金石文6 幡枝古墳
幡枝古墳の鏡の刻字
この刻字は、盤龍鏡に似ています。なぜ、日向の高鍋市出土のものが、尾道
市耕三寺にあるのか。
また、幡枝の意味、京都市左京区の出土も不思議です。
文献
1実物は、榧本杜人「朝鮮の考古学」同朋舎1980に写真がある。榧本が、初めに間違ったのであろう。榧本は、夫火竟としている。
2次に「日本の古代遺跡 27京都Ⅰ」保育者 1986は、実物を示さず。夫火鏡と記載している。
3これを、平川南は、正確にトレースせず、姿を変えた字にしている。なお、平川は、榧本文献を引用していない。平川南「古代日本文字のある風景」
4明治大学所蔵のものは、不詳。
まず、解りにくい漢字や固有名詞を先にあげておきます。
丅:下、丄:上。
二上は、福岡県糸島市の二丈町の山。滋賀県、奈良県の二上山。
八龍は、前原の人物名の八つの名、豊雲之尊・・。
以下、1の実物を拡大してみる。漢文をつづります。
A解釈は、漢字を長めに描いたとみて
夫、燭龍、一、イノ。・・・6字、ただし、月の下は小断片の字。
B解釈は、漢字を細かく断片として忍ばせたとみて
B-1 二丄人、火卜人、ノ立目、イノ。・・・10字。
B-2 二丄丅人、小卜人、ノ、立月、イノ・・13字
B-3 土丅人、(上に同じ)
Aの解釈。
それ、燭龍の一は、倭丿なり。
倭丿は、カエイ。ワエイ(倭の裔、)夏の裔。
そして、倭至と書けば、鍛冶、ワシ。
燭龍のはじめは、倭裔なり。・・・建磐龍命(たけいわたつミコト)
阿蘇開拓の祖は、山城国から来た建盤龍命です。
注記(丿)は
1へッ、へチ、2ヨウ
右から左へ曲がる。首をあげて体を申びる。
3エイ。至る。
Bの解釈は、悩み多く漢字が特定しにくいのです。
B解釈の第一段階 読み三通り。
B-1 二上人は、火卜人、立て目の倭至
B-2 二上の下人は、小卜人、立て月、一の倭至
B-3 土下人は、小卜人、立て月、一の倭至
漢字音の注記
()は、上下に通じる意味をもつ。
1コン、2シ、3ジョ、ニョの音。すすむ、しりぞく。
進む(下から上に引く場合)。退く(上から下に引く場合)。
(卜)は、ホク。慣例ではボクの音。
(小)は、於人、阿人とも解す。
襲於、曽於の於。初小であり、素、蘇。蘇人の宗、蘇るのであろう。
大きな、大きなかまど「竈」。おくど、阿蘇山でもある。
解釈の第二段階・・Bの漢字の解説
B-1二丈人は、鹿(志賀)卜人、立て目は、(四川省成都市の三星堆)出目王。
つまり、カタツムリ(蝸牛)
B-2二丈人は、始祖卜人
立て月は、武器の戈で、三日月の立った姿です。寝た姿の場合は、サカズキでしょう。
B-3土の下の人・・・死んだ人、過去の人。神代紀の過子[わこ]とも解せるが、デカ人、でかい人。・・・長大の人。朝鮮の白頭山の長白羽神が隠れているのではないか。
また、トカびととすれば、トカラの羅のない人、羅も掛けてやれない死んだ人。など、考えはするものの、これでは、不明確です。
そこで、はたと思案。
8年前に読んで、忘れかけていた朝鮮史の
脳室青裔、脳室朱日・・・是だ。
まだ、この人物、あるいは集団について、誰も解いていません。
のうしつおえい、しゅひ、と読む。何者とおもわれますか。
日本書紀の神代紀、景行紀、肥前風土記にも出てきます。
土蜘蛛、土知朱(つちぐも)といい、東北にもいます。おそらく日本全土にいたのでしょう。よく働いた。国栖もおそらく山東省から来たのでしょう。
七海は、はじめて、脳室青裔、朱日を読んだ時、日本書紀を読んでいたので、すぐに気が付きました。土蜘蛛は、木の下で寝る。これです。
脳室という漢字・・・土蜘蛛の胸の部分が、脳の図に似ていた。
子供の時に遊んだ結果、すぐに解りました。しかし、解っていても、脈絡なしには、書けませんでした。なお、クモは、昆虫ではありません。
縄文をかじる学者は、埒が明かないから、これを不埒という。名指ししてもよいが、止めておきます。玄学者です。
解釈の第三段階
幡枝地名は、八竜の幡、枝は、支流の支。三百年代に登場する応神天皇以前の後裔でしょう。
すなわち、怡土國の「八竜の森」にいます。
神代紀の豊國主尊ほか八つの名称を持つ人物です。
神功皇后のいう「八流の幡」(宇佐八幡託宣集)です。
元祖は、韓國の三国史記にさかんに出てくる蚩尤旗(しゆうき)と推定します。
もとは、黄帝と二度争った中国古代の蚩尤です。
伊都國の官名、爾支は、虹。爾丈で二丈の虹。
支は(ジョウ)の音。支:濁音。
近くに、神有の地名あり。雲に居る仮想の龍が住む。龍族であり馬族でもあるのでしょう。
なお、イノは、イは倭。ノは至。倭至(かし、わし)である。
また、至(シ)は豕(シ)で、倭豕。猪信仰の人でもある。
そして、「でんぐりかえり」で、至人であろう。・・・・至倭・至和。しわは、皇の字。具体的には隕石と犬のパグのしわくちゃ顔であろう。また至和(しか)は、鹿でもある。
まだ隠れたものがあるが、際限がない、この辺でやめます。
「おそれいりました。」
もとに話をもどす。鏡に字を刻むのに、竟字は不要である。竟(おわり)なき始終。いそし(伊蘇志)。
蟻の熊野詣でのように、勤しむ。蟻は、人類でもっとも神聖な生き物です。
最(いと)、可笑しい。いいや、ゆかしい。
ご最も、ご尤(もっと)も。
蚩尤 袁珂「中国の神話伝説」