必殺シリーズ 備忘録

主に各回の名シーンまとめ
※『新仕舞人』『仕置屋稼業』をまとめ中!

第20作 必殺渡し人 第01話「涼みの夜に渡します」

2016年06月16日 | 第20作 必殺渡し人



【ストーリー】
ある晩、鏡研ぎ職人の惣太は、長屋の大家であり診療所を開業している鳴滝忍が、殺し屋を返り討ちにする現場を目撃する。
その鮮やかな殺し技を見て何かを感じた惣太-。
翌朝、忍の診療所にお沢という若い女がやって来て「子供を堕ろしたい」と告げるが、事情も話さず結局帰ってしまった。
噂によると、お沢は大目付・水野の家に奉公していたが、そこの息子・徳太郎の慰み者にされ、腹に宿してしまったのは徳太郎との子供だったのだ。
お沢は水野と妻・松江からも子供を堕ろすように強く言われ、自ら木に腹を打ち付け堕胎を図るが、痛みで倒れたところを惣太に救助され、再び忍の診療所へ。
お沢は子供を堕ろすか産むか悩むが、そんなお沢を長屋の住人・大吉は母子とも引き受けると言い、大吉の母・お鹿もそれを喜ぶ。
しかし、水野はそれを許さず、息のかかった同心・旗野にお沢とお鹿を捕らえさせると拷問を加えた。
二人は解放されたが、結局お沢は流産し、お鹿も大けがが原因で命を落としてしまった。
怒る大吉は刃物を持って飛び出すが、惣太はそれを必死で止める。
「鏡」の異名を持つ渡し人だった惣太は、大吉より先に悪党たちを始末するため、同じく元渡し人「カマイタチの忍」である忍に協力を依頼する。
その話を立ち聞きしてしまった大吉は「仲間に入れてくれ」と懇願し、忍もまた仕事を引き受けることになった。
こうして結成された渡し人チームは水野一味を始末するため、彼らが花火見物をしている料理屋へと向かう。

【知ってるゲスト】
三崎千恵子、外山高士、五味龍太郎

【名シーン】
①おしゃべりの銀平登場

↑最近悪い噂をたくさん聞きますね…スーパー1が一体何してるんですか…。

②惣太の仕事着・赤フン

↑鏡研ぎ職人の惣太はお客の奥様方の前ではこの格好で仕事をする。
 色気を出しながら仕事をする惣太に奥様方は大喜びするが、嫁のお直は不安を覚える。
 しかしこの格好にはもう一つの意味があるのだ(答えは四話で)。

③この親にしてこの子あり
   お沢は徳太郎に犯され身籠ってしまった。
   水野夫婦はお沢を激しく責める。
水野「全くまずいことをしよって!」
松江「本当ですよ。徳太郎はあの通りの世間知らずだから、お沢、お前が気を付けてくれねば」
お沢「そんな…そんなご無理を今になって…」
水野「ええい、泣くな!」

↑あまりのクソ発言に思わず「うわ、ひでえ!」と声に出してしまった。
 早く殺されねえかなぁ(笑)

④忍の生い立ち
  お沢は意地でも子供を産みたくないと言う。
  それを聞き、忍は自分の生い立ちを話し始めた。
忍「実はね、私も堕ろされるはずの子供だったの。
  あまり人には話したくない身の上だけど、
  長崎へ来たオランダ人の医者と、丸山遊郭のお女郎との間に生まれた子供なの。
  父がオランダに帰った後、母のお腹にあたしが宿っていたことが分かったのね。
  奉行所は堕ろせと強制しました。
  産んではならない禁制の子供だったのよ、あたしは。
  母は逃げました、命懸けで。
  あたしを産むために命を懸けてくれたのね。
  逃げて逃げてあたしを産んで…。
  ねぇお沢さん、お腹のややはね、せめて母親には生まれたことを喜んで欲しいのよ…誕生を祝って欲しいのよ」

↑実はハーフだった忍先生。

⑤大吉とお鹿
大吉「暮らしのことが心配なら、俺引き受けるよ。あんたも、あんたの子供も…」

↑朴訥で女が苦手そうだった大吉だったが、お沢を哀れんで嫁に貰うことに。
 飾り気はないが優しい言葉だ。
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 忍「お沢ちゃんだけじゃなく、あの、お腹のややも一緒に貰ってくださるんですか?」
大吉「頂きますとも!嫁と孫が一緒にできるなんて、あたしゃ本当に幸せ者でございます」

↑お鹿役は三崎千恵子さん。古き良き時代の日本のおばちゃんだ。
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   拷問を受けたお鹿は怪我が原因で命を落とす。
大吉「おっかぁ、頼むよ!息してくれよ!おっかぁ!」

↑こんな人のいいおばちゃんに拷問とか何という非道な連中だ!

