脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

頭脳警察のこと

2007年05月26日 10時47分20秒 | 音楽
『1972-1991 頭脳警察』を聴く。頭脳警察という名前を初めて耳にしたのは、ラジオの深夜放送が流行っていた中学校三年の頃だった。

何しろ、ファースト・アルバムのジャケットが、三億円事件犯人の指名手配モンタージュ写真を全面にあしらい、内容も「世界革命戦争」を「宣言」するものであった。アルバムが即発売禁止となり、頭脳警察はアルバム・デビューと同時に伝説化してしまったバンドだった。追ってセカンド・アルバムが出されるが、1か月で再度発禁となる筋金入りである。

当時の中坊の間では、頭脳警察と村八分のアルバム(LP)を持ってると、警察が家宅捜査に来て押収されると、マジで語られていたものである。

今、改めてPANTAさんの歌詩を読むと、詩がとてもうまい人だと思う。政治闘争が隘路に陥る70年代始めに、「歴史から飛び出せ」なんてコピーを捻り出した処には、本物の行動力と本物の知性を感じる。音楽性という意味では、後々のロックシーンに登場するパンク・ロックを予言しているという辺りか。

そんなことよりも、「銃をとれ」のような曲を作り発表するという行為を、平然としてしまう凄さである。その賛否はおくとしても、日本中がこぞって憎悪嫌悪した日本赤軍を公然と支持し、エールを送るかのようなアルバムを世に出すことの、神経のタフネスぶり、反骨精神、筋金入りの生き様は、尊敬にも値する。

そのロックな精神は平成の代に変わっても、一向に衰えることがなかったことも驚嘆に値する。ここに日本の元祖、本物のパンク・ロッカーを見い出す思いである。

「OH何をそんなに 
 OHビビってんだよ 
 やり返してやりゃいいんだよ
 
 OHじっとしてちゃ 
 OH始まらねえよ 
 誰もアテになんてするなよ」
                  (「煽動」 頭脳警察7 1990)

 … こんなPANTAさんのメッセージに揺さぶられるのである。

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