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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ペンパル

2015-04-16 05:31:50 | 文化

(キャラクター封筒。楽天市場より引用。)

 むかし、少年少女雑誌の読者欄に「文通希望」と載っていることがありました。そういうのは現在でもあるのでしょうか?

 このインターネットの時代、「出会い系」とか「なりすまし」が氾濫していますが、少年少女雑誌なら素朴なペンパル希望者がまだいるのでしょうか?

 高校生のとき私は、Z会という通信添削をやっていました。Z会は郵便による通信添削をまだやっているのでしょうか?インターネットなら「赤ペン先生」との交流も便利なのに・・。

 Z会と言えば国語の問題文が長く、内容にハテナが付くような文章がしばしば採用されていました。

 曰く「日米安保条約を締結しても、いざ戦争になったらアメリカ軍が救けに来てくれるというのは幻想だ」

 曰く「西洋に”努力賞”という賞はない。結果が出せなければ、努力をしてもしなくても同じだから」

 そのころ私は、Z会は偏り過ぎの文章を選んでいると思いました。実はそうではなくて、大学入試の国語の問題文が、偏りを疑われる文章をあえて避けていただけなのですね。(論説文はある程度偏りがないと、読むに値しません。)


※今日、気にとまった短歌

  母亡くし十月過ぎにし甥二人わが糟糠の一皿を食べ (埼玉県)新井美智子

菊田一夫作品「がめつい奴」

2015-04-15 05:08:25 | 芸能

(「がめつい奴」平成22年公演のポスター。いちかわ市民文化ネットより引用。)

 菊田一夫脚本の「がめつい奴」は芸術座で1959年から10か月のロングランを成し遂げ、「がめつい」を標準語にしてしまった演劇です。「・・奴」も流行らせました。前回の「どてらい男(やつ)」、柴田練三郎の「図々しい奴」が続きました。

 私はこの舞台をテレビ中継で見た覚えがあるのです。ロングランのときに私は10歳ですから、ほんとに見たのは1964年にテレビドラマ化された作品かとも考えました。しかし、画面は確かに舞台セットでしたし、なにより5年もたつと名子役といわれた中山千夏さんが大きくなってしまうでしょう?

 小2のとき東横ホールで見た「乞食王子」以来、舞台演劇で2度目に超面白いと思った作品です。

 大学生になってから「前進座」とか労組系の「名演」というの見たのですが、つまらなさ過ぎて私の演劇経験はそこで終わってしまいました。

(のちに山本夏彦翁による、「新劇」のファンはいつも同じ一部の者で、役者もファンも同時に老いていったとの指摘に、なるほどと思ったのでした。)


※今日、気にとまった短歌

  校門の女生徒ふたり筒を持ち右と左に分かれて行きぬ (名古屋市)中治正行

花登筺作品「どてらい男」

2015-04-14 05:50:48 | 芸能

(テレビドラマ「どてらい奴」の1シーン。山善ミュージアムより引用。)

 40数年前、私は名古屋の金山というところにあった6畳一間の下宿で、テレビドラマ「どてらい男」(「どてらい」は凄いの意。男は「やつ」と読ませました。)を見ていました。ひとりの男が才覚と運でのし上がっていく物語です。

 脚本は花登筐(はなとこばこ)、主演は西郷輝彦で、歌手だった西郷が俳優としても認められた番組です。

 私はとても気づまりな学生生活を送っていました。友人の下宿の廊下に捨ててあった白黒テレビを拾ってきてからは、私の生活にテレビ番組という花が添えられました。「どてらい男」はきわめて面白く、いっときホームシックを忘れました。

 そのころ、梶原一騎とちばてつやによる「あしたのジョー」が人気でした。私には人気があるものを避ける癖があり、「あしたのジョー」は読みませんでした。

 梶原一騎という漫画原作者も凄いが、花登筐という人も凄いと20歳ころの私は思っていたのでした。


※今日、気にとまった短歌

  食卓の下に触れたる夫の足さっと引くこと昔はなきかな (小牧市)安藤恒子

今日の出来事

2015-04-13 05:44:40 | 社会

(豊橋の市電。豊鉄のHPより引用。)

 大事なブログにこんな私的なことは書きたくはないのですが、感動したのでひとこと。

 実は今日、豊橋の市電の電停で転びました。さしたる怪我はなかったのですが、まぶたの上を切ったので、出血がひどかったです。

 市電の運転手は電車を止めて介抱してくれ、同乗のお客さんも面倒を見てくれました。ほんとに日本は親切な人たちで満ちているなぁ、と感激した次第。


※今日、気にとまった短歌

  茄子の葉を飛びたつ天道虫がまづ羽を開きて半球くづす (鹿児島県)石上令

電王戦、3勝2敗でプロ棋士側の勝ち

2015-04-12 06:23:32 | 囲碁将棋

(レポーターの香川愛生女流王将と声優の岡本信彦さん。マイナビニュースより引用。)

