昨日、息子と二人で志の輔の落語の会に行った。実は落語の独演会というのは初めてで、基本的に寄席でしか見たことがないために、1000人近く収容できるホールで落語はどんな風に聞こえるのだろうかと思って出かけた。志の輔の沖縄での上演はこれが99回目だそうで、1980年代からずっと上演を続けている。継続は力である。話の「まくら」では、数人程度の客の前でも上演していたと話していておもしろかった。
新作落語もよかったが、久しぶりに古典落語の「つるの一声」を聞いてホールで大笑いした。つい最近、大学の定期公演がおこなわれた同じ場所で、周りに気兼ねなく笑うことに最初は躊躇したが、時間の経過とともに気にならなくなった。落語は笑うものである。
落語の好きな息子も面白かったらしく、隣でよく笑っていた。彼が終演後「面白かった」を連発していたが、ひとこと「弁当を食べながら見られないのが残念だった」とつぶやいた。東京にいくたび私の父と寄席に通う息子にとっては、食べながら、飲みながら、寄席を楽しむというのが大衆芸能のあるべき姿のようで、それだけが物足りないようだった。なんだか急に寄席に行きたくなった……。