【ストーリー】
賭場へ遊びに行った大吉と貢は、そこで米の仲買・越後屋の女主人・お陽が博打に勝利し百両もの大金を手に入れるのを見かける。
翌朝、河原に打ち上げられた心中死体の生き残りの片割れを見た主水は、女の方がかつて自分が惚れていた女郎のお陽だと気付き驚く。
御定法に従い高札場にて晒し者となったお陽は、主水に助けを求め、事のいきさつを語る-。
女郎だったお陽は越後屋の後妻に入り、主人亡きあとは女将として店を切り盛りしてきたが、昨夜、折り合いの悪い義理の娘・お道が背負い込んだ百両の借金を本日中に返せと、大島屋義平次という男がやって来た。
ちょうど手持ちもなく返済に窮したお陽は一か八かの博打に出て、なんとか百両は準備はできた。
支払いのため待ち合わせ場所の出会い茶屋に行くが、そこで船頭に船に乗せられた後、暴漢に襲われ、気が付いたら河原にいたという。
主水は仲間と協力し、とりあえず船頭を探し始めた。
その頃、越後屋には大島屋が現れてお道に「自分が店の面倒を見る」と告げる。
お道はと言うと、恋人の菊次と夜を過ごして現実逃避していたが、別室から男たちの声が…。
お道はそこで、大島屋、番頭、菊次、船頭たちがグルとなり、越後屋の財産を奪い取ろうとしていることを立ち聞きしてしまう。
【知ってるゲスト】
中村玉緒、桜井浩子、川合伸旺
【名シーン】
①中村玉緒登場
↑これもDVDマガジンに収録されてた回です。
かつて主水と深い仲だったということで、単発ゲストながら印象深いキャラとなっています。
↑義理の娘・お道からも白い目で見られ可哀想。
②主水の昔語り-お陽との思い出
おきん「よう八丁堀」
主水「うん?」
おきん「あの女とはどういう訳があるんだい。昔の女かい?」
主水「うん…ま、そんなとこだな」
主水はお陽との馴れ初めを語り始める。
主水「道場仲間に誘われて、初めて足踏み入れた岡場所で知り合った女でな」
おきん「へ~八丁堀の初めての女かい!」
主水「うん…」
おきん「男でも初めての相手って忘れられないもんかね」
主水「う~ん、なぁ…それからしばらく通い詰めてな…その後がてえへんだ。
こっちは頭に来て大アツアツ」
おきん「むこうは?」
主水「もちろんアツアツさ!」
おきん「嘘つけ!」
主水「まぁまぁ聞けよ~。それから半年ばかり経ってな。
その女の姿が急に見えなくなって、風の噂じゃ米屋の手代と一緒になったって噂を耳にしたんだ」
おきん「やっぱりそうだほら、アツアツじゃなかったんだよ」
主水「うん、まぁな。
今考えてみりゃ、女郎の手練手管だったかもしれねえがな…俺にとっちゃいい思い出なんだ」
おきん「騙されたくせに!フフフ…」
主水「あれからもう十年だ…」
↑夜はお陽が捜索に出かけるので、おきんが身代わりで晒し者に。
↑珍しい主水さんの昔語り。
こういうシーンは名シーンとして残しておかなきゃ。
③お道の最期
お道は悪党の企みを聞いてしまい、刺されてしまう。
心中死体に見せかけるため外に運び出されたところを、貢が救い出すが…。
お陽「しっかりして!」
お道「あたしが悪かったわ…長い間…ごめんなさい、お母さん」
お道は息を引き取る。
お陽「おみっちゃん!おみっちゃん!」
↑義母に対し嫌な娘だったお道も最後は改心。
この二人の関係がもう少し語られたらよかったような気がしました。
④ラスト
↑江戸所払いで再び女郎になったお陽。
↑その頃、主水は暗い部屋で物思いにふけりながら、一人大福を頬張っていた。
↑BGM「晴らして候」がぴったりな、しっとりしたラスト。