Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

自分へのおみやげ

2010年09月18日 | バリ
 友人と入ったおみやげ屋で、ジャワの古い馬のワヤンを見つけた。バリのワヤンの馬に比べると、皮も厚く、ひと回り大きい。私はバリのワヤンを購入することが多いが、コレクションというよりは、自分が使うことを前提に購入する。バリのワヤンを上演する私にとっては、ジャワのワヤンを買うことはない。ちなみに、ジャワのワヤンは、授業やレクチャーなどで使うラーマとシータの二体のワヤンしか持っていない。
 この馬の人形を見たとき、「これは使える」と思った点が一つ。なぜならこの馬の人形は、首の部分が指の操作によって上下に動くだけでなく、ワヤンを上下させただけで首がやわらかく動くのである。バリの伝統的なワヤンの馬の人形は、一枚の皮でできているので、どこも動かない。人形操作によって、いかに生きているように動かすかということが重要なのである。
 先日、新作のワヤン・リステリックを上演したとき、馬を使ったが、舞踊家が影の馬の頭をなぜるシーンがあった。もし再演が決まれば、この人形は最適である。迷わず、「おねえさん、この人形、もっと安くなるよね。」と値段交渉を始めたのだった……。