 昨年、私はプロ棋士はコンピュータに勝てなくなると予想しましたが、予想は外れました。今年の電王戦は3勝2敗でプロ棋士側の勝ちとなりました。私の予想は外れました。

 ただ、不満もあります。それは、(1)プロ棋士をソフトに対して十分に練習させること。(2)ソフト制作者はバグが見つかっても、試合までソフトの改変を許されないこと。(3)スーパーコンピュータを使ってはダメで、パソコンを使うこと。(3)のルールは今年から採用されました。

 プロ棋士のソフト対策をやめさせ、ハード的にスーパーコンピュータの使用がOKなら、プロ棋士は絶対にコンピュータに勝てないでしょう。ルールでプロ棋士に有利にさせることは、私としてはつまらなく好まないところです。


※今日、気にとまった短歌

  今もなほその役柄は不満なり学芸会のわれの北風 (名古屋市)勝又祐三

放送劇(その2・「サラリーマン出世太閤記」)

2015-04-11 07:52:56 | 芸能
   (新潮文庫。)

 源氏鶏太作の「サラリーマン出世太閤記」という放送劇を面白く聴いていたことを前回書きました。あらためて調べてみると、源氏鶏太の小説に「サラリーマン出世太閤記」という題名のものはないのです。ラジオ放送劇用に新たに作られた名称だと思われます。

 放送劇の台本の参考にされたのは、たぶん上の「三等重役」など、源氏鶏太の一連のサラリーマン小説でしょう。映画の「社長シリーズ」はこれから由来し、森繁久彌をスターにしました。

 戦後、GHQによって公職追放が行われ、社長や重役が追われて、棚ぼた式に重役になった部課長級の人たちがいました。「三等重役」とは彼らをあなどって付けられた呼称です。映画の森繁久彌以下はいくぶん下品に描かれているでしょう?

 もっとも、パージで期せずして重役になった人たちは頑張りました。そして、戦後の経済界のいしづえを築きました。「本物の」重役たちがパージされ、かえって「老害」のなくなった場所で三等重役たちはのびのびと仕事をしたそうです。

(「サラリーマン出世太閤記」では、主人公は運に恵まれて出世していきます。このあと、白黒テレビの時代になり、「赤いダイヤ」、「どてらい奴」、「細うで繁盛記」など出世もの、と言うか「大儲けもの」が流行ります。それらについてはまた後日。)


※今日、気にとまった短歌

  やさしさが重荷であったあの頃のつづきのように梨の実届く (京都府)福西直美

放送劇(その1・「少年探偵団」)

2015-04-10 05:07:21 | 芸能
 「少年探偵団」のラジオ放送劇を聴いていた方はけっこう年配です。上の「ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団・・」という主題歌を覚えておられるでしょうか。小学校低学年だった私は夢中になって放送劇を聴きました。

 当時、テレビはまだ珍しく放映時間も限られていたので、ラジオの放送劇、すなわち声と効果音だけによる劇が人気でした。いまでもラジオ放送劇というのはあるのでしょうか?

 印象的だった放送劇に・・
「一丁目一番地」:私には面白くなかったです。
「サラリーマン出世太閤記」:源治慶太のサラリーマンものです。かなり面白かったです。
「御身」:これも源治慶太作品ですが、夢中になりました。主人公の声は、なんと若いころの岩下志摩さんでした。

 テレビが普及してきて、NHKで「バス通り裏」という十朱幸代さんのドラマをやっていましたが、私には放送劇のほうが面白かったです。

(これからしばらく、古い話が続くかもしれません。)


※今日、気にとまった短歌

  花束を持ち帰る日の多くなり夫に定年退職近づく (関市)篠田理恵

春キャベツ

2015-04-09 05:19:23 | 俳句

(渥美菜の花ロードでの春キャベツ(左下)のトラック販売。筆者撮影。)

 私の居住する地域周辺は日本有数の野菜産地です。現在は春キャベツという柔らかくて甘いキャベツのシーズンです。

 農家のかたから10個以上も春キャベツをいただいたことがあります。夫婦二人暮らしなので、名古屋の知人にまで配りました。

 ホトトギスの歳時記にはキャベツという季語が載っていません。別の歳時記には甘藍(かんらん・夏)で載っていることもあります。しかし、春キャベツが載っている歳時記はありません。

