絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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「チェコを綴じる 印刷と紙」、無事終了致しました。

2017-10-17 | ●思うこと



あれこれ書く前にまず、
今回のために数々の素晴らしいチェコの絵本を
選んで下さったチェドックさんに心から感謝します。
「こんな感じの印刷の絵本を~」という漠然としたお願いを
軽やかに引き受けて下さってとてもとてもありがたかったです。
こんなことは、チェドックさんにしかできないことだと改めて思いました。
どれも想像をはるかに超えるようなワクワクする本ばかりで
ものすごく楽しかったです。
 
実は、チェドックさんとチェコのイベントを初めて開催したのは2008年。
今年で10年目。回数としては7回目。
もう、本当にありがたい。
感謝してもしきれません。
 
 
振り返ると、これまでの過去6回は微調整こそあるものの、基本的には
チェコの絵本たちが持っている元々の魅力みたいなものと
チェドックさんの懐の深さに頼ってやってきたという感じがします。
今もそのやり方が好きですし、
正直、これからもあまり余計なことはしたくありません。
ただ、なんとなくの感覚なんですが
今回はいつもより一歩踏み込んだ方がいいかもしれない
という気がしてしまいました。
それはどうしてなのか、正確なところはわかりません。
おそらく、自分自身のこと。世の中の流れ。時間の流れ。
いろんなものやことが古くなっていくこと。
そんなところの何かが、ぐるぐるとしてしまったのだと思います。
 
この10年で、世の中も身の回りも、絵本を取り巻く世界も、
自分のお店も、変わっていないつもりの自分自身までもが
きっと大きく変化しているはずで
今という時間のことを考えることがあります。
 
「古い」「新しい」、とはいったい何なのか。
今日発売されたばかりの新しい本も
10年後には10年前の古い本になる。
50年前の古い本も、10年後には60年前の古い本になる。
 
今日発売されたばかりの本の鮮度。
50年前の本を、今日初めて見たという鮮度。
どっちも、新しい。
 
でも、鮮度による感動は「見た」瞬間から何かが古くなる。
 
どうしてだかわからないけど、今回のイベントでは
その本の持っている魅力を鮮度として扱わない方がいいような
そんな気がしました。
 
10年以上、チェコの本を見てきて惹かれてきたもの。
ぼくにとってそれは、「印刷と紙」でした。
ここはきっと変わらない。鮮度ではなく惹かれ続けるもの。
 
今の技術にしかできないこと、古い技術にしかできなかったこと。
今の自分にしかできないこと、昔の自分にしかできなかったこと。
 
それぞれにそれぞれのよさがあるわけだけど、
変わらないものもあって、それが浮き彫りになるのは
案外時間がかかるものなのかもしれない、と思いました。
今の自分と、昔の自分が協力してやれそうなことを探したら
今回のそんなところに落ち着きました。
 
と、ここまで書いてあれなんですが
上に書いたようなことは正直うまくできませんでした。
結局、今回もチェコの絵本の魅力と
チェドックさんの凄さや懐の深さに頼りっぱなしでした。
いつもお世話になりっぱなしじゃあいけないと思ったものの
自分の表現力のなさが見事に出てしまいました。
あと、勇気。みたいなもの、かなあ。
でもまあ、チェコの絵本の素晴らしさは変わらないし
自分がどうあがいてもそこにはなんの影響もないので
そういうことがわかったのも面白かったです。
 
きっと、こういうことを自然体でやれれば良いのですが、
自分の場合、自然体だとだらだらしているだけなので
なにも生まれません。
自然体でいろんなことが生まれてくれると
いろいろ助かるのですが、、。ほんとに。
 
そんなわけで、「印刷と紙」というのは
チェコにの絵本に限らず、絵本の魅力の一つだと思っています。
これからもじっくり考えたり何かを試していきたいと思います。
 
約一ヶ月、たくさんの方が絵本をじっくり見て下さって
本当にうれしかったです。
真ん中のテーブルで一緒に話したり考えて下さった方々、
とてもとても楽しかったです。
皆々様、本当に本当にありがとうございました。
 
イベントは終わってしまいましたが、
浅草のチェドックさんには、チェコの絵本がたくさんあります。
イベントで心残りのある方や、都合の合わなかった方々、
ぜひぜひ、行ってみてください。きっと、圧倒されます。
※HP http://www.cedok.org/
 
ではでは、これにて失礼します。
ありがとうございました。
 
 
店主