goo blog サービス終了のお知らせ 

どんでん返しの卑弥呼の墓・邪馬台国ーー10・1倭女王卑弥呼発見なるを変更しました。

卑弥呼の墓の新発見、王都の位置、本名および魏志倭人伝の解明について書きつけます。

犬戎国14昆吾

2011年04月01日 00時13分03秒 | 
犬戎国14昆吾

昆吾(こんご)氏

西戎は、昆の剣、火浣布を献ず、その剣は長さ尺有咫あり、錬鋼赤刃なり。
これを用うれば、玉を切ること泥を切るがごとし。列子湯問篇
西戎は、火浣布を献じ、昆吾氏は、切玉刀を献ず。張華「博物誌」周書
昆吾氏は、殷・周時代の匈奴の別名で、犬戎です。火浣布:石綿。

昆吾の義は、犬・狗を意味する外来語。
Kuwo(犬)・・・・・・・・印欧語
Kuwas(犬族人)・・・・・・ヒッタイト語
Ku または,kom(狗)・・・トカラ語A
Ku ,またはkuwem(狗)・・トカラ語B。
以上、北京大学・林梅村による。

トカラ語は、印欧語の古い言語で、現在、死滅した言語です。現在、欧州の甲骨文と言われ、ヨーロッパの人でも解せない言語です。

剣の言語
周人は剣を軽呂と称したので、トカラ語のkure(剣)を借用語とした。匈奴は径路という。みな、青銅の剣です。以上林梅村。
剣は、30cm足らずのもので、日常、遊牧民が腰につけて護身、肉切りなどに使うものです。

七海が不思議に思う事。
ホータン(コータン)の軟玉は、刀でも刃が立たないから、切玉刀とは、おかしいと思う。やはり、軟玉は翡翠[硬玉]や金剛[ダイヤ]でなければ削れない。

昆吾氏は、犬・狗を意味する種族ならば、鍛冶師であると思いますが、林梅村は、挙げていません。
やはり、犬信仰族で、犬戎の守護・由来でしょう。なぜならば、鉄のヒッタイト語が絡んでいるからです。
それとも、石綿を使って、軟玉を温めて加工する時に使うのか。さっぱりわからないのです。

この剣は、現代のナイフの類で、日本ではドス(刀子)ですが、日本では出土していません。
ただし、景行天皇が蝦夷の国へ行った時に、随行者磐鹿六雁(いわかむつかり)が、「なます」を作った。小刀を所持していたのではないか。
磐鹿六雁は、膳夫臣を下暢される。
証拠は、江田船山の鉄剣に、三寸上の刀を作ったので判明します。また、四尺の鋌刀を作る。この鋌も中原に入った外来語と同じでした。

もうひとつの狗、
南方のモンクメール語にも、狗が出て来ます。これも古い言語です。狗は、大、また玄の意味です。氐・羌・チベット語族も使うのではないか。
羯(けつ)族は、チベット・ビルマ語系の語族ですが、単一民族ではありません。

高辛氏と犬戎国は、通婚していて、江南にも日本にも居ます。北方の匈奴やスキタイばかりではありません。スキタイがアンドロノボ文化に似た遺物というのは、解りますが、いまのところ、決定打はありません。

ブッダに、白い犬が吠えた説話
前400年代、ブッダが修業中、ある人の家に行くと、犬がうるさいほど吠えた。ブッダが何か呪いをすると、犬はおとなしくなり、元気がなくなった。帰って来た犬の主人が怒って、犬に何をしたのかとブッダを疑う。中略、ブッダは、この白い犬は、前世の人の生まれ変わりといい、そこの家の床下を掘りなさい。金が沢山出てくるでしょうと言う。その通りにすると、金が出て来た。それで、主人は、ブッダの教えに帰依した。これは因果応報の話ですが、ここでも犬は、中国と同じく奇瑞な動物となっています。

