Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ホットとクールな感情表現

2011年01月14日 | 家・わたくしごと

 今日のガムラン練習の休み時間(おやつの時間)で、おしゃべりをしている時、バリ人の別れ方が「クール」だという話題になった。どの留学生もほぼ例外なく、帰り際のバリ人のクールな態度を経験をしているのである。クールは、「冷淡」と解するのではなく、「じゃあね」みたいな、いつもと変わらない表現という意味である。要は、「ウルルン体験記」みたいに抱きついて両者が涙を流す「絵になる別れ」がない、という意味である。二年間、生活をともにした私の先生も一言、「おい、今度はいつ来るんだ?」なんて調子だったのだ。こっちは泣きそうだったのに、そんな風に言われるとなんだか別れの気分が冷めてしまうものだ。
 「でも沖縄って、バリと違って熱いよね」と誰かが言い出した。するとメンバーの一人で留学経験者がこういったのだ。
 「私なんか留学から帰ったとき、那覇の空港で家族が大きな紙におかえりなさい、って書いて待っていたのだから」と言ったのだ。よく聞くと、「本人の名前」と「おかえりなさい」が書かれた大きい文字が印刷された紙を親戚の子どもたちがもって、空港の出口で待っていたというのだ。しかもハワイに着いた観光客のように、帰ってきた本人の首に、レイがかけられたというのである。まるでヨン様が、日本の空港に着いた時みたいだ。確かにこの話を聞くと、沖縄はバリとは眞逆で「ホット」な感情を表現するのだ。
 「今度、ぼくがバリに出かけるときとか、帰るときときとか、空港でやってくれないかなあ」と私は冗談交じりに言ってみたが、メンバーのこんな一言。
 「先生がバリに行くのなんか普通すぎるでしょ。」
 確かにその通りである。だいたい、もし空港の出口に親族が縦幕をもって待っているのがわかったら、ぼくはその出口から出ずに、絶対他の出口から隠れるように(逃げるように)出て行くだろう。ぼくは、バリ人の「クール」な感情表現に賛同である。
  


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