Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

胡蝶の舞(ハーベールー)

2015年10月05日 | 那覇、沖縄
 先日、沖縄の集落で見た舞踊の中に「胡蝶の舞(ハーベールー)」があった。なんと63年ぶりに復興した踊りだそうだ。バリではよく踊りの復興をしているし、実は私自身もバリで社会主義リアリズムを表彰した舞踊の復興に関わったことがある。復興というのは音楽、舞踊だけでなく、衣装も含めて結構、手間も時間もお金もかかるものである。
 この舞踊を復興するにあたり、村に住む若手を集めたそうだ。女性は踊りにたしなむ人も多く、すぐ見つかったそうだが問題は男性の方。そこで村の人々は、いわゆる夜中に徘徊する中学生や高校生に声をかけたそうだ。徘徊しないで、芸能に打ち込め、ということらしい。しかしそんな簡単にいくわけはないのだが…。
 今回の男性二人は、まさにその人物らしい。すでに踊りは3回目。「踊りたくない」「恥ずかしい」という気持ちが、ありありとその所作を通して読み取ることができたが、それにしてもりっぱではないか。二人はもともと三線が弾けるようで、獅子舞のときは踊りを終えた後の白塗りの顔のまま、地方(じかた)として演奏をしていた。今は恥ずかしいかもしれない。でもいつの日か、この伝統ある舞踊の復興にかかわり、後世にこの踊りが残されていく担い手であることに誇りを持つ日が来るだろう。