中国では、白い大きな犬を龍という。先祖の馬族が隠れているのでしょう。
雄略紀の白い犬も、「月夜の埴輪馬」も龍でしょう。

林梅村は、トカラ人を馬方というのは、馬族で、八尺以上の馬を龍と言う。漢の武帝は、汗血馬(白馬)を天馬という。

白犬(狗)と白龍
白犬は守り神、白龍は奇瑞。龍神信仰と鍛冶師が隠れていると思います。
古代人は、星を火と信じた。星が降ると犬の相をしている。(司馬遷)

天上では、白龍は、空かけるペガサス(羽のついた白馬)。
陸上では、千里を駆ける穆天子の馬。
海上では、白龍船[ペーロン]でしょう。

北京大学の林梅村は、トカラ人、クチャ人、楼蘭人、大月氏は、みなトカラ語を話す種族という。

五行で、白は西のこと。自の古語は、白です。
自は鼻のこと、スサノオはイザナギの鼻から生まれました。
天照大神は、イザナギの左目から生まれた。白は、西。酉(とり)。
和歌山県田辺市の闘鶏神社は、闘鶏させる。つげ国造らがやっています。

犬戎国13犬頭神社

2011年03月14日 16時30分45秒 | 
犬戎国13犬頭神社

きょうも、難題、難儀な話です。

1犬頭神社
愛知県豊川市千両町(ちぎりまち)糸宅
主祭神:保食神(うけもつかみ)
今昔物語に三河国、犬頭糸の語の条に、郡司の妻が養蚕を営んで居たところ、飼犬がこの蚕をみな食いて、妻は、大いに嘆〈、その犬鼻穴より絹糸を大量にだして、死んだ。以後、珍奇な事と神に祀る。即ち、犬頭の社なり。その後、犬頭の糸を国主より朝廷に毎年、絹を納めた。
社記
創建は、舒明天皇(640)の時、犬上御田鍬遣唐使に関係ありと犬上氏を犬頭(いぬかみ)と書いた。
現在、桑の数百年を経た根株を保存しています。
近くに、籰繰神社(わくぐり)、服部神社がありますが、犬頭神社で繭を出し、輪くぐり神社で糸をとり、服部神社で織り上げて朝廷に献上していたそうです。犬と美女は対になっている。服部は、機織りの女子。応神記、呉から来て、宗像氏にひとり。大倭にひとり。
七海注記、竹+矍の合字は糸を巻きつける具。音はワク。

輪くぐり神社は、月の輪熊、そして茅の輪と同様に、これは、糸を巻いたような状態を指すのでしょう。祭神は雄略天皇、稚むすび神となっています。雄略紀、大きな白犬が出て来ました。これを中国では(白)龍と言う。

また、犬頭神社は佐奈川辺にあり、「さなぎ」と関係しての銅鐸が出土しています。

保食神は、日本書紀に出ています。
天照大神は、月夜見尊(つきよみそん)に、「保食の神がおられるので、お前行ってみて来なさい」という。すると、月夜見尊は、保食神を殺していた。死んだ月夜見尊は、蚕などが生まれていた。「お前は悪い神だ」と天照大神がいう。
月夜見尊とは、月読尊とも表記されます。月の見えない晦日(みそか)で毎月の末日を示す神です。
なぜならば、音読みにすれば、月闇(げつあん)だからです。次に、朔日(ついたち)がくる。これは細い月が見えますから、新月という。
どうして、蚕が生まれたのか、解りません。細い月が始まりで、糸巻と掛けているのか解釈不能ですが、常陸風土記も暗闇で、他人が見るのを避けて機織りしていました。
人間も動植物も、蚕も、暗闇から生まれてくるのでしょう。なお、天照大神は、口から蚕を吐いた神で、織り女に機織りを教えていました。天照大神は、金龍と同じで、豊前市の金富神社です。
また、東大寺に青衣の女が、唯一現れた。伊勢比丘尼でしょう。

2糟目犬頭神社(かすめけんとう)
愛知県岡崎市宮地町
祭神:彦火々出見尊、伊邪諾尊 伊邪册尊 素戔嗚命 犬頭霊神。
三河の上和田城主宇都宮泰藤が、鷹狩りの際に、神社の境内の大杉の下で休憩をして眠りこんでいた。
すると、大杉から大蛇が降りて来て、城主を襲おうとしていたが、その時、連れていた白犬が大蛇に気付き、城主に知らせようと吠えたが、城主はまた眠ってしまった。それでも犬は吠え続けるので、眠りを邪魔された城主は、犬声に怒り、犬の首をはねてしまった。犬の首は、飛び散って大蛇の喉に噛みつき、大蛇を退治した。
城主は、後になって驚き、忠犬の霊を慰めるために、犬の頭を犬頭霊として手厚く葬った。

