ニューヨークは日曜日あたりから寒波に襲われ、月曜日の朝は真白な世界に。ニュースでWinter Storm Worning(冬の嵐の警告)としてずっと言い続けていましたし、郊外の人たちが買いだめしているシーンまで頻繁に出てきて、とても心配になりました。陸の孤島になるのではと(笑)。歩いて1分のところにマーケットがあるので、まあ、食べ物には困らないかなとは思っていましたが。
こちらの雪の降り方は、本当に細かい雪の粒が音もなく知らない間に積もっています。あまりにも深々と降っているので周り中の音が消えたかのよう。怖いようなワクワクするような気分で夜中に窓からしばらく降る雪を眺めてしまいました。
月曜はニューヨーク中の公立学校が休みになったこともあり、朝のマンション内はいつもより静か。誰も出かける気配がなく、もしかしたら会社も休みだったのかもしれません。
それでも地下鉄はほばいつも通り動いていて、語学学校には出かけましたが、歌のレッスンは休みになりました。
こちらでは雪が降った後は家の前の雪かきは家主の義務になっているようで、朝から沢山の人が道に出て働いていました。午後になるとビルの上に溜まった雪が凍って上から落ちてくるという少々怖い目に遭いながら帰宅。
夜はメトの「夢遊病の女」ニュープロフダクション初日を見に行きました。コロラトゥーラとして大人気のナタリー・デッセーが出演することもあり、ほとんどの公演がすでに売り切れ状態。現代版演出でしたが、幕が開いた時はその舞台の配置の美しさにかなり期待大。ところが…いけません!…音と一緒にお遊戯のように合唱を動かしたり、アリアの間ガサガサと合唱を動かしたりで音楽に集中できません。演出の意図がさっぱり分からず、終わってから演出家に対してはかなりのブーイング。音楽がトラディショナルなだけに、やっぱりモダンな演出には無理があるのか?歌い手はどの役も素晴らしかったのですが、その素晴らしい歌唱も半減してしまうような演出で本当に残念。「夢遊病の女」は大学卒業試験の曲でしたし、御前演奏をした思い出の作品なので本当に期待したのですが。でも、デッセーのアミーナは、よくコントロールされてさすがに素晴らしかったです。
写真はメトロポリタン歌劇場の前に飾られている「夢遊病の女」の垂れ幕。ちなみに衣装はこれとはまったく違います。
時間は遡りますが、1日(日)は、やはりヘレベッヘ「ロ短調ミサ」のチケットが取れず、ニューヨークシティバレエのシーズン最終日を見に行きました。次のシーズンは4月末からだということで、ニューヨークで見るバレエはこれだけだろうなぁ。
やはり人気の定番の演目は早々に売り切れていて、仕方がないので「20世紀作品」というのをなんとなくそんなに期待しないで見に行きましたが、ところがどっこい!素晴らしかったです!特に「Glass Pieces」という作品(作曲がPhilip Glassという人)が踊りも音楽も素晴らしく、特にサックスのソロがたぶん4分の1音とか4分の3音とかが使われていると思うのですが、こんなに効果的だったとは!!バレエを見に行って音楽を堪能させていただきましたし、踊りがあってこその音楽の効果なのだと思いますが、体の隅々まで自由に使って表現する技術にこれまた感動。上手い人の中にもそれぞれ個性が違ってこれまた面白い!これだけ踊るにはかなりの練習と自信と大変な中を勝ち取ってきた技術なんだろうなぁ…と素人みたいに感心し帰ってきました。
3日(火)もカーネギーホールでチェチリア・バルトリのオーケストラ版アリアリサイタルがあったのですが、これも2回チャレンジしましたが、売り切れ。今日は早々に帰宅し、家で過ごしました。
それにしても、今日も一日氷点下。外を5分歩いただけで頬が切れそうになるくらい痛くなります。明日はやっと0度まで戻りそう…。