脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

臨時国会:人権法案その他。

2012年11月10日 10時40分05秒 | 社会時評
臨時国会で、特例公債法案の審議と衆院解散要求の、与野党間駆け
引きがあったが、どうやら、年内解散にはなりそうな雲行きだ。

特例公債って、赤字国債を発行して借金をする訳だが、いつも思うが
巨額の借金をしないと国が廻らない状態なのに、そんな国の通貨は、
円高で国際的な信用は高い。何故そうなのかは、日本での個人金融資
産1400兆円が担保になっているからだ、と言われている。

現在国の借金は、983兆円、国民一人換算では771万円らしい。
消費税や相続税の増税、社会保険料も毎年負担増化しても、この巨額な
借金をペイするには遠く及ばない。

政権がどこであれ、今後も赤字国債は発行され続けるのだろうが、
国の借金が1400兆円に迫るまで、あと何年猶予があるのだろう。
日本は、今後30年位で、国家破産しないのだろうか?


さて、国会の提出法案でもうひとつ気になるのが、人権擁護法案である。
今提起されているのは、正確には人権擁護委員会の設置法案だが、人権
侵害の調査に強制力もなく、調査妨害への制裁も内容にはないらしい。
ただの「お飾り」か役職を増やすための委員会なのだろうか?

新聞には「差別や虐待に苦しむ人を、裁判とは別の手続きで早く救済す
るのが目的」とあったが、この程度の人権法制で、刑事事件にはなりに
くいケース、例えばいじめや配偶者暴力、児童虐待やストーカー被害、
会社でのパワハラ嫌がらせ等々、どの程度の人が救われるものか、実効
性が脆弱過ぎて、実際役に立つのか大いに疑問である。

先頃、サイバー犯罪で冤罪が判明した明大生の人権は、誰が救済・補償
してくれるのか? この法律が役に立つか? ストーカー規制法にメー
ルによるつきまといが明文化されていないので、警察の対応不足と不手
際で殺害された逗子の女性は、この法律なら事前に救済されたのか?

尼崎連続変死事件でも、主犯格の女性の顔写真が別人のものであったが、
自分の写真を勝手に犯人として、マスコミ報道された女性の侵害された
人権はどのように事後救済されるのか? この法律がどう対応するのか?

もっと言えば、尼崎事件に見られる「家族乗っ取り」のケースだが、
親族間の紛争等を偽装するので、警察が事件の入口で介入しにくい。
初期の段階で、人権侵害を事由に第三者機関が、現場に踏み込んでくれ
れば、そして被害者の救済と保護が実現できれば、事件は未然に防げた
か、人命まで奪われることはなかったのではないか、とも思う。

人権というと、「差別と人権」という狭い枠組みでばかり語られてきた
感じがする。或いは、紙に描いた餅みたいなものとか、胡散臭い正義感
にさえ思われる一面がある。

私は、人権とは「恐怖と欠乏からの自由」のことだと考えている。
誰もが恐怖や支配を受けることがなく、生存に必要な最低限度が満たさ
れている状態を求められるという、人間の基本権のことであると思う。

競争を原理とする人間社会において、それは、永遠に理想を追い求める
ことかもしれないが、人類社会の基本理念として、常に立ち返って省み
るべき原点だと思う。

現実の人権侵害の実態に則して、人権擁護というよりは、人権の救済と
保護を、警察行政とは別に、強制力と実効力をもって執行できる機関と
制度の創設を、私は強く望みたい。






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