飼い主に忠実な犬な番犬はわかるが、酒粕の糟と目が、どうして付くのか解らない。・・・目が居眠りして、かすむのか、わかりません。酒作りにも関係するのか。
瞿(ク、グ)という漢字に関係しているのでしょう。驚いて見る義です。矍[キャク、カク]の下の又字は、鳥を手にもっている義という。やはり、驚いて見る意味です。
そして、瞿(ク、グ)の音は、借写して虞、弧となります。
意味も、驚き、畏れ見ることに、同じです。
やはり、虞氏が出て来ました。ソグド人の末裔でしょう。

弧は、みなし児ハッチーのような弧児の義です。
西域のオアシスでは、蜂蜜がよくとれます。大事な蜂の巣を外者に取られないようにしています。
京都市の蜂岡寺[広隆寺]は秦氏の氏寺、蜂栽培の人でした。牛を祭っています。月氏は禺氏、牛氏というから、秦氏は月氏信仰者でしょう。
始皇帝の先祖は、甘粛省の吉力湖です。吉力の音は秦でした。(林梅村)

3魏略の槃瓠誕生譚
高辛氏に年をとった皇后があり、耳の病にかかった。耳をつつくとなにか飛び出した。よく見ると、ちょうど、蚕のマユほどの大きさだった。これを瓢箪の中に入れ、槃(船形の皿)に容れ、覆って置いたところ、やがて五色の毛を持った犬に変わって、犬の名を槃瓠とした。

4後漢書陰識伝
臘日(旧暦の12月23または24日)、陰子力という人家に、竃神が突然現れた。彼は飼い犬の黄色い犬を生贄にして竃の神を祭ったら、どんどん財産が増えて行った。世間もこれに見習い臘日に竃神を祀るようになった。
斉の国では、犬を地羊という。楚辞の校注も、狗は黄羊という。

以上、犬は、忠実と福をもたらすものとなっています。また、吉凶を予め知らせる予知能力者でした。また、お産やカマドとも関係があります。

狆(チュウ)
ところで、中国の狆(チュウ)という漢字は、犬の「チン」という種類で、貴州省や雲南省の産地です。・・・仲の漢字も同じ意味とは、ついぞ知りませんでした。
豊前の中津市は、むかし仲臣村とも書いた。中臣氏も犬を味方にしているのでしょう。
天孫降臨の時から、継続して天皇の忠臣で、神武東征で、宇佐氏の宇佐津姫と婚姻しています。以降、大伴氏とともに、奈良大倭天皇の五大夫[五大臣]の一人として、垂仁紀に出てきます。豊前は、秦氏が沢山住んだところです。

中津市の西となり、山国川を挟んで、福富町の上流に、唐里:塔里があり、匈奴の言葉で、天を指します。 (訂正、福富町⇒吉富町)

塔里木(タリム)
関係が在るか知りませんが、西域の塔里木盆地は、タリム盆地です。
タリム盆地の南の山々を南山(崑崙山系)が東西に列なっています。
現在の和田地区の于田(うてん)県は、南山から克里雅川(クリヤ川)の中流域の町です。ケリヤ川ともいう。
于田の西隣が和田(ホ―タン、コ―タン)で、翡翠によく似た軟玉の産地です。
楚王に献上した弁和[ベンカ]の璧玉(へきぎょく)は、ここの産地と考えられます。和氏の璧という。また、殷墟の婦好墓の龍も軟玉です。

