宗恵の「一期一会」

茶道教室の様子を中心に日々感じたことなどあれこれ綴ります。

桑小卓

2014-01-24 15:24:55 | 茶道一般
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このお棚は桑小卓(くわこじょく)です。
お点前の最後に柄杓を荘りつける時、勝手付きの柱に裏千家では合を下にして、表千家では合を上にします(合とは柄杓の湯や水を入れる部分です)。
裏千家四代仙叟(せんそう)のお好みですが、何故表千家にもその扱いがあるのかしら?と調べてみました。

金澤宗也先生の『茶の湯実践講座 棚物の心得と扱い』に詳しく解説されていました。以下、抜粋です。 

 
卓はもともと床に用いられるもので、上に香炉、下に花入を置くものを謂う。座敷に下りて点前に使われるようになったものである。矢筈棚の別称のように、天板と中棚に穴が多くあけられ、矢を立てておく矢台より小棚とされたもので、仙叟好みであり、地板の面が矢筈に取ってある所以である。
 使用する建水は平であり、仙叟好みに楽の平建水がある。唐銅でもよい。天板には薄茶器、または羽箒、香合、中棚に荘る水指は、白地オランダ寄口(俗に煙草の葉形)細が取合わされるところから、細目が適する。
 柄杓は勝手付の二本の柱に合を伏せて向こうに、柄の先は手前の柱にして斜めに立てかけるのが特徴である。普通、角の棚に荘る柄杓の合は上に、丸の棚に荘る柄杓の合は下に、陰陽の扱いの違いに従うが、仙叟はこの棚を好み、江岑宗左に贈られた時は、ともに合を上にされていたのである。如心斎・一燈の時、伏せて荘るように改められ(『茶式花月集』)、表千家はまた旧にかえされた由である。柄杓を柱に立てかける時、左手で柱の外側より、柄杓に添えて荘るのは、この棚の特徴である。




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