3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

自動車業界の動向2007-5

2007-05-08 00:23:54 | Weblog
 JAMA(日本自動車工業会),JAPIA(日本自動車部品工業会)は3D図面標準化ワーキンググループを発足させ、3次元CAD関連の機能検証と3次元データの活用方法の構築・展開について検討を行っている。
現段階では、3D図面とした場合における承認方法を、各社毎に提案検討を行っているとのこと。

 私も8年ほど前に、3次元データのみで出図する事が可能か製造メーカ(A社)と協力し、検討した事がある。
当時、私は板金を多用する製品の設計を行っており、板金図面について何処まで3次元データに盛り込めるかの検討を行っていた。
材料名,カエリ面,圧延方向,CADデータの履歴,検認方法,等々どの様に表現したらよいか多くの問題があったが、特に私たちを悩ませたのは、改訂に関することであった。
変更履歴と変更場所、及び変更前の形状をどのように表現するかについて、A社と3次元データを交換しながら検討を行っていた。

 結果としては、パワー不足ということもあり、検討途中で止めてしまったのだが、検討している時にA社技術者からショックなことを聞いた。
それは、「私たちは、設計者から貰う電子データを利用していない」と聞かされたことだ。
私たちは、業務効率改善(図面作成時間短縮と製造時間の短縮)のために、出図時に、紙図面とその図面の電子データ(DXFデータ)を製造メーカに送っていた。
 私たちが送った電子データをCAD・CAMに入力すれば、製造メーカはCAM用のデータを紙図面から入力する手間が省けるため、納期短縮やコスト削減にも繋がると考えていた。
しかし、業務効率改善のためにと思って作成した電子データを「利用しない」とはどういうことなのか。
それは、
・図面寸法とDXFデータとの整合性がとれていない。
・DXFデータの線同士が繋がっていない。
・記載寸法では線同士が接しない,又は交わらない。
・線が2重3重に重なっている。
など。
 確かにこのデータをCAMに入力したらエラーで動くことはないであろう。
更にやっかいなことは、この問題を見つけだすことが非常に困難であることだ。
そのため、A社技術者はDXFデータ利用せずに、紙図面からCAD・CAMデータを入力していた。

DXF電子データを用いた業務効率改善は設計者のおごりだったのか。
3D図面もそうならなければ良いが。

今週3D図面についてベンダーと打ち合わせを行うことになったので、次回のブログでその打ち合わせ内容について報告できると思う。