昔から、ホ―タン地域は、和田国やカシュガルの疎勒(チュルク:トルコ人)が統括していて、こともとは于塡(ウテン)と書いた。304年以来、尉遅(ウッチ)という氏・姓が王でした。尉氏ともいう。
河南・河北・山西省の境あたりに尉県があり、北魏の領域です。
また、和田地名は、日本の瀬戸内海に沢山あります。
和田地名は、安曇氏が沢山いたのではないか。住吉神の先祖でしょう。
日本の九洲にも、硬玉の翡翠に似た軟玉の玉が沢山出ています。ホータンと何らかのつながりがあり、交易しているものと考えます。

和田の言語は、ホ―タン・サカ語を話していました。
これが、トカラ語なのか、大問題になっています。

蜀犬、太陽に吠える。呉牛、月に喘(あえ)ぐ。
蜀[四川省]は、曇天の日が多く、たまに出てくる太陽を雲間に見た犬は、太陽を怪しんで吠える。
呉は、気侯の熱い所、呉の牛が夜の月を太陽と間違い、月が出れば、呉牛は熱いとあえぐ。

この度の地震、お気の毒におもいます。せめて救助犬が助ける事を願うばかりです。

20世紀、21世紀の近代とは、科学技術は発達しました。しかし、社会科学は、古代に、少々追いつこうとしていますが、古代復元は、至難の業と思っています。

犬戎国12アグニ

2011年03月08日 00時13分38秒 | 


人身鶏頭、人身猪頭の像
アスターナ216号墳出土。Inoueご夫妻の写真を拝借。

犬戎国12アグニ

アグニ(agni)

漢字は、阿奢尼と書く。呉音アグニ、唐音アギニ、梵語の音訳です。
甘粛省トルファン地域の阿斯塔那(アスタ―ナ)は、八城あり。
焉耆(エンギ)国は、阿奢尼国ともいう。ここに火の神アグニがでてきます。

ほとんどの書物は、火神というだけであって、この神の解説はありません。

玄奘三蔵が、629年頃、仏教徒の麹氏高昌国王・麹文泰(キクブンタイ)に大金をもらい、突厥可汗に手紙をもたせ、インドへ往くことができた。
帰途、麹氏高昌国を、唐が640年に滅ぼした後だった。
英語のアスターは菊で、菊水とは、長生きの水。漢人の建てた国です。

インド人オ―ロビンドの論文雑誌「アーリア」1914~1920年。
この解説を哲学者津田元一郎がやっています。
ここに、アグニの解説があります。

神霊
アグニは、インドのヒンズー教の神で、正確には、「神霊」と訳す方が、理にかなっている。
アグニは、インドのリシ(聖者)たちが解く。
内の世界では、心の火、情熱、意志の力、知的ひらめき、知的光である。
外の世界では、宇宙を掌握する主宰者とする。

内なる世界は、心の内奥を探求して真理を体得する。
外界の奥にも宇宙の真理を感得する。両者が一体となるとき、リシとなるのであろう。

アグニは物心一如の存在
ギリシャの哲人ヘラクレイトスは、火をアルケー(元のもの)と考え、その火を活きたものと考えていた。ミレトスの哲学者たちは、物活論者と解釈されている。
しかし、それは、西欧学者の解釈で、はじめに物を考え、物が活きていると解釈されているが、オーロビンドは、ヘラクレイトスの火もアグニと同じく、物質と精神の二元が分裂した後の分析的見方であり、物を常に物と見る立場から出発している。しかし、ヴエ―ダの世界は、物心末文化の世界というのが、オーロビンドの主張である。以上、津田元一郎を編集。

以上の解説を次のように考えます。
人間世界は、発達史的に、はじめから善も悪も未文化とみられます。
また、一個の人間には、善心と悪心が同居しています。
道教でいう三尸虫と同じような事と考えます。

ゾロアスターの宗教改革は、善悪二元の登場といわれますが、その前は、やはり、善も悪も「へちま」も無い社会があったと考えてよいと思います。
その証拠は、ペルシャとインドは、同じ神(ダェ-ワ、デ-ヴァ)を善悪扱いして敵対しているからです。
ペルシャの善神はダェ-ワ、悪神はデ―ヴァ。インドの善神はデ―ヴァ、悪神はダェ-ワ。どういう。・・・原因は、引き裂く者、つまり狼信仰の連中が、「国を分かつ」引き裂くのでしょう。

