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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

写真

2009年08月13日 | 家・わたくしごと
 最近、紙にプリントアウトした写真というものをとんと見かけなくなってしまった。かつては、一緒にでかけた友人から封筒に入った写真をもらうことがよくあったのだが、今、友人たちから送られてくる写真は、写真の「データ」であって、写真のではない。もう写真はパソコン上で見たり、プロジェクターから投影されてスクリーンに映る、まるで映画のような存在になってしまったのだ。
 時代が変わったのだ、といわれればそれまでである。確かに紙媒体の写真からデータに変わったことで、保存のスペースも不要になったし、検索方法も簡単になった。なんといっても添付ファイルでどこにでも送れることで、封筒にいれて写真を送ることなどもう実際には行われなくなったといっても過言ではない。プリントアウトした古い写真でさえ、スキャナーでデータにして保存する時代なのだ。
 今夜、家に帰ってテレビをつけると、偶然、高校生の少女が封筒に入った写真を友人からもらうドラマのシーンに出くわした。十年以上前のドラマの再放送ではなく、現代のドラマである。なんだか妙になつかしかった。まだ中学生や高校生はデータで写真はやりとりしないのだろうか。それとも、この少女が時代錯誤的なレトロな設定なんだろうか。それはそうとして、なんとなく現像された写真が懐かしくなり、本棚の一番下にしまわれていたアルバムを引っ張り出して眺めてみた。確かにわずかな写真のために、これだけ重いアルバムを持ち運びするのかと思うと、億劫になることは否めないのだが、やはりアルバムに収められた写真は、そのちょっとだけ褪せた色彩のおかげで、その時代の自分の記憶をよみがえらせることができるのだと思う。「写真データ」と「現像された写真」を天秤にかけるわけではないが、現像された写真には、その良さがまだまだあるものだ。


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