くの拳が突きあがり、(自分も突き上げましたが)まさにその日の全てを象徴する、そんな感動的な光景で、圧巻のフィナーレを飾りました。





....が、終わっても鳴りやまない拍手で、三度入場したメンバー。ほんとに最後の気力を振り絞るように、やってやるぜ!的な感じで本日二度目となる「無才能平凡人」を演奏。最後は松尾さんが床にスライディングしながらギターを弾きならし完全燃焼。

優しく包み込んでくれるような時間の中、最期は熱くカマした圧巻の約2時間でした。
終演後は早々に帰宅してくださいのアナウンスを聞きつつ、会場限定EPを購入して帰宅しました。
やっぱり好きですね。これからも追いかけていきたいと思います。
彼らでしか堪能できないあの時間、最高でした。ありがとうございました。


lynch. TOUR'21-ULTIMA- Zepp Fukuoka

2021-06-20 21:20:27 | LIVE

ご無沙汰しております。
何とか生きていますよ。ライブも月に1~2本ですが足繫く通っております。
先月は6/2~3の2日間、Zepp Fukuokaで開催されたlynch.のライブに参戦してきました。
元々昨年リリースされたNEW ALBUM『ULTIMA』本来であれば去年の4月に鹿児島と福岡で参戦する予定でしたが、コロナ禍でかつ緊急事態宣言発出により中止となり、それから1年以上経って改めて『ULTIMA』のツアーが再開される事になった運びです。去年は結局lynch.もコロナ禍以降は有観客だと野音しかやっておらず、名古屋の公演や2月に行う予定だった日本武道館も全て感染拡大のあおりを受けて中止になってしまいました。僕自身は、ライブ自体が2年前の「ACT.0」のZepp Fukuoka以来なので、ここまで日にちが空いたのは初めてだなって位久しぶりとなりました。しかも、緊急事態宣言が福岡にも発出されていたのでまた延期になるんじゃないかと焼きもきしていたのですが、予定通りの開演という事で、ギリギリまで会場に入らない、消毒を徹底するなど準備を念入りにしてきました。そのおかげもあって今のところ無事に過ごしています。

会場のZepp Fukuokaは座席指定で、検温、アルコール消毒は勿論のこと、隣の席同士の間隔が1席分離され、前後で被らないように配席されるなど徹底した感染対策を講じていました。敢えて会場を大きなZeppにしたのも、何時もの会場規模では人数制限の関係で予想される人数を収容できない可能性や、空調設備なんかも関係しているんだとは思いました。あと、大きな会場では凝ったステージセットが設けられるようになっているlynchなので、そういったアルバムの世界観を視覚的にも体感して、最大限にライブを堪能できるようにしたかった想いもあるのかなと思いました。
僕自身は開演直前に入場したのでフロア全体を詳しく見ていなんですが、ぱっと見7~8割くらいは埋まっていたんじゃないかと思います。平日18時開演にも関わらず、です。
初日がG列、2日目はH列でしたが、会場が大きい分どの位置でもステージを見やすかったですね。


-6/2-
SE
1.ULTIMA
2.GALLOWS
3.XENO
4.RUDENESS
5.GROTESQUE
6.ALLERGIE
7.IDOL
8.EROS
9.ZINNIA
10.IN THIS ERA
11.ASTER
12.D.A.R.K
13.THE FATAL HOUR HAS COME
14.BARRIER
15.MACHINE
16.OBVIOUS
17.pulse_
18.EUREKA

ENCOLE
19.melt
20.JUDGEMENT
21.DON'T GIVE UP
22.LIGHTNING

-6/3-
SE
1.ULTIMA
2.I'm sick, b'coz luv u
3.XENO
4.RUDENESS
5.CREATURE
6.ALLERGIE
7.IDOL
8.EROS
9.ZINNIA
10.IN THIS ERA
11.ASTER
12.THE WHRIL
13.MIRRORS
14.BARRIER
15.MACHINE
16.INVADER
17.pulse_
18.EUREKA

