どんでん返しの卑弥呼の墓・邪馬台国ーー10・1倭女王卑弥呼発見なるを変更しました。

卑弥呼の墓の新発見、王都の位置、本名および魏志倭人伝の解明について書きつけます。

ヴィーナスと天照大神

2011年08月20日 05時36分00秒 | 海(わた)




サンドロ・ボッティチェリ。イタリアの画家。1483年頃の作。絵はWikipedia「ヴィ―ナスの誕生」から。
大阪市美術館蔵。図は吉田光邦「星の宗教」から。図の解説はありません。

ヴィーナスと天照大神

ギリシャ神話のアプロディテー
アプロディテーは、ローマ神話のワエヌス(ラテン語Venus)と同じで、英語ではヴィーナスです。美と豊穣の女神という。(また、ヴィーナスは金星です)

天空の神ウラノスは、母なる大地の神ガイアに生ませた子が、あまりに醜い為に、子を地底に閉じ込めた。子供を不憫に思った母ガイアは、復讐して、ウエノスの陽根を切り落とした。その陽根と泡からアプロディテーが生まれた。

アプロディテーは、海辺を洗う白い波の中から生まれて来た。それも、ギリシャの天空の神ウラノスの切り取られた陽根が海へ落ちて潮に運ばれている間に、寄せて来た泡から生まれました。

地中海の白い波から生まれたアプロディテーは、女神たちに衣を着せられ、彼女の歩く所には、花が咲き、緑草が育った(豊穣の義)。以上ウィキを編集。

ギリシャ神話で、泡をアプロスという。
これは、四月を意味するアプリリス(ラテン語)と同じで、英語のエプリルです。
因みに西欧の4月誕生石は、ダイアモンド(金剛)です。

一方、日本の天照大神は、常世の波が打ち寄せる伊勢の地がよいと、垂仁天皇の娘:倭姫にいう。倭姫は斎宮(伊勢国明和町)にいます。
神の名義は、アプロディテーと同じと考えられます。

ところで、トルコ語yaba(ヤバ)は、熊手状の物を指します。堺市の大鳥神社
には、酉の市が立ち、熊手にいろんななり物がつく縁起物です。
ヤバは、ラテン語のウエヌスと同じですが、金星の動きを熊手に見立てたのでしょう。また、熊手は、神の手でした。

旧豊前の築上郡築上町に金富神社あり、湊八幡宮ともいう。綾幡郷という地名もあって、中野幡能は、ここに矢幡氏が居たと記す。
金富は絹富の義で、神代紀では、天照大神は口から絹を吐くことができたとしていました。綾幡地名も幡織り師、織り女と関係します。

また、景行紀、国崎臣・宇那手(うなで)が、朝方に観た大きな光を追ってゆくと、里芋が沢山取れた瑞祥譚を載せています。たぶん明星(金星)でしょう。豊穣の神だからです。

縄文時代の女神(めがみ)の土偶は、宇佐市から出土。宇佐は、宗像三女神の宇佐嶋降臨地、神武紀の宇佐津彦・姫ゆかりの地です。のちの豊川社や弥勒寺の建立が示すように、弥勒菩薩につながってゆきます。

宇佐市の豊川社は、豊姫や稲荷と関係して、荷はハチスで、蓮と同じです。宇佐は、背後に、豊穣の女神・金星(天照大神)やスバル星(天ウズ女)が見守っていたのではないか。

ときに、金星は変身します。・・・証拠は和歌山の国懸神社に記載。
ミトラは、金鵄鳥(迦留羅:カルラ)、ミスラは、金翅鳥[ガルダ]で、どちらも、金星と太陽のなせる強烈な光で、軍神に変化(へんげ)した姿でした。(ペルシャとインドは、同じ神を善悪正反対にしているから、どちらがミトラでミスラか七海には判りませんが、一応、上記のようにしておきます)

金星が怪鳥にさらわれる絵は、ソグド地方で出土しました。

大阪市美術館蔵には、誰の作か知りませんが、大鳥(鳳)に乗り、大鳥の頭をつけた女神の絵があります。
おそらく、天照大神のひとつの姿。それも「牙をむき出しにした崑崙山の西王母像」から、見違えるような姿に変わっています。

アルメニア山地には、オセット族の神話に、迦留羅(金鵄鳥)が出て来ました。
神武紀では、金のトビ(鵄)が出て来て、強烈な閃光で、長脛彦を敗退させる説話も同じ理屈でした。カルラ面は奈良東大寺に伝わっています。
アメリカ国防総省ペンタゴンの五芒星形も同じく金星です。

天照大神は、太陽神ではなく、日本書紀は、日の神も記載しています。日の神が太陽神でした。スサノオは、日の神にも天照大神にも誓約したのが証拠です。

隋書俀国伝(たいこく)は、女のなよなよしたさま。同書に、推古天皇は、日未だ開けざる時に政を聞く(夕から朝方にかけて)と記す。司馬遷は、天に柱を建てていても、金星の動きをみておかないと、国を取られることがあるという。
隋の文帝は古典を知らないと、スサノオの後裔が予言、暴露していました。事実、文帝は息子煬帝に殺されました。

ところで、ボッティチェリの絵は、女神(めがみ)が貝に乗っています。波から生まれたので、貝にしたのでしょう。

一方の天照大神は、大鳥に乗って一体化しているので、アルメニアやソグド地方の神に近い。この地方から、ローマへ、ミトラス教(ミトラ)が伝わったので、絵はまるっきり違うようになったのでしょう。しかし、波や海は、共通でした。
なお、ローマ文化はギリシャの文化遺産を受け継いでいます。

絵は古くはないものとみられますが、その淵源は、悠に古いものでした。

民族学者、神話学者は、天照大神を太陽神という。混同も甚だしいのが、実情です。お寒い限りで、倒産本が「山と」でました。倒産本とは、本の著者が間違いを書いたので、倒産本というのです。
大巳貴は、大穴牟智ともいうが、穴は、陥穽(かんせい)の穴でもある。怖い連中を相手にして、現代人は太刀打ちできなかったとみなします。人文科学としての神話や歴史解読は遅れています。

余談
七海は、天空の神・ウラノスを、日本ではアンポンタン(タン:丹)と看做しています。もちろん、薬ではありません。

ついでに
墳丘とは、漢文では古本を積み上げた状態です。考古学者は、墳丘墓と造語しました。これでは、古本の山になりかねません。また物事が紛糾します。墳が墓の義ですが、これに加えて墓をつけること自体がおかしい。
貝塚茂樹は、漢和辞典を記すだけあって、中国史で、丘状の墓を丘墳としています。丘墳でよろしい。
出来る限り、用語統一を望みます。

失敗は、成功のもとで、書き直せばよいことです。


2011・8・22、追記
上記の文章は変更なしですが、
大阪市美術館蔵の絵は、朱雀かもしれません。
朱雀であれば、五行説で南方を司り、インド神話のガルダに似た絵です。
もうひとつの観点は
絵の鳥は、鶏そっくりです。すると酉は、西方を意味する。そして、背景の赤色は、日没後の夕焼けです。
いずれにしろ、大阪市美術館蔵の絵は、なぞとしておきます。

普段の天照大神は、金星ですから、仏教でいう弥勒と同じです。