 春キャベツはたいへん季感がある言葉なので、私たちの俳句仲間ではときどき詠まれます。そのうちに歳時記に登載されるでしょう。


   まるまると露天に売られ春キャベツ  未貴

   絹の服脱がすごとくに春キャベツ  直子

   若妻が子を抱きて買ふ春キャベツ  私


画像ファイルの拡張子

2015-04-08 04:33:56 | コンピュータ

(モバイルでファイル転送。google play より引用。)

 メモリ容量や転送速度が現在ほど大きくなかった時代、「圧縮解凍」は必須技術でした。プログラムなども「圧縮」して送られましたから、それを「解凍」したら、まったく元通りになる必要がありました。LHAという北海道のお医者さんが造った圧縮解凍ソフトが世界的に使用された時代もありました。

 ところが、画像が自由にやり取りできるようになると、「非可逆圧縮」という考え方が出てきました。つまり、「解凍」しても元通りにならない「圧縮」ですね。そんなことは内容がプログラムだったら無意味ですが、内容が画像だと圧縮しても見栄えが悪くならないかが問われるようになりました。

 画像の拡張子に .jpg とか .GIF とかがあって、これらは画像の「フォーマット」と呼ばれます。しかしながら、元来は圧縮方法だったと記憶します。圧縮方法の違いによって画像の質が違うなぞということは、従来の可逆圧縮だったらあり得ないことでした。

 むかし、好事家はパソ通の時代から電話回線で画像のやりとりをしていました。(私もやりました。)1枚の画像を落とすのに30分くらいかかりました。そのころ、画像の拡張子(圧縮方法)は今よりもずっとたくさん、10種類くらいありました。.jpg は生き残りましたね。


※今日、気にとまった短歌

  帽子マスク作業服すべて白づくめ厨房の人ら売場より見ゆ (名古屋市)高井?子(にんべんに八の下に月)

美食と進学率の関係

2015-04-08 03:36:09 | 食べ物
   
ぐるなび「大江戸」より引用。)

 私が子どものころは、ウナギやマグロは大人のしかも上流の食べ物で、年に一度食べられるかどうかでした。

 進学率は高校進学率が50%以下、大学進率学が10%以下でした。むかしは、よくできる子も家庭の経済事情で、中卒ですぐに働きに出ました。(参考:昭和30年代の農家は苦しかった

 現在では高校進学率ほぼ100%、大学進学率ほぼ50%です。日本の家庭が豊かになったからに他なりません。

 当然、ウナギやマグロをたくさん消費するようになりました。そしてとうとう、日本ウナギやクロマグロが絶滅危惧種になりそうです。

 美食と進学率は正比例するのですね。しかし、ことはそれだけでは終わりません。経済成長著しいインドや中国の人々も美食を欲するようになるでしょう。現在の日本の人口の20~30倍の民が、よい食材を求めるようになります。

 高校や大学はいくらでも造ることができますが、食材はそうは行きません。そうなると、進学率が上がっても、美食ができなくなります。ごちそうと進学率の正比例関係が終わるのは、もうすぐそこまで来ていると私は考えています。(インド中国の人々はついに現在の日本の美食に到達できないでしょう。)

(美食生活が終わることを、2015-02-22 の記事にも書きました。ご参照ください。)


※今日、気にとまった短歌

  サッカーで覚えし国を得意気に地球儀に捜す小三の子ら (宮崎県)大坪三紗子

門限があるホテル?

2015-04-06 05:32:32 | 文化

(ホテルの室内。左にあるのは電子レンジ。写っていないが右に流しとホットプレートがある。筆者撮影。)

 急きょ上京しなくてはならず、ホテルを捜しましたが、1泊2万円以上のところしか空いていません。

 「楽天トラベル」で調べると奇妙なホテル(?)が一室(素泊まりのみ 12,000 円)だけ検索できました。どこが奇妙かというと、フロントなし門限23時というのです。

 行ってみると、門を入るには係の人を呼び出さねばならず、ちょうど守衛のいるマンションのような感じでした。つまり、ふつうホテルなら自室のドアの外はもう外界なのですが、このホテルは門の外が外界のようです。

 そのためでしょう、門限近くに帰ってきたのは多くが若い女性でした。なるほどと思った次第。

(六本木まで車で5分の場所ですが、部屋の面積13㎡、枕辺のスイッチ群もなく、4階建てでエレベータなしロビーなし食堂なし。ちと割高感がありました。「楽天トラベル」会員であることが前提。)


※今日、気にとまった短歌

  俯瞰すれば蜘蛛這ふごときりんご園廃業決めてカメラに収む (八戸市)小野一男


「線路工夫」

2015-04-05 05:41:36 | 日本語

(元国鉄工夫(92歳)の作業服。We Love Mukaiyama のブログより引用。)