ENCOLE
19.A GLEAM IN EYE
20.ALL THIS I'LL GIVE YOU 
21.GALLOWS
22.ALLIVE

W-ENCOLE
23.MOON

ほぼ定刻通りに開演した2days.荘厳なSEに併せて拍手と共にメンバー1人づづの入場。衣装は全員『ULTIMA』のアー写でしたが、玲央さんのビジュアルの変貌ぶりには目が行ってしまいました。僕の中では2年前の「ACT.0」で終わってるんで...短髪でワイルドなイメージだったのに、ブロンドへアーの長髪で髪を後ろで一つに束ね、黒のロングコートを纏い、一回り瘦せたんじゃないかとさえ見える程のスタイリッシュかつスマートさ。どこぞの英国紳士ですか?みたいな佇まいで見とれてしまった....

荘厳な雰囲気のままに1曲目「ULTIMA」からじっくりと地に足をつけるようにして始まったライブ。
そのまま、セットリストは『ULTIMA』をメインに、合間に過去曲を挟みながら、攻撃的に攻め立てる従来の流れを踏襲していきました。初日の序盤は緊急事態宣言中のライブという事で、会場に緊張感みたいなものは凄く漂ってたし、バンド側もシビアなのも伝わってきて、最初は手探りな印象もあったんですが、段々進む内に文字通りライブになっていくというか、感覚を取り戻していく感じがありました。(僕だけかもしれませんが(笑))
でも2日目は初っ端から「ライブ」でしたね。空気感も戻ってました。過去曲が初日より個人的には乗りやすかったっていうのもあるんですけど、『ULTIMA』の楽曲を観客も掴んだのか、まるで溜め込んだものを爆散させていくようで、前日より観客の熱気が高かったと思います。メンバーもそれに呼応するように応えていたと思うし、2日目の「pulse_」入りでは、葉月さんが「やりませんかあー!!男の人も女の人も若い人もご高齢の方も、子供も.....ダメダメダメー!子供はダメー!!」と自分で煽っておいて自分でダメ出しする位に興奮する状況が生まれる等(笑)コロナ禍でもこんなライブ出来るんだと嬉しかったですね。

そして、ライブが進むにつれて『ULTIMA』に対する自分の解釈も変わっていきました。
初めて聞いた時、衝撃や真新しさよりは、今まで聞いたことあるよなって感じが強かったんですね。葉月さんも話してましたが、増田勇一ライター言う所の「以前聞いたことがあるような楽曲の進化系」な感覚かなと。なので、ピンと来なかった部分が大きかったのですが、いざ体感するとそんな固定観念がぶっ壊されました。『ULTIMA』の楽曲は、近未来さをイメージしたであろうステージセットと相まって、より化けてその本性を現してました。言葉にすると難しいんですが、ダーッと駆け抜けて暴れまくるのもlynchのライブの醍醐味ですが、それとは違って1曲1曲をじっくりと堪能できる、その濃密さや説得力が過去曲より格段に凄かったんですよね。音圧、音厚、音熱。その全てがブラッシュアップしていました。
今後「1軍」になるであろうリードチューン「XENO」の攻撃性、既発曲よりもさらに一体感を生み出していた「BARRIER」の開放性、激しいのになぜかエモーショナルな気持ちに揺さぶられる「RUDENESS」の叙情性、混沌とした情景へ一気に雪崩れ込ませフロアがヘドバンの嵐を化した「ALLERGIE」「MACHINE」の凶暴性、変態的なサウンドとメロディが強烈な「EROS」の淫靡性、ポップでありながら、近未来要素が斬新な「IDOL」の異端性(この曲で悠介さんのギターソロは必見です)、、メロディアスな奥行きがよりライブに深みを与えた「ZINNIA」「IN THIS ERA」の深遠性、そして「ULTIMA」「ASTER」「EUREKA」にみられた壮大なスケール感、このスケール感が今まで感じた事がない程心地良く、ライブの中で核となる空気を放っていました。というかこの感覚こそが今回のライブを象徴していたんじゃないかと思います。今回座席指定でホール的な要素が入っていたからこそ感じた部分も大きいと思うんですけど、この空気はホールだとより響くと思いますね。色んな意味で。
あと、「EUREKA」では途中オーディエンスだけで歌うセクションがあるのですが、発声できなくてもマイクを観客に向ける葉月さん。幻聴ですけど、あの瞬間確かに歌声が響きました。