翻訳のどこかに、多元を二元にする機能的欠陥が在るのではないか。

なお、津田元一郎「アーリアンとは何か」人文書院は、出色の書です。また、ドイツ人マックス・ミューラーのアーリア学説は、現在、否定されています。

ふりかえれば、
日本では、阿蘇山は、神仙池を有する神仙の神であった。
地上で火と水の混有するところは、火山です。
建磐龍命(たけいわたつミコト)が、山城国から阿蘇に飛んで来て、盤龍鏡が出来たのでしょう。犬の盤(船形のたらい)の漢字が入っています。
1603年ころ、出雲の阿国、於国、小国が、京都市の鴨の河原で、歌舞伎の元となる「ややこ踊り」をやった。世相の元気づけでしょう。アグニと言う発音を日本人は出来にくいから、三字で表すのでしょう。また、小国と書くから、九国の義でしょう。

天山南麓のアスターナも、谷底の街で、もと火山の跡でしょう。
トルファン盆地の東部の火焔山、天山山脈の一部でした。

アスターナは、漢代の都護府、のちに漢人の麹氏高昌国が坐つきました。

ここには、十二支が祭られています。
また、鶏頭、猪頭をした人間の陶磁あり、伏義と女渦の図がありました。
おそらく、犬人の陶磁もあったと思えてならないのです。
破壊されたのでしょう。
ところが、犬の像を観光客用として新たに製作されていました。
Inoueご夫妻の写真で解ったことでした。

高辛氏の子供・実沈は、バクトラ[大夏]へ行きました。実沈に対応する星座は、サソリ座のアンタレスです。実沈の事績は、ほとんど中国史に出てこないのです。
また、大夏の北にあるサマルカンドは、ゾロアスター教の故地で、アフラシャブの丘にソグド人が、古来、居住していました。これをアレキサンダーが紀元前329年頃に占領した。

ソグド人の先祖は、虞氏で、中国古代の帝舜有虞氏の末裔で、白人です。
「濡れ手に粟」という言葉は、ソグド人が生まれつき、算術にたけた商人をさす別称にもなっています。虞喜と言う人が、4世紀に歳差を発見しています。また、539年没の虞弘と言う人物の墓は、山西省太原市で発見されています。
445年、仏教信仰の鄯善国は、北魏の攻撃で滅亡し、ここまで、北魏が進出していました。
アフガンのバタフシャン州に、ヤフタル地名あり。568年、西突厥とサザン朝にはさみうちされて、滅んだ国の本拠地でした。ヤフタルは、スルフ・コタール城が本部でした。
滅亡後、ヤフタルは、故地に帰った。その故地がヤフタル[エフタル]で、北魏へ朝貢していました。
また、エフタル(白フン)は、北魏の河北省蔚県の蔚遅(うっち)、蔚氏とつながるのでしょう。

531年、北魏の僧善正が、英彦山に来る。538年の仏教が日本に入った。
続いて、552年、朝鮮半島へ渡った百家の百済(くだら)が、仏教をもたらし、仏教公伝となるのでしょう。

日本仏教は、北魏を通して、また、エフタルを通して、日本までつながっていました。なお、エフタルは、大月氏の後裔、高車の別種となっています。

死語となったトカラ語(印欧語族の特殊な言語)を話すトカラ人が日本へ来るのも、歴史の成り行きでしょう。梁書で、屋久島と奄美大島の南にトカラ列島があるのも不思議です。


犬戎国11 匈奴と戌日

2011年02月28日 08時07分34秒 | 


河北省中山国の王墓から出土の鼎
桂小蘭「中国の犬文化」大阪大学出版会2005
カナエの中に朽ちた犬肉が残る。
邯鄲の北、中山国の先祖は、姫姓で、周と同じ姓。前327年~前313年(5代目の王)において、姓は王氏、名は(黌-黄+昔) に代わる。王氏を下賜る?
中山と改名する前は、春秋時代以来の中原の北部にいた白狄が建国した都市国家で「鮮虞」という名で知られていた。当初は太行山脈の西側にあったが、紀元前414年に2代目武公が衆を率いて太行山脈を越え、現在の河北省中部に中山国を建国した。中原の外で、遊牧民の国です。

