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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「私」があることの奇跡

2006-12-23 11:28:26 | Weblog
 生まれる前は何もなかった。「無」であった。他人も宇宙もない、まったくの「無」であった。

 生まれてから他人や宇宙が認識できた。だから生まれる前から他人や宇宙があったように感じるのだが、それは錯覚である。生まれる前はあくまでも「無」であり、他人も宇宙もない。

 これを独我論というのだろうか?「私」がなければ宇宙もない。そもそも、宇宙があるとかないとか論じる「私」が無いのだから、これはもう、どうしようもなく「無」である。

 同様のことが死後にも言える。死によって生まれる前に戻る。だから死ねば「無」になる。宇宙もなくなる。

 いま生きていて、他人や宇宙を認識している。これは、とてつもない奇跡ではないか?

 宝くじで一億円当てる人が、何百万人に一人いる。奇跡的である。

 でも、この世に生を受けて、宇宙を認識している方が、よほど奇跡的である。いま生きていることが奇跡でなくて、他に奇跡なぞあろうか?

 奇跡的で有限な命、倫理的に生きたいと思う。