都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

中国はリーