3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

自動車業界の3次元データー授受

2007-03-13 00:43:50 | Weblog
自動車メーカのHONDAが部品メーカーに対し新規モデルチェンジ車種から、3次元データの授受に関し、CATIA V5データしか受け取らない事を通達した。この動きは、他の自動メーカーも同じで、三菱ふそうトラック・バスも同様な内容で通達し、三菱自工も続くと見られる。
前回、業務効率改善のC社の活動として一気通貫を試みた事例の中で、PDQ(3次元CADデータの品質)に関する、JAMA(日本自動車工業会)/PAPIA(日本自動車部品工業会)の取組について簡単に述べた。
JAMA/JAPIAはPDQ-WG(PDQ-Working Group)を発足させ、JAMA,JAPIA間でSTEPファイルを用いた3次元データの授受に関する品質,不具合について、5年以上かけて調査,検討を行ってきた。
その結果として、STEPを用いたデータのやり取りには品質的に限界があり、自動車メーカは自動車部品メーカに対し、PDQチェックツールによりチェックしたデータしか受け取らないといった動きになっていた。
しかし、今回のHONDAなどからの通達は、PDQチェックツールを通したSTEPファイルも受け取らない事になる。
要するに、自動車メーカーは自社で使用しているCAD環境で作成したデータ以外は受け取らない。
一気通貫の考えとしては、最も効果的で間違いは無いが、部品メーカは高価な3次元CADを自動車メーカ毎に揃えなくてはならない。
なぜ、そこまでする必要があるのか。
それは、PDQチェックツールを用いてチェックしてもなお残る不具合に対し、モデル修正に掛かる費用が膨大なこと意味している。
その費用を抑えるために、自動車メーカは自社で用いているCAD環境でのやり取りを行うことにした。
一見これで自動車メーカはPDQの問題から逃れられたような気になるが、部品メーカから受け取ったCADデータを加工するときに、修正できないなどの新たな問題が発生することが容易に予想される。
最終的には、いかに修正しやすいモデルを作れるかがポイントとなり、そのためにはモデリング力を高める事が重要である。




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