ブロックごとのMCもいつもより長めだったし、中盤には喚起タイムを設けたりと、感染対策上クールダウンせざる得なくて、汗だくになりたくてもなれないっていうもどかしさはあるんですけど、そこはメンバーの皆さんが気を遣ってくれたというか。基本葉月さんは笑顔でいつもと変わらず。やっと福岡に来れた。しかも2daysできて嬉しいみたいな事を言ってくれてたんですけど、他のメンバーも全員蔓延なく喋ってくれて。明徳さんがベースを自分で作ってるとか、悠介さんの親知らずを抜いたとか、悠介さんがアンコール煽りを2daysしたりとか。晁直さんがどの曲が演奏するのが大変か、とか(ちなみに静かな曲と回答したんですが、その後から静かな曲のブロックに入るので、そこを葉月さんに突っ込まれてました(笑))。
あと、初日のアンコールでは葉月さんのトラブルで調整しないといけない時に玲央さんがバトンタッチで話してくれたんですけど、「玲央さん、ちょっとお願いして良いですか」みたいなお願いの後に、「全然大丈夫だよ」と余裕のフォロー。そこでは、自分の両親が佐賀出身なので、挨拶に行きたかったけど、コロナ禍なので自粛して電話でのやり取りにしたとか、この状況でライブをする事の意味についても語ってました。ライブを楽しんでもらう事は勿論ですが、何より感染者を出さない事、そうやって実績を積み上げる事で少しづつでもライブというものが大丈夫だと認識してもらう努力を続ける事が大切なんだという話をしていました。来たくても来れない人には、来たいと思ってもらっただけでも感謝で、また来れるようになるまで、待っているし、そういう環境を守っていくから、的な話もされていました。

初日のアンコールは明徳さんセレクトだったのですが、メッセージ性の強い楽曲が並んでいて、感情移入させられましたね。特にライブハウス復興支援シングルとして去年発売された「DON'T GIVE UP」からのラスト「LIGHTNING」の流れには凄く希望を、光を感じたし、葉月さん自身も「なんかこの歌詞今のこの状況にハマるなー!めっちゃ歌っててジーンと来るわー!!」と叫んでました。
2日目のアンコールではさらに良い意味で砕けてて、何故か悠介さんが「We Will Rock You」のリズムを足踏みと手拍子で刻ませてました(笑)あと葉月さんが「アンコールの声っていつも早くなったりするじゃん?あれを誰かが仕切り直して途中からテンポがあったりするじゃん。あんな感じで足音と手拍子もできるの?」と実践してみたところ、全然テンポが変わらないので「変わんねーじゃねえか!」と突っ込んだりと和やか場面もありました。そして2日目のセレクトは玲央さんだったのですが、選曲がもうやばかったですね。絶対これまでだったらあり得ないだろう曲順だったので。ここからこう来るんだ!!みたいな衝撃が。「A GLEAM IN EYE」から始まり「ALLIVE」で締める展開は、もう感動しか無かったですね。
当初は武道館で初披露する予定だった「ALLIVE」。あの曲が武道館でまた響く事を願いながら、キレイな形で幕を閉じました。

...と思ったのですが、2日目のみアンコールを足踏みしていたオーディエンス(笑)するとすぐにメンバーが出てきてまさかのダブルアンコールへ。「特に喋る事ないんですけど、いや~あまりにライブが楽しかったからもう1曲だけやって帰ります!」からのラストは「MOON」!客電がつけっぱなしのまま無演出で演奏されましたが、そういった状況も含めて、眩い光の中、全員一つになって笑顔で迎えた最後、それがこの2daysのラストシーンでした。

2daysという事で本当に『ULTIMA』の世界を堪能できたし、今まで一番楽しかったと思える時間でした。
福岡公演以外は職業柄遠征を自粛しているのでホール公演は残念ながら行けませんが、絶対にまた大きくなって強くなって走り続けてくれる、それを信じてこれからも応援し続けようと思えた、そんな素敵な2日間でした。本当にありがとうございました。