犬信仰11 匈奴と戌日

匈奴の祭儀
護雅夫の本から、匈奴の祭典をあげます。

1竜城
君主単于(ぜんう)の本拠地を竜城という。
もまた、次の表記も同じ竜城です。
籠城:竹かんむり、籠(ロゥ、ル)。かご、こめる。
蘢城:草かんむり、蘢(ル、ロゥ)。犬蓼(いぬたで)の、いぬた。
(七海注記)犬蓼 (いぬたで)という赤い穂の花をつけるイヌタデ科。
関東での猫じゃらしは、「えのころ草」。狗尾草、犬の子草と書く。イネ科の植物。

2匈奴の祭儀
竜庭で、毎朝、日の神を祀り、単于が政を告げる。
(竜庭は、朝廷と同じ、政:祭を告げるところ)

祭りは、諸長が単于の庭に集まって挙行される。
正月の戌日、小集会、祭りを行う。
五月の戌日、大集会、蘢城で、祖先、大地、鬼神をまつる。
九月の戌日、大集会、林の周囲をまわり、人間、家畜の数量を調べる。

祭りでは、オボ祭、神楽がある。
神楽は、天地を祀り、国事を議し、馬を走らせ、ラクダを戦わせる。

蘢城、竜城は、もともと、自然の林木、または樹枝をたてたところ、あるいは、柴、「そだ」の類を積み上げた壇[オボ]をいう。
鮮卑、高車、契丹族も同じ祭天を行う。これをオボという。

4オボ祭
自然石を積み上げて、大きなカマド状に作り、柴や樹木を放り込んだものをオボという。
このオボに、馬、牛、羊などの犠牲をささげ、天神地祇とする。(天神と地神を祀る)
以上、護雅夫「遊牧騎馬民族国家」講談社現代新書

オボは、モンゴル、東トルキスタン、チベット、中国南部にもあるものです。
匈奴は、やはり竜信仰族で、戌の日を選んで祀っていました。

日本でも、垂仁紀に、出雲国造がオボ祭をやっていました。口のきけないホムチ別が「あれは、青葉の山か、山のように見えて、山ではない」と、初めて口を利いた。
垂仁の子ホムチ別は、火の中で生まれたのを、なんとかして助けだされましたが、結果は、オシでした。それが、出雲へ行って治りました。

匈奴は、戌の日に祭天をする。・・・狼も含めて犬族です。
匈奴の後継者の、高車、柔然、突厥は、狼信仰者で、やはり犬族です。

匈奴は、高辛氏の時代から連綿と続く犬信仰者でしょう。
日本では、九洲の大神氏も犬信仰とみられます。大きな白犬も竜でした。

出雲国造は、竃(かまど)を祀っていました。カマドは、製鉄のカマドにつながっています。
黒海北岸のスキタイ王も、天神地祇とカマド神(女神)を祀っていました。

狼は、インドのベーダに於いて、引き裂く者を指しています。
境界や国を引き裂く連中を指しているのでしょう。

犬は、古来、霊的動物で、予知能力にたけて、幸福、不幸の狭間、あるいは、冥界と現世の間に居るのでしょう。

犬と製鉄
犬はお産が軽い。人間のお産は、湯に包まれた袋からでてきますが、カマドから鉄も湯のように出て来ます。
日本では、カマドのある製鉄と鍛造は、金屋でつくる。或いは別所で作る。

鉄鉱石、砂鉄を火で溶かす。
カマドの無い時代、野蹈鞴(のたたら):野の風で、火を勢いづける。
カマドのある時代、カマドに人工の多々良(風送り装置)で、火力を高める。

犬信仰は、カマドや製鉄ともつながります。カマドは、金屋の狗奴、別所の拘奴という連中です。前者は漢音クド、後者も呉音クドです。
梵語アヤスは、インドの黒い鉄。金ヘンに夷で、銕と書く。おそらくヒッタイトの鉄が入っています。西欧では、西域の鉄をセレスの鉄という。

