※下書きのまま放置していたブログ、その①
9月の初めに、和歌山の無人島「友が島」に行ってきました。
SNS時代の今、まるで「天空の城ラピュタ」のようだと有名になった友が島ですが、行ったのは私がアニメファンだからでは決してなく、赤レンガの戦績に惹かれるから。
友ヶ島は、和歌山県と兵庫県の淡路島との間に位置する無人島群で、沖ノ島、地ノ島、虎島、神島という4つの小さな島の総称です。その中の沖ノ島には、明治時代から第二次世界大戦時まで、旧日本軍の要塞施設となっていた島で、今も当時建設された砲台の跡が残っています。和歌山出身のJ友さんは、結婚前のお若い時に 遊びに行かれたそうですが、もちろん海で遊ぶのが目的だったそうです。
和歌山市の加太港から、友ヶ島汽船のフェリーに乗って島へは約20分。平日ですが、船は満席でした。友が島ツアーの参加者約30人の中には、戦争を経験した年代の男性が半数ほどで、年齢は高め。私のように一人参加の女性も数人いました。
港から、足元の悪い山道を登ってゆく約4㎞の行程です。ゆるやかな山道ながら、参加者には足の悪そうな老人もいて、遅れずに着いてこれるのか?と心配になります。おまけに天気が良すぎて、ちょっと暑い💦
沖ノ島には、5つの砲台跡、弾薬庫跡など、旧日本軍の施設跡が点在しています。その中で、当時のままの姿が残っているのが「第3砲台跡」。地下に掘られた暗い道を進みます。
そこには、今 どこの国にいるのか?というような異世界の光景が広がります。昔、ここで確かに多くの軍人たちが動いていたのだという、当時の幻が見えるかのようでした。明治から何年の月日がたったのか、「第3砲台跡」の煉瓦積みは、年月を経ても 今なお美しいと思う。
弾薬支庫をさらに進むと、かつて大砲が鎮座していた砲座跡が残っています。島の外からは見えません。
「第3砲台跡」には、このほか同様の砲座跡が計4カ所、そしてそれらが地下に延びる連絡通路で繋がれています。
「第3砲台跡」が山中にあったのに、こちらの「第2砲台跡」は海に面した高台にあります。
戦後 GHQにより破壊の命令が下され、爆破されました。破壊された「第2砲台跡」は海に向いているせいでしょうか、何かをこちらに訴えかけてくるような気がします。
砲台巡りは約2時間ほどでした。お天気が良く、青い海と空、深い緑の島の光景も美しい。
戦後、70数年。砲台跡は島に無言で佇んでいる歴史の証人ですが、この先朽ち果てるに任せてゆくのでしょうか? 様々な想いを抱え、帰りのフェリー乗り場で待っていると、
事件が起こりました。
〇田さん、おられませんか~?添乗員さんが、大声で叫んでいます。男性が1人、行方不明になっているそうです。老人が多かったもんね・・そのうち戻るだろう・・。お先に船に乗ります。
ところが
港で走り回っている添乗員を残して、船が出るぞ~ ええええ~ 船が出ちゃったよ💦
フェリーは知らん顔して、時間キッチリに出港しました。ありゃー 次の船が最終だけど間に合うのかな??? 港について、バスに乗り込み、我々は待たずに先に帰路に付きました。
途中、経過報告がバスガイドさんからあるのですが。
「見つかっていません」「まだ見つかっていません」「島の人が皆で探しています」「船便は無くなりました」「添乗員さんは、島に泊まって 明日の朝から捜索します」すぐに見つかるかと思っていたのに、大丈夫かしらん?心配しながら、家に帰りました。
その後、4日ほどして観光会社から丁寧な事後報告の封書が届きました。翌日の朝から、警察が捜索してくれて 男性は無事に怪我もなく発見されたという事です。ご本人、港とは全く違う方向に歩いて行ってしまい、電気もない真っ暗な無人島で1人過ごしたそうです。正直に言って、迷うような山道では無かった。標識もあったし。高齢の方だから、方向感覚がおかしくなっているのでは💦
添乗員さんも、あんな道で迷うはずないだろう・・と思わずに、点呼を何度もとるべきでした。前も同じことがあったけど、そう言う人に限って 一人参加で、携帯も持っていないのよね~(-_-;)
異世界に迷い込んだような、友が島の光景を満喫した一日でしたが、まさかの行方不明者には、これから自分も気を付けようと思いました。