脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

精神病患者の長期入院について。

2014年10月05日 16時35分51秒 | 精神障害
母が精神病院に入院して一月半になる。見舞いに行くと家に帰りたいと
いう。だが、家に居るだけで症状に応じて騒ぐし、通院の付き添いや救
急車の手配まで面倒見が必要である。さらに自殺未遂までするに及んで
は、父と私の二人では面倒看切れないばかりか、こっちまで精神的にお
かしくなりかねない。ここの処、母がいなくなって、どんよりと澱んで
いた家の空気が澄んで、生活に落ち着きが戻ってきた感じである。

先日、母の精神科の主治医と少し話す機会があった。大分細かい投薬を
試みてくれている様子だが、症状が中々安定しないという。頭痛や歯痛
等の訴えを「心気症」と呼んでおり、これは「治せない」と言われた。
また、ウチを退院した後は、先々どのように面倒を看ていく予定かと尋
ねられた。

このK先生の話では、病院の方針なのか、長期入院は出来ないらしい。
当初の予定通り、三ヶ月で退院させられそうである。精神病院に10年
以上入院している患者は珍しくないが、近年、長期の社会的入院が問題
視され、精神科病院では最長でも六ヶ月を超える入院をさせないように
なっているらしい。


一昨日、私の精神科の主治医にも長期入院について伺ってみた。
従前からの長期入院患者はそのままだが、健康保険の財政赤字を抑制す
るために、新規の精神科患者には長期の入院をさせない方針が採られる
ようになったという。

病気に新も旧もないものだが、医療保険が掛かり過ぎるといっても、現
に精神的に大分おかしいままで自殺企図の懼れもある者を、どうして・
誰の責任で何処へ、退院させねばならないのだろうか?

主治医の話では、イタリアでも精神病による長期入院が全廃されたが、
医療入院を廃止して別のタイプの収容施設が作られたらしい。日本では、
特別養護の老人施設にでも入所させることになろうが、精神病患者は入
所出来ないし、特養はただでさえウエイティングが多い。母の場合、現
実的な選択肢足りえないとなれば、どうしたらよいのだろうか?

何らかの老人施設への入所でも、おカネが相当かかるのだろう。自殺企
図の可能性がある老年患者を受け容れてくれるのかという懸念も残る。
もしこのような精神病患者を、介護能力もない家や社会に戻して、他害
に関わる事件・事故(火の不始末による火災等であれ)でも起こしたら、
誰の責任になるのだろうか? 同居の家族が保護責任者として相応の処
罰を受けるのだろうか? いずれにせよ何らかの責めを家族が受け、損
害の賠償その他は、家族が財産を処分してでも果たさねばならないであ
ろう。

今日、医療・年金等、社会保障制度のあちあこが綻び、全般的にどんど
ん劣化悪化しつつあるように思う。カネがないから増税だのというが、
それで何にカネを使うつもりでいるのか? オリンピックやるだの、国
連の常任理事国になるだのより、この国で普通に暮らす国民の足許が、
どんどん薄暗くなっていることに、為政者や政治家連中は、気づいてい
るのだろうか? それを他人事ではなく分かっているのだろうか?


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