 


藤原さくら『Sakura Fujiwara Live 2021 SUPERMARKET』@Zepp Fukuoka

2021-05-04 17:45:50 | LIVE

ハロー。ご無沙汰です。去る4/18に藤原さくら嬢のライブへ行ってきました。
彼女のライブは2018年に行われた「yellow」というライブツアーの福岡公演以来なのですが、彼女が福岡出身で、しかも実家が私の実家の近くなんですよね。あちらは私の事なんて知りませんけど(笑)あれから後もずっとチェックはしてたんですけど、タイミングが合わずじまいだったのと、コロナでエンタメ自体が自粛を余儀なくされた事も重なって、気が付いたら3年も経っていました。
今回のライブは昨年リリースされた最新AL『SUPERMARKET』のリリースに伴う東京公演の追加分として開催されたものでした。このアルバムが個人的に大大大ヒットで滅茶苦茶素晴らしかったんで、追加公演が福岡と大阪しかなく、今のところツアーも決まっておらず、次どうなるかも分かんないって所で参加してきました。

おりしもこのライブの数日前から関西地方で新型コロナの感染者が急増し、緊急事態宣言の要請を検討するというタイミングだったと思います。なので主催側から注意喚起や終演時刻のアナウンスが前もって通知されていましたが、気持ち的には行く事にナーバスになっていました。まあ行ったんですけど...ライブへ行く事に対しての後ろめたさみたいなものが今でも抜けていないですね。一番好きなものに対して、タブーを犯しているような感覚というか。
会場のZepp Fukuokaも昨年2月の打首獄門同好会以来かな?今回は全席パイプ椅子が準備されていて、横の方とは一席分感覚が空いており、前と後ろで着席位置が重ならないようにしたり、発声禁止など感染対策に気を付けていたと思います。個人的には入場してもロッカー付近にいて、開演5分前くらいにフロアに座りました。ほぼ満員だったと思います。丁度真ん中ややセンターよりだったので、ステージを見る分には問題ありませんでした。さくら嬢の立ち位置にはマイクスタンド、キーボード、ギターと機材がもっさりでした。そんな事を思っている内に暗転。

SE
1. 生活
2. Waver
3. Ami
4. Sunny Day
5. 「かわいい」
6. marionette
7. コンクール
8. Monster
9. spell on me
10. 楽園
~Band Session~
11. Super good
12. BPM
13. Right and light
14. The Moon
15. 赤
16. Cigarette butts
17. ゆめのなか

ENCOLE
18. Kirakira
19. Twilight

さくら嬢の衣装ですが、白と緑のマーブルなタートルネックロングスリーブインナーに抹茶色のジャケットと、タイトスカートのセットアップ、スカートの下にはデニムで髪型はお団子ヘアにまとめていました。凄いチョイスしてんな―と思いましたね。しかも背が結構高いからモデルさんみたいに見えるっていう。他のメンバーはよく見てないんですが、キーボード、ギター、ドラム、ベース、その他楽器諸々×2名といった大所帯でした。全然余談ですが客席から見て右手でトランぺットとか色々弾いている人がいたんですけど、どう見ても休日課長....(違う)。

拍手しかできない静かな、それでも厳かな空気に同調するように始まった「生活」。チルヒップホップを取り入れつつも、コロナ禍での彼女のプライベートが描かれたような歌詞とメロディーで見事に彼女色に染め上げた1曲から、「Waver」で「動」にシフトしていくんですけど、この曲では、外国の歌手みたいな艶やかで伸びのある、日本人であんな声出せる人いないんじゃないかと思わせる美声に驚かされました。続けて最小限のアンサンブルで構成された「Ami」とさらにテンポを上げていくのですが、テンポを上げる一方終始クールさが抜けない曲調が絶妙で、ここまでの流れで既に『SUPERMARKET』の凄さを再確認していました。明らかにそれまでの彼女の作品に無かった新境地を開拓していたように思えたからです。さらに「Sunny Day」「かわいい」と既発のアップテンポなナンバーで、一気に視界が開けたようなライトな空気となり序盤のピークを迎えました。

