土曜日は、異次元を出たり入ったりでした。
前橋工科大学で開かれた『第７回JIA北関東甲信越学生課題設計コンクール』・『第１６回JIA群馬クラブ学生卒業設計コンクール』のコンクール・公開審査と、若柳糸駒のお稽古場の直派若柳流舞踊会『美登利会』の鬘合わせを行ったり来たり…
コンクールは、学生たちが試みた設計がパネルや模型で展示されています。見ているだけでも、面白いやいね。とにかく一生懸命、真面目に取り組んでいるのがものすごく良く伝わってきます。
審査はさ、展示の前で製作者がプレゼンテーションしてさ、審査員が聞いて、質問して…、思い切りよく、自己主張できるかどうかが鍵みたい、「伝える」って難しいことだものね…、頑張ってたよ、みんな
ヒゲが一番気に入ったのが、これ。荻原林太郎さん（前橋工科大学）の『情報伝達的光配列に基づく実験的建築の提案』です。
難しいことがいっぱい書いてあってね…、なにがなんだか良く分からねえんだけど、そのわからなさが魅力でした。
仮説としての中範囲の理論を形にして見せようって意欲がいいやいね。その理論は分からないんだけど、『光』というしなやかな世界を見せてもらえて良かったよ。頑張れ！
こっちはね、前橋駅前のケヤキ並木の通りを再開発しちゃおうっていう作品です。既存の建物はみんなそのまま、道路と空地を使っちゃおうってんだいね。
駅前通りを埋め尽くす建築物、これってさ、前橋市役所なんです。まあ、大変な力作、取り組んだエネルギーに敬意を払わなくちゃね。すごいよ…
もうひとつ紹介するね、これはね、福島原発事故で避難している皆さんの仮設住宅を調査して、その調査に基づく提案作品なんですね。
仮設住宅の区域の中に、人工的なまちを作って、仮設住宅で暮らす人だけでなく、外来者（親族や友人）も利用できる機能を持たせようって…
この作品の最大の魅力はね、仮設住宅が存在している間は、その存在を前提としてるんだけど、復興できて、仮設で暮らしている人たちがもとの家や地域に戻って行ったときに、そこに、まちがまちとして残るっていうんだよね、これっていいな…
だって、必ず復興するって信じて、そのことを前提にしてらいね、それに、復興のプロセスが、新しいものになるって、こういう発想好きだいね…
これはおまけね、『猫目線の住宅』という作品。キキに見せたらさ、＜キキの家の方がいいよ、キャットウォークも、ネコ窓も、ネコ柱も…＞だって。「でも、高校生の作品だぜ…」と言ったら、＜高校生なの、じゃあ、１００点満点！ ハナマル！＞だとさ。
昼前、いったん家にとんぼ返り、昨日から用意していた漬物を盛り合わせて、お椀を仕度してしました。鬘合わせに集まった皆さんの昼食です。
お椀はね、ウド、人参、菜の花、これに豚の背脂使った汁で、『春の沢煮椀』なのです。だから、人参は、桜の花びらに切ってあります。
鬘合わせというのは、日本舞踊の立ち方（出演者）が付ける鬘（かつら）、その下地になる銅やアルミの薄板で作られた地金を、演目と立ち方の頭の形に合せて調製する作業です。
「鬘屋」の職人さんが木槌で叩いて形を整えて、鳩目で留めて、固定します。こうして調製された鬘の地金の上に「床山」さんが髪を結うんです。
鬘合わせの日は、ほかに衣装屋さん、道具屋さん、舞台監督さんも来ています。いろんな準備をまとめて片付けちゃうんですね。
美登利会は４月７日、もう大わらわです。
お昼の仕度をして、また工科大へ、午後の公開審査を見物に行きました。
作品とは別に、すごく気になったことがあるんです。集まった建築系の皆さんの足元、お見せしますね。
おしゃれでしょう、建築系足元ファッション、いいやいね…
一枚目の写真、色合わせ相談ずみトリオだいね、二枚目の左はさ、トンガリ靴の審査員に必死のプレゼンテーションをしている高校生なんです。気合を感じるね…
なんだかんだ、鬘合わせのお稽古場に脱いで並べられてた履物に比べるとさ、賑やかで、明るくて、いい異次元だいね…
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