Naomi's Letter

ソプラノ・佐竹由美のブログです。
定期的に公演や、近況をお知らせいたします。
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メトロポリタン歌劇場125周年記念ガラコンサート

2009-03-21 | Weblog
今日、語学学校の進級テストがありましたので、しばらくは真面目に勉強しておりました。ご無沙汰しました。

さて、前回の続きなのですが、電車やバスなどでの注意のシーンもよく見かけます。秩序に対して無関心でない大人の存在というのも、良いなぁと思ったりします。
地下鉄でのこと、ぐずってウロウロする男の子のところに「アンクル・トム」のようなおじさんがゆっくり近づき、最初は優しく「そうやってホームの端に行って、もし落ちたらどうするの?そこに電車が来たらどうするの?(等々諭す)…」、段々語気がどっしりしてきて最後には「お母さんを困らせるんじゃないの!!」っと一括。子供「シーン…」
なんだか、映画を見ているような気持になった見事なせりふ回し(笑)。

でも必ずしも良いことばかりでもありません。とても混んでいるバスの中でご老人も沢山乗っているのに優先席には若い女の子が座ったまんま。50歳ぐらいの女性が「あなたは席に書いている字が読めないの?」の一言。周り中「やったね!」と思ったことでしょう。ただしこちらは最後まで席を譲りませんでした。おまけにその女性が降りるときに「この子は私の娘だ。あなたに怒られる筋合いはない!!」というような言葉を投げつけた男性。あらら…お父さんいたのね…
でもこういう両親は多いようで、公立の高校などは授業崩壊するところが多いと英語の先生がおっしゃっていました。つまり先生が注意すると、次の日に親が怒鳴り込んでくるそうな。
日本でも同じような事があるようですし、もう一度社会全体で考え直すべきことなのかもしれません。でも政治があれですもんね…(政治音痴の私に言われるぐらいだから、大変なことです!→麻生さん)

さて、時間は遡りますが15日(日)は、メトロポリタン歌劇場の125周年記念ガラコンサートに行ってきました。
このコンサート、一番安い席でも100ドル(普段は一番安くて15ドル)は超えていたと思います。私が最初にインターネットで調べた時には既に800ドルの席しかなく、パス。その後何度かチェックしていて400ドルの席は出てきて、「どうしようかな…」と思っていたところへ、偶然125ドルの席が!
夢か幻か…思わずクリック!後にも先にもWeb上で見たのはそのチケットのみ。まるで神様が私のために用意してくれたかのような偶然でした。

 
125周年のポスター。右は開演前。続々と人が集まってきます。ほとんどの皆さんが正装。それを拝見するだけでも楽しませてもらいました。
黒の素敵なドレスを来ている方を沢山見かけ、思わず「それ、どちらでお求めに?」なんて聞きたくなりました。
女優さんや俳優さんもかなりいらっしゃっていた様子。次の日、インタビューシーンがテレビに映し出されておりました。
 

会場の中。一番上の階の踊り場から会場の入り口に向け撮影してみました。

とにかく素晴らしかった!の一言です。
ガラコンサートというので、それぞれが順番に出てきてアリアを歌うだけかな…と思っていたらとんでもない!!衣装を着け、アリアや重唱をきちんと舞台シーンとして演じ、背景も創られて演出も手抜きなし。
スクリーンには当時のポスターを映し出したり、初演当時の演出で舞台を作ったり、とにかく125周年に相応しく、でも奇をてらうことなく、すべてが舞台を愛している人の手で作り出されている暖かさに溢れ、そして魔笛の序曲では、シャガールの絵が自由自在に変化していくハイテクも使われ、その技術に唸ってしまいました。本当に素晴らしかったです。
そして、ドミンゴのメトデビューの40周年も記念していたのですが、今もまったく衰えを感じさせない風格のある舞台姿には脱帽でした。
ドミンゴだけでなく、他の出演者もその歌と姿から溢れ出るこれまで歩んでこられた重みと人としての凄味のようなものを感じ、豊かな想いに包まれた4時間でした。日が経てば経つほど、心に深く刻まれていきます。そんな舞台を目指していきたいと感じている今日この頃です。