院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ポルトガル管見記(食べ物篇)

2011-09-25 06:30:34 | Weblog
 今回のポルトガル旅行で、かなり印象に残ったのは食事のまずさだった。日本人の口には合わないというようなレベルではない。たぶん何人の口にも合わないだろう。ポルトガル人は、よくもまあ、こんなにまずいものを毎日食べているなぁと、むしろ感心した。

 まだ日本が貧しかった昔、ご飯にソースだけをかけて食べても結構おいしかった。一定以上の年代の人なら身に覚えがあるだろう。ポルトガルの食事事情は未だにそれに近い。

 まずスープがまずい。クノールの即席スープのほうが、おいしい。香りや味がなかったりする。だから塩や胡椒をかけて飲んだ。

 ポルトガル名物は干ダラだ。スーパーマーケットには巨大な干ダラが塩で真っ白になって売っていた。タラは上手に料理すれば、おいしい魚である。それが、まずい。塩抜きが足りずに塩から過ぎたりした。

 塩加減は料理の基本である。ちゃんとした?レストランにして塩加減がなっていない。これでもプロだろうか?このくらいの料理なら私でも作れる。とても客に出せるようなシロモノではない。そんなレストランなら日本ではすぐに潰れるが、彼の地では潰れない。

 ツアー代をけちったわけではない。逆に上等なほうのツアーだった。要するに、いくらお金を出しても、ポルトガルにないものは食べられないということだ。

 肉もうまくなかった。ローストビーフが缶詰の牛肉のようだった。豚肉はスジがあり過ぎである。

 ツアーの仲間にオランダに5年間駐在している日本人青年がいた。彼がこのツアーに参加したのは、オランダやドイツの料理はまずいので、たまには南のほうでおいしいものを食べようと考えたからだという。そして驚いたことに、実際おいしいと彼は言う。お兄ちゃん、お兄ちゃん。こんな料理をおいしいと思っちゃいけません。外国ボケして、おいしいという感覚を失ったのではないですか?

 2年前、チュニジアに旅行したときの料理は、こんかい以上に日本離れしていた。イスラム国だから、豚肉は出ない。羊の肉ばかりだ。それでもポルトガルよりはまだましだったような気がする。

 日本はほんとうに料理がおいしい国だと、つくづく思った。帰ってきてすぐに馴染みの定食屋で豚の生姜焼き定食800円也を食べた。おいしかった。これがプロの味で、私では作れない料理だ。

 ポルトガルでは味もよくなかったが、ウエイトレスの対応もよくなかった。にこりともせずに、大皿からばさっ、ばさっと小皿に投げ込むように料理を配る。まるで動物にエサをやるようだった。

 デザートはそこそこおいしかった。くだものが多かったから料理のしようもなかったためだろう。カステラは発祥地としては、パサパサしていておいしくなかった。文明堂や長崎屋を見習ってほしい。

 最後にポルトガルの名誉のために言っておくと、ポートワインは絶品だった。ワインだと思って呑むと甘すぎるのだが、ポートワインという別のお酒だと思って呑むと非常においしかった。