院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

サラリーマンという抽象労働

2008-11-22 08:19:49 | Weblog
 サラリーマンはいくら働いても、またサボっても給料にさほど変わりはない。

 出世の野心がなければ、サラリーマンは気楽な稼業である。

 だが、労働の対価が給料にさほど反映しないということは、労働がかなり抽象化されているということになる。

 その点、自営業は具体的である。お客が来なければ、ゼロ。来れば来るほど儲かる。はっきりしている。

 思うに私には具体的な労働のほうが向いているようである。30年間、勤務医(サラリーマン医師)をやってきたけれども、けっこうつらかった。自分の努力の成果が給料にじかに出てこないからである。

 このたび開業して、患者さん(お客さん)が来なければゼロという世界に身を投じて、いっそスッキリした。収入が高いも低いも自分の責任なのである。具体的である。

 最近、成果主義の弱点が明らかになったところから、サラリーマンという抽象労働は、すたれていくのではないか?年功序列という制度があるからこそ抽象労働に耐えられるのではないか?