また、犬は、犬吠崎塔台、北九州犬鳴山の音のするさまをも表わす風の作用と関係します。

中国古代の蚩尤は、銅の頭に鉄の額、鉄石(砂鉄)を食う神ですが、雲をまき散らし、雷を従え、風(竜巻)を生じる荒神でした。黄帝と二度戦い、最初は蚩尤が勝つ、2度目は蚩尤が黄帝に負けました。

蚩尤、共工、窮奇、三苗(三毛)は、青銅から鉄への変化でしょう。いずれも鉱山師と考えます。

神武紀の吉野にて、岩間から尾のある吉野首の子が出て来ました。
これは、前に尻をつけて、尻に尾のある人です。
犬戎国は、尾のある人だから、吉野首は、犬族、犬信仰族で、鉱山師でしょう。

総じて、地(鉱物採取)、水、火、風が出て来ました。あとは火焔を待つばかりです。火焔山とは、何でしょうか。

余談
ブラウスやシャツの裾を出して着る者を、七海は、尾のある人と呼んでいます。
・・・ワンと言いなさい。

2011・2・28(ブログ同日)追記
周の康王(~前989年没?)の時、周の盂(う)将軍が鬼方を征伐した。この鬼方は、長安西北の犬戎と呼ばれた遊牧民です。のち、前300年代の終わり頃に登場する匈奴と同じ種族と看做されています。
詩経では、玁狁(ケンイン)、小盂鼎という青銅器の銘文により、犬戎と判明する。以上、貝塚茂樹「中国のあけぼの」

なお、七海のブログ、犬戎国1の地図を参照のこと。
固原県が高辛氏の王庭。犬戎国のあった所は、平涼市霊台朝那鎮。


犬戎国10 犬と斧

2011年02月21日 09時21分16秒 | 

上図、岸本道夫ほか「古代オリエント」河出書房新社
下図、名品展「中国・美の粋」中国歴史博物館1996

犬戎国10(犬と斧)

きょうは、犬戎国をはみ出して、
古代オリエントの犬と中国の斧の絵を掲載します。図版は2点です。

古代オリエントで、犬を描いた出土物は、次の4点です。

1ミタン二の装飾斧に付加された犬。上図参照

2シュメールのウル王墓内の竪琴の犬。
貝殻に象嵌細工された竪琴に犬が描かれて、琴の弦を犬が弾いていた。

3豊饒の女神が象牙に彫刻、女神を両サイドから犬が舐めようとする姿が、描かれていました。

4エジプトのファラオ時代、二組の夫婦がいた。
長男オシリスと妻イシス。弟セトと妻ネフシス。
慈悲深い兄をねたんだ弟は、兄を殺し箱に詰めて川に投げ込んだ。イシスは、箱を探しあて、葬った。弟は墓をあばいて、兄の屍を切り刻んだ。山犬の神アスビスの助けにより、遺体を復原し、イシスは自分の翼で扇ぎ蘇らせた。兄オシリスは、あの世におもむいて、冥界の神になった。
たぶん、オシリスは、シリウス星でしょう。もまた穀物神とみられています。

2、3を除外して、斧と犬を考えます。
ミタン二の斧に犬がへばりついていました。
中国や日本と関係するか否かは、考慮しないで、ひたすら意味を考えます。

中国の青銅製・斧は、刃がすそ広がりで、人の顔が描かれています。図参照。
おそらく、天罰を加える刑天神を表現したのでしょう。林奈巳夫は、首切り斧としています。七海は、契約のひとつとしての刑天神とみています。

天雷斧
雲仙雑記の1、石斧の銘
元針子は、石斧を得た。銘に天雷斧と記載。
斧は、伐木。儀仗、兵器、刑具に使うものですが、雷が出て来ました。
中国では、雷に打たれて死ぬ人は、この世でよほど悪いことをした人とみなされていました。

日本での例示。
1モモソ姫と大物主と雷。
モモソは、銅鐸破壊をしたと看做します。
モモソは、三輪山を仰ぎ見ると、驚いてドスンと尻もちをついた。そこに、(火)箸があり、女陰を付いて死んだ。(火)を七海挿入。
大物主の仕返しは、三輪山に上る半月をあたかも鏡に見たて、鏡が稲光で切られたように割れていた。(以上、七海の推理)
2三輪山の雷公と雄略天皇。
暴虐非道の天皇をさして、皇后は、「あなたは獣と変わりない」と言われた。三輪山の雷公がウルサイ。今にも雷が落ちる筈が落ちなかった。

