院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

医学博士号ふたたび

2008-11-27 08:33:32 | Weblog
 医学博士号が足の裏のご飯粒だという説はウソだと1年ほど前に述べた(2007.12.8から数日間)。取らないと気持ち悪いが、取ってもどうということはないという意味である。

 医学博士号を持っていないと、県立病院や日赤では診療部長になれない。その他の病院でも院長、副院長にはなれない。これは収入と直結する問題であり、博士号は医者にとって重要なのである。

 これまで医学博士号は取るのが一番容易な学位と言われてきた。その汚名をすすごうとしているのか、最近は難しくなった。

 医学部を出て、研修医を2年勤め、さらに4年間大学院に通わなければ博士号が取れなくなってきている。医学部が6年である。最短で博士号を取っても30歳である。それまで経済的な保障はない。

 私のころは確かに医学博士号を取るのに苦労はなかった。大学院を出なくても、論文を提出して、それが一定のメディア(学術雑誌)で評価されれば、教授会の学位審査はフリーパスだった。

 こういう仕方で学位を取った者を「論文博士」という。私は「論文博士」である。

 しかし、「論文博士」と大学院出身の博士の間に差別はない。大学院を出て自動的に博士号をもらうより、かえって「論文博士」のほうが難しいかもしれない。

 一番難しい学位は林学博士と聞いている。文学博士も難しい。文学博士は論文ではなく単行本が要求される。大学の教授クラスでも文学博士号を持っている人は少ない。