短い挨拶とバンドメンバーの紹介を挟み、「ここからはゆっくりとした曲を...」という言葉の後から「marionette」「 コンクール」「Monster」「spell on me」と『SUPERMARKET』から染み入る様な楽曲セクションへ。ここは本当に「オトナ」な感じで、Skoopの空気にも通ずるモノでした。『SUPERMARKET』自体が、彼女が好き好んで聞いている、自分がやりたい音楽を追求した結果、これまでに無かった様々なジャンルの楽曲を網羅したという所から来ているとインタビューで見たのですが、その辺が如実に現れていたように感じました。単なるJ-POPを超えているというか。なんか彼女の3年間って恐らく他の人よりも何倍も濃密な歩みだったんじゃないかと。じゃないと、20代の若さで、あんなオトナな空気を醸し出す音楽を表現出来ないと思うんですよね。新しいとも思ったし、年齢もキャリアも重ねて出来るようになった事と、自分のやりたい音楽に向き合った結果が見事に合さって相乗効果を生んだのかなと思いました。

その後ブレイクを挟んで再度きちんとしたバンドメンバー紹介へ。MCでは地元なのに全然福岡に帰れておらず、このライブが終わったら大阪にすぐ行かなきゃならないと名残惜しそうに言ってました。バンドメンバー1人1人に焦点が当てられつつ、皆最初は福岡に全然来てなかったという話から、いやよく振り返れば1年~数か月前に福岡に来てたみたいなどんでん返しなやり取りが多く、さくら嬢から「ちょっと、私の地元に謝ってもらっていいですか?」とサドっ気な煽りを入れるやり取りを何度か繰り返していました(笑)自分はずっと帰れてないのに他の人は来ているっていう所に嫉妬しているようにも見えましたが、勝気な人なんですね。

メンバー紹介後はアコースティックギター1本で「楽園」を披露し、それまでの落ち着いた空気を変えるようにバンドセッションから「Super good」「BPM」を演奏し会場を盛り上げます。「Super good」ではさくら嬢がハンドマイクでステージを左右動き回って、会場に手を振ってましたね。この2曲は唯一、『SUPERMARKET』で今までのさくら嬢っぽいなと思う曲でした。このままラストスパートかと思いきや、ブレイクを挟んで再度「Right and light」「The Moon」「赤」と再びミディアム~バラードなセクションへ突入しました。コロナ禍なのでテンションを上げるライブっていうのも難しいので、逆に聴かせるタイプの曲を多く持ってきた所もあると思いますが、今回のライブはこういった「動」と「静」の繰り返しが多かったですが、結果としてそれがまた新しい一面を見せてくれた気がします。終盤は「Cigarette butts」という初期の懐かしい曲も演奏され、最後は「目の前で応援してくれてる人とこれからも一緒に歩きたい」という言葉と共に、「ゆめのなか」で締められました。

アンコールでは全員がツアーTシャツを着用して入場。「グッズがまだ大量にあるので、是非ご購入をよろしくお願いします。」と短めな販促MCを挟みつつ、「コロナ禍で何でもない日常が大切なものだと気付きました」というくだりから、新曲「Kirakira」そして、「またお会いしましょう」の言葉で最後に「Twilight」を演奏し終演。
コロナ禍というのもあるので、挨拶が終わるとささっとクールにステージを後にしてきました。

約2時間弱の時間でしたが、濃厚な世界観を堪能でき、丁度良い疲労感と心地良い満足感に満たされました。
『SUPERMARKET』は名盤ですね。だからこそ3本しか無いのは勿体ないですね。本当に色んな人に体感して欲しい。
最初は不安でしたが、最後はやっぱ来てよかったなと思う、そんな充実した時間でした。
幸いあのライブでコロナ陽性者も出ていないですし、僕自身も体調に問題ないので、本当に良かった....。
次いつになるのか分かりませんが、また機会がある時まで。ありがとうございました。