脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

廃業宣言以後(8)

2010年06月20日 00時06分37秒 | 近況
工場の機械の解体・撤去はほぼ終了したものの、
最後の難物が天井のレールである。

当工場には、チェーン・ブロックで重量物を吊って運ぶために、
2本のレールが天井の木の梁に据え付けられてある。
一本は直線、もう一本は曲線レールで、3トンまで吊れるらしい。

曲線レールは長さ約8m、重さは1トン位だろうか。
私が10歳頃に、工場に新設された記憶がある。当時のジィジは、
これを「モノレール」と呼んで、愉快そうだった。

この曲線レールを昨日は、吊り下ろしてみた。
吊り下ろすには、先ずレールより高い位置にポータブルのチェーン・
ブロックを取り付けて支えた後、設置用のボルトを外す必要がある。

ジィジが丸一日掛けて、梁と梁を渡すように角材を並べ、
さらに、その角材の上に太さ20センチ程の短い角材を載せて、
1トン用のポータブル・チェーン・ブロックを三箇所設置した。

曲線レールを吊り支えるには、新たな吊りしろを作り出す必要があり、
その下準備なのだが、モノが曲線なので、水平に吊るにはうまく支点を
捉えないとならないが、これには失敗していたようである。

ジィジは支点を、両端と真ん中の三箇所に取ったようだが、三箇所を
同じように吊り上げてみても、曲線部がある後方が重いらしく、重心
がうまく取れない。
全体が水平でないと、他の梁や柱につっかえて下ろせないのである。

それでも吊り上げてみろというので、
私は、端のチェーン・ブロックを操作して揚げたら、壁のベニヤ板の
大きな切れ端が、ハラリと落ちてきた。
イヤな予感がした。再度少し揚げたら、
短い角材が上から降って来て、間髪を入れずにドスンと来た。

私の目の前で、曲線レールの端が落ち、土の床に角が刺さった。
本当にあっと言う間もない、非情な出来事である。
曲線部側が落下したのだが、落ちたレールは積年の埃をもうもうと
立たせながら、ややそっくり返っている。

私があと一歩前に身を置いていたら、大怪我か即死だったろう。
ウチの工場のこの手の作業には、ままあるアクシデントである。
「いつでも逃げられる格好で居れ!」が
子供の頃から叩き込まれたジィジの決まり文句である。
臆病な位にやや逃げ腰で作業をしていないと、危険なのである。
(それでも腰が引けてばかりでは、作業が捗らないのだけど。)

幸いにもレールが地面まで落ちてくれたので、すぐに作業を立て直し、
吊る支点を変えて、全体を台座に据えることが出来た。
次にはこれを切断する作業だが、コノギリ台まで運ぶのが大変なので、
ジィジが溶接の裏技を使い、一時間以上掛けて、レールを半分に焼き
切った。
(溶接は本業ではないので、それ用の作業着もなく、ジィジのズボンと
 シャツ、靴には、火花で出来た穴が点々と開いてた。)

今日は電動ノコで、レールの残りを切断して作業終了。
あと一本、直線レール(約6m)を外して、切断すれば、
機械・設備の廃棄処理は終了である。
これから暑くなる時期なので、早く終えたい。

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