深まる秋を廃線跡で満喫してきました。

西宮廃線ハイキング、一般開放で賑わう旧国鉄福知山線の廃線跡(兵庫県西宮市、宝塚市)、武庫川沿いの4・7キロ。1986年、近くのトンネル開通に伴って廃線となった。レールは撤去されたが、枕木やトンネル、鉄橋は残っている。
11月15日にハイキングコースが解放され、紅葉を見るならいまのうちだと1人で行ってきた。宝塚からバスで名塩まで。途中、バスの窓から見える武庫川が、いつも見ている大きく穏やかな流れの河口近くの武庫川とはあきらかに違う。川には岩がゴロゴロ、ああ ここは武庫川の上流に近づいているのだなと感じさせる。
住民の方に道を尋ね、1人で迷いながら細い細い道を下りて、ハイキングコースの入り口に入ると、急に大きく視界が広がった。眼の前には、いつも見ている普段とは違う武庫川の姿。
眼下には巨石がゴロゴロしていて、野趣に富んでいる。武庫川のこんな姿を見るのは初めてで、この先に期感が高まった。

これから約、4・7kmの廃線跡を武田尾に向けてテクテク歩きます。
新たに整備されたに違いない、真新しい木の手すりの橋は、明るいオレンジ色が目にも鮮やか。

山間の廃線跡に次々に現れるトンネル。前もって調べたら、絶対必要という懐中電灯を持参。

400m以上の長さというトンネル内は、漆黒の闇です。ヒンヤリと涼しい
なかなか出口が見えないので、やっと先に出口の光が見えてホッとする。

トンネルはこの先も次々に現れて、その度に懐中電灯を点灯、このために350円で買ってきて良かった。
ところが、長いトンネル内ですれ違った高齢の80近いと思われる男性、なんと真っ暗闇を灯りもなく一人で歩いていた。思わず、「電灯は?お気をつけて」と声をかけちゃったよ。何やら、おじいさんモゴモゴ言ってましたが、よく聞こえなかった・・
紅葉を楽しみながらのハイクの最中に、百合の花が季節外れに純白の花を咲かせていたけど、狂い咲き?

可憐な白百合とは対照的に、川を覗き込むと荒々しい光景が!
巨石の間を川の水が滝のように流れていた。その力強い流れる水の迫力に圧されてしまうほど。写メだとその荒々しさが全然伝わってないのが残念・・・都会から1時間ほどで、こんな自然の光景が見られるなんて、今まで知らなかった。

その後も、次々に目の前に現れるトンネル。この多くのトンネルを作るために、どれだけの大きな労力が使われただろうか。先人の努力に感謝。この廃線跡は貴重な人類の産業遺産です。
トンネル

トンネル

一番長いトンネル内では、私の周りは全くの無人。誰も近くを歩いていなかった。ただ真っ暗闇が長く長く続くだけの中、一人っきりという孤独感や心細さを十分に味わった。子供時代、田舎の夜は漆黒の真っ暗闇だった、それ以来の闇だった。
トンネル

いっぱいトンネル、出口が見えるとホッとする。

そしてこのハイキングのハイライトはここだと、トンネルを抜けた瞬間にわかった、鉄橋が橋に架かっていた。前で撮影をしていた人たちは、本格的な大きなカメラを持っていたので マスコミ関係のようだった。



この辺まで歩いてくると、巨石がゴロゴロしていた河原が反対に穏やかな流れになってきていた。
紅葉もさらに美しい

この辺りは公園に整備してあり、木々には名前の名札がついていて、ハイカーには親切。
でもトイレがない!わたくし、家を出てからここまで約3時間近くトイレに行けてない。我慢我慢や(-_-;)

この後は短いトンネル。トンネルが丸い額縁みたいになって、出口の度に写メをしてしまうの。

色づく山々

全長約4.7km。ゆっくり歩いて2時間ちょっと。次々に現れるトンネルに、紅葉、迫力ある武庫川の光景は1人でハイキングでも、全く飽きませんでした。しかも、ほぼ平坦で登り路などがないので、楽々で歩ける。桜の木も多いそうなので、春に来るのもいいね。
このあとやっとトイレを見つけ、武田尾駅まで歩き電車に乗って帰りました。武田尾駅は無人駅で、駅舎自体がトンネルの中にある。日曜日はキップを買うのに大行列だったとか。私の行った日は、人は少なく静かに秋を感じることができたので、とても良かった。

使ったお金は電車代と懐中電灯代だけ、安上がりで十分に行く秋を満喫できた一人ハイキングだった。
今回のルートは、名塩から武田尾へ歩くルートでしたが、反対側から歩いてくる人も多かった。