⑥二人の元渡し人-忍と惣太
   大吉に殺しをさせないため、惣太は忍に協力を依頼する。
惣太「カマイタチの忍ねえさんのお力を借りたいんで…ねえさん一人にやらせはしません。俺もやります…」
 忍「『鏡』と呼ばれる渡し人がいる…そんな噂は聞いてました。あなたが…」
   うなずく惣太。
惣太「やってくれませんか?」
 忍「足を洗ったんですよ、あたしは」
惣太「なぜ?」
   忍は母親の仇討のために殺し屋の世界に足を踏み入れたことを語った。
 忍「母親の死に際に父の形見の医学の本と、護身用の仕掛け指輪を残されて…
   哀れな母親の悲しみが身に染みてね」
惣太「その指輪が仕事の道具なんですね」
 忍「悪い奴を殺る…その渡し料で父の残した医学を学ぶ。
   それが世の中への仕返しのつもりでね。
   医者になってからも、渡し料で貧しい人たちの無料診療などしてね。
   でもねぇ、人を殺した手で人を治す…それがこの頃とてもつらくってね」
惣太「俺も、お直を嫁に貰った時に足を洗ったんすよ。
   人を殺した手でお直を抱くのがつらくてね。
   ですからこれは、人を治す務めのその続きと言うか、
   しめっくくりの仕事…そう考えてやって貰えませんか?」


⑦忍先生の沐浴

↑出陣前には沐浴して身を清める忍先生。
 このシーンは当時ご本人が出演していたCMが元ネタだそう。
 ちなみに高峰さんはこの時64歳!

↑忍の武器は水晶の仕掛け指輪。普段は人体模型に取り付けられている。

⑧渡し料とは?
   惣太は大吉に渡し料を渡す。

惣太「渡し料さ…どんなわずかでも金は貰う。仕事の重さを背負うためさ」
 忍「あたしたちはね、世直しの神様じゃないんですよ。
   晴らせぬ恨みを代わって晴らす請け負い仕事…それだけの職人なんですよ」

↑新米渡し人・大吉。
 力はあるけど、三話では掟を破って逃げ出そうとするなど弱い一面もある。

⑨大吉殺しシーン

↑「仕留人」の大吉と同じく、相手の体に素手をねじこむ。

↑そして臓物をグシャッ!と潰す。冷静に考えたらものすごくグロい技だ…。

⑩惣太殺しシーン
   廊下に出た松江に、惣太は鏡を握らせる。
松江「何です、あなた!」
惣太「どうです、映り具合は?」
松江「何の!?」
惣太「あなたの死に顔のさ…」
   惣太は松江の体を反転させると、手鏡の柄から抜き取った針を松江の首に突き刺す。

↑恐怖に歪んだ顔を敵に見せつける。極悪女には相応しい最期だ。

↑針と言っても割と太め。
 さすがにこのくらいの太さがないと武器にならないような気がするよね。

⑪忍殺しシーン

↑右手小指にはめた水晶の指輪で相手の首を斬り裂く。
 攻撃前には指輪がキラリと光る効果が入る。

⑫ラスト
   お沢は命は助かったが、記憶を全てなくしてしまった。
お沢「あたし、何にも覚えてないんです。
   自分が誰だか、どんな暮らしをしてたか、なんで先生のところにいたのか…。
   そんなあたしを、この大吉さんは本当に貰って下さるのですか?」
 忍「ええ、あなたはね、行き倒れていてこの大吉さんに助けられてうちへ来たの。
   だから、安心してお世話になりなさい」
大吉「お前が俺のことを嫌じゃなかったら…」
   首を横に振るお沢。
   喜びに沸く一同でエンド。