 私が小学校2年生のときの国語の教科書に表題の記事がありました。内容は、線路工夫の人たちが夜中に線路を補修してくれるおかげで、私たちは安心して列車に乗ることができるのです、というものでした。

ところが私のワープロでは「工夫」という文字が出ません。「坑夫」、「人夫」も変換されません。一般にワープロでは差別用語が省かれていますが、「工夫」以下はワープロ会社によって差別用語とみなされたのでしょうか?(少なくとも「工夫」も「坑夫」もむかしの教科書には載っていました。)

 一介のワープロ会社が恣意的な判断によって、日本語の語彙を制限してよいものでしょうか?

 
※今日、気にとまった短歌

  網もって息子が蝉をとりはじめれば森になってしまうゆりのき通り (松戸市)遠山ようこ

補聴器の小型化

2015-04-04 05:07:45 | 技術

(オムロンの超小型補聴器。ジャパネットタカタのHPより引用。)

 まるでウエアラブル端末のように、補聴器はますます小型になってきました。ついに、本人の耳の穴の形に合わせたオーダーメード補聴器が売られるようになり、もはや補聴器とはわかりません。

 先日、耳が遠い知り合いの爺さんが、禿げ頭にヘッドホンを着けて現れました。その爺さんとはいつも対話に苦労するのですが、そのときはいつになくスムーズに会話が運びました。

 そのヘッドホンが補聴器なのだそうです。オーダーメード補聴器よりもよく聞こえるのかどうかは知りませんが、とにかく値段が20分の1だそうです。

 外見にこだわらず開き直ると、人間とは強いものですね。


※今日、気にとまった短歌

  蛇泳ぐやうそばに来つ評決のをはりし後に議論するひと (揖斐郡)太田宣子

「ゆうびんきょくのしごと」

2015-04-03 04:22:09 | 教育

(郵便車スユ15(2001)。ウィキメディアコモンズより引用。spaceaero2 氏によるCCライセンス。)

 表題のような題名の絵本を小学校1年生のころ読みました。都会の幼い孫が北国の田舎に住むおばあちゃんに手紙を出すという物語仕立てです。

 孫がポストに手紙を投函するところから始まり、中央郵便局での手作業による郵便の仕分け(当時は郵便番号なぞありません)、続いて写真のような鉄格子の入った郵便車が疾走します。こうして孫の手紙は運ばれていきます。

 列車の鉄格子から、郵便(小包や現金書留も含む)とはいかに大事なものなのかを子どもは学びます。(現在ではほとんどが空輸だそうですね。郵便車を見かけません。)

 山奥に住むおばあちゃんの家までは、現地の郵便配達人が徒歩で運びます。雪深く、配達人は膝まである雪を掻きわけて、おばあちゃんの家まで突き進みます。

 ここで感動しない子どもはいないでしょう。昨日、私は郵政の悪口を書きましたが、根底には尊敬の念をもっているのです。

(数学者でエッセイストの藤原正彦氏は、イギリスに国際小包はまず届かない、何回も催促してやっと届いても中味が抜かれていると書いています。職務に忠実でない者たちが間に何人も挟まると、生産性がゼロになる例ですね。)


※今日、気にとまった短歌

  五円玉一つのアイスキャンディよ冷房など無き高校のころの (杉並区)本間木丈

郵便小包への恨み

2015-04-02 06:07:00 | 社会

(中央郵便局の小包分別機(1960)。郵政博物館のHPより引用。)

 私は1960年代の郵便小包の扱いのひどさに対する恨みを忘れません。

 そのころ、名古屋へ大切な蔵書を小包で届けました。油紙や糸入り包装紙で包め、荷札は6か所つけろと、条件がやかましいのです。でも、そのようにして、大事な本だからさらに毛布のようなものでくるみました。

 そこまでしても、届いた書物はハードカバーの角が潰れていました。ここまでぞんざいに扱うか?よほどの悪意をもって叩きつけなければ、毛布でくるんだ本の角が潰れるはずがないと思いました。

 その数年後、バレンタインデーにチョコを贈ることが流行り始めました。クロネコヤマトの宅急便が登場したのもそのころです。なんと、宅急便はチョコレートを壊さずに運びました。

 とうぜんのことながら、小包なぞ利用する人はいなくなりました。あとになって「ゆうパック」なんて猫なで声を出してももう遅いのです。私はあのときに角を潰された蔵書をまだもっていますから・・。


※今日、気にとまった短歌

  老人はすとんとうそをつきにけり牛乳に咽せたるふりをしてみせ (海津市)奥井朱夏