兄オシリスは、冥界の神となった。たぶん犬でしょう。弟セトは、引き裂く者としての狼と推定します。犬と狼は背中合わせでしょう。

高辛氏の息子は、仲の悪い兄弟でした。高辛氏はこれを配慮して、東西に移しました。実沈を大夏(バクトリア)へ、閼伯(アッパク)を小丘に移した。小丘は、不詳で、殷墟(河南省安陽市)とは限らない。
西欧星座で、さそり座のアンタレスは、夏の星(恒星で赤い星)、閼伯は、冬の星座オリオンあたりのシリウスと推定されています。
また、帝舜は、父と兄にいじめられ、殺されそうになっても、危機を脱しました。

高辛氏の末裔を、三国史記は、高句麗の東明と明記しています。
日本では、項浦(ボハン:迎日湾)から来た辛嶋氏が、宇佐市にきて、先祖を祀ります。辛と言う字が、曲者です。
大神(おおが)氏は、初代の宇佐神宮・宮司となります。そして、辛嶋氏の後裔も宇佐神宮に、おつとめします。

大神(おおが)氏は、大物主の後裔です。

また、高辛氏の娘と犬[狗頭]の夫妻の子供は、夏王朝以前に、山口県萩市見島に来ていました。魏志にいう裸国・黒歯国は、萩市を代表地点とする。
小笠原には、女國と人身狗頭の種族が、ワンセットでいました。
まるで、黒海北岸のアマゾン(女國)とスキタイの関係です。

朝鮮の沃沮には、顔の上にもう一つ顔の付いた、女が居ました。これは、水面に顔を半分出した実像と、その顔が水面に映った状態の二つとみられます。したがって、女国です。
犬の国の近くに、必ず女國があります。・・・なぜでしょうか。

魏志倭人伝にいう不詳20国の国。
筑後には、三輪町の三輪神社あり。その南に百女国の田油津姫が、矢部川に居た。翰苑(大宰府八幡所蔵)の魏略記事。
この百女国の西が、不詳20国で、犬の国でしょう。佐賀市に犬童(いんど)と言う地名があります。

以上で、物語はつながりますが、犬や狼を信仰する話は、世界的です。

古代人は、常日頃、心情的に、現世とあの世の狭間に居ました。悟る人は、沢山あったのでしょう。古代人の現世は辛い。あの世信仰があるとみてみます。
覇者は狼、有頂天になったあとで、冥界の橋、チンワト橋、あるいは謡曲石の橋(しゃくきょう)に、犬や鬼が待っています。

ロシア人の考古学者、V.マッソン「埋もれたシルクロード」加藤九祚訳、岩波書店。
本題「千の年の国」を上記に代えて日本で出版。ここに「独立不覇の民」・ソグド人が登場します。
アレキサンダー大王がソグドの首都サマルカンドを征服した。
ソグド人の捕虜中から、名門出身の屈強な者30人を処刑することになった。
これを知ると、ソグド人は軍歌を歌い、嬉しそうに小踊りし始めた・・・
クゥイントゥス・クルチウス「アレキサンドロス大王世史」に記載。

ソグド人の国は、奴隷社会ではありません。
・・・以下を記さず。
みなさん、推理して下さい。

契約の神は、中国の五帝のときから、法、掟が守られているかを天上の神がみています。古代から、不公平を意識されていました。
狼と言う覇者だけでは、住民は、たまったものではない。徳のある帝を、望んでいました。

シュメール人の言葉
楽しきはビール、苦しきは旅路。(七海注、旅路は輸送の守衛、又は行軍)
犬が見逃すもの(時間)を日々が食う、日々が見逃すものを犬が食う。(注記、人間は飢えるだけ)

関連記事
七海のブログ2010・11・10、荒神谷のXを見て下さい。斧が出ています。