K氏のミッション(というほどのこともなかったのだろうが、行ってみたいという場所として)の一つが、タナ・ロットで夕日を見るという、実にベタな観光コース体験だった。タナ・ロットでの夕日ツアーは観光コースの一つとして設定されているもので、一日観光コースに入っていたり、オプションで選ぶことのできる代表的な観光コースである。
そういう私は、信じられないだろうが、バリを最初に訪れた1983年からたった一度も、タナ・ロットで夕日をみたことなんてないのである。もちろんタナ・ロットには数えきれないほど出かけている。というのは、私が住んでいたトゥンジュク村で大きな儀礼があれば、タナ・ロットにお祈りに行くのが常であり、数台の大型トラックの荷台にぎゅう詰めに乗って、その上で到着するまでひたすらガムランを演奏するのが常だった。
それにしてもベタな観光地とはいえ、美しい景色は美しいものである。そして観光客は、観光ガイドに掲載された観光地の写真を、その観光地に「確認」に行くものだ、という観光人類学の本に書かれていた一文を自ら体験して、なるほどと納得したのであった。確かに自分で撮影した写真が、どこかの観光ガイドでみたような写真になっていることに、なにげなくだけれど、満足しているのだからね。
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