都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

村野藤吾の特別展と大阪歴史博物館:図面に見入り難波宮に感動

2014-09-28 05:34:04 | 芸術
 京都工繊大学の特別協力もあっての展示に招待券で楽しんだ。前回、同大学の図面展も見ているのと、村野藤吾の同窓であり色々知っているためか馴染みがある。今回は村野家からの藤吾ゆかりの品々が興味深く、更に家具は初めて知った。

 第二次世界大戦中に数寄家を研究したとは槇文彦などの著作で知っていたが、50歳で茶道を始めた経緯に瞠目した。当方も習ってみようかと思ったがこれ以上趣味を増やすのも時間がない。

 図面は楽しめた。特に、平面、立面、詳細が一体となったそごう心斎橋の手すりの図面などは謎解きのようで面白い。村野の階段では旧千代田生命が圧巻だった。また、日生劇場(内部は特に良く知っている)の天井が外れる石膏模型は「これが伝説の」と楽しんだ。

 図面は楽しめたが、宝塚カトリック教会など「三角」と指摘しながらプランがない。例えば、異形の村野建築、例えば西山記念会館、箱根プリンスなどを図面と模型で展示し、そのボキャブラリーをまとめる展示も楽しい。この前、黄表紙で村野と数寄家の関係を日立設計 加藤氏(#702 P1745)で読んで面白かった。また、経済設計でも面白くした旧新ダイビルなどの流れも分析して頂けるとありがたい。

 ついでに大阪歴史博物館も600円で入場。エレベーターで10階まで上がり、エスカレーターで下る順路はパビリオン的。施設は両端の端部に大阪城の展望と休憩ができる構成。難波宮から大大阪までの歴史、風俗、建築が体験できるが、分かる人には物足りず、分からない人には難しい内容で、しかも地図の地名が小さくて読めない。例えば、大大阪の百貨店や市場などもっと知りたいが詳細はどこにもない。盛りだくさんなら、「歴史の読み取り方」と「今の大阪への伝承」を明らかにするとストーリーが組める。

 お金はかかっている展示だがいまひとつ、またエスカレーターの単調な動線はつまらない。演出はないのだろうか。階毎のぶつ切り展示だ。

 ロビーの昔の遺構が覗ける透明の床は面白いが、半球のアトリウムに意味があるのだろうか。大阪城の横で目障りな建築だ。東京江戸博物館のようにメガ・ストラクチャーで浮かせ低くできなかったのか。都市計画的には疑問な建築だ。

 難波宮の跡が一番よかった展示だった

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