Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

リズムと遊ぶ

2009年11月28日 | 大学
 今、東京からバリ人の演奏者で、明日の上演に参加してくれる私の友人がサークルの指導をしてくれている。やはりバリの演奏者の指導だから、メンバーの目つきもちょっぴり違うし、私自身もひじょうに勉強になる。
 彼が昨日、メンバー達にこんなことを言った。
「もっと、リズムと遊ばないとだめだよ」
 ぼくはとっさにこの言葉を、インドネシア語から日本語に翻訳したときに起きるある種の変換ミスのように思ったのだが、よく考えるとそうではない。これは実に意味深い内容を持っているのだ。
 私達はガムランを演奏するときにリズムを頭や体で刻んでいる。そしてその演奏は、規則的なリズムに支配され、制御されてきた。しかしそこまでが、ある意味、日本人の求める演奏だったのかもれない。私達はある種のリズム的パターンを必死に反復練習し、それをいとも簡単にできるような演奏者を上手な演奏者と考えてきた感がある。
 しかし、上手だと考えられてきた演奏は「リズムと遊んで」いるだろうか?違う、確かに答えは否!遊ぶ余裕なんて、これっぽっちもない。長年、演奏を続けてきた私達が求めるガムランは、リズムと遊べる、戯れるガムランである。そのときに「私達」と「音楽」が一体となって、きっと自他共に満足できる響きが奏でられるのだろう。そんな理想を描く以前に、友人が語った「リズムと遊ぶ」という短いフレーズは、私には衝撃的な響きだった。
 

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