タイの国際空港が閉鎖の一大事です！（２）

スワンナプーム国際空港の閉鎖から内戦に繋がる？　ちょっと、いや～なムードになって来ています。

反政府デモ（PAD）と政府に対して、タイ軍の実権を握るアヌポン陸軍司令官が記者会見を開き、ソムチャイ首相に解散
総選挙を提案し、それによってPADは空港からデモを撤退すると言う双方の歩み寄りを示しましたが、双方とも拒否しています。

仲介に入ったアヌポン陸軍司令官では役不足？　益々　深みに入り込んでいます。今度は更にスワンナプーム国際空港の
閉鎖が延長されることが日本大使館からも入っています・・・　えっ！　29日の6時まで？　なんと48時間が延長されました。

もう最悪です。これは、もう国際問題になりかねません。なんと言う愚かな方向に進んでいるんでしょう。

スワンナプーム国際空港の占拠によって、観光客や利用客等に損害・問題を与えているよりも、現政府の施政の継続の方が国家に
与える損害・問題が遥かに大きい、と自分達の正当化を言い出しています。ソムチャイ首相も明解な施策も出せないでいます。

タイの政局混迷を受けて、在タイ中国大使館は中国本土にタイへの旅行日程延期を勧告するとともに、タイ在留中国人に注意を
呼びかける警告を発表しています。こうなると、どこの国々の大使館でも同様の勧告を発するでしょう。当然なことです。

今　タイ政府にとってはラッキーなことに、インドの同時テロが発生して全世界の主なニュースの陰に隠れていますが、ホント
タイの一大事です。閉鎖による空港の損失は一日1千億バーツ（約2,700億円）以上、農産物輸出に与える損害は300億バーツ
以上になるそうですヨ。こんなことからソムチャイ首相も、昨日になってスワンナプーム国際空港とドンムアン空港の周辺地域に
非常事態を宣言しました。また　警察に出動を要請したことを明らかにしましたネ。

処で、首相が発令した「非常事態宣言」って、詳しくはどんな内容なんでしょう？　
2005年に制定された『非常事態下での統治法』第9条に基づくもので、非常事態を速やかに正常化し、暴動発生を
回避するために発令するもので、同宣言を発令する権限は首相にある、とされ以下の制限を受けます。

（１）　5人以上の集会および秘密会議、もしくは治安を乱すと考えられる行為が禁止される。
（２）　国民に不安感を与える記事、治安に関し国民に誤った情報を提供する記事を、新聞などあらゆる媒体を通じて
　　　　配布・販売することが禁止される。
（３）　治安維持責任者が指定した交通路・交通機関の市民の利用を禁止することができる。
（４）　治安維持責任者が指定した建物への市民の出入りを禁止することができる。
（５）　治安維持責任者が指定したエリアから市民を移動させ、また同エリアへの出入りを禁止することができる 。

これで、どれだけの防御が出来るやら、不安と心配が重なります。

両空港の運航再開にメドが立たないため、空港当局は27日、南方のラヨーン県にあるウタパオ国際空港（パタヤの先）を
受け皿に決めましたが、一日数十便が離着陸する程度の空港のため、代替には限界があります。
26日には、スワンナプーム国際空港で日本人だけで約一万人が足止めを喰らっているんですからネ。
今後も政府と反政府の動向を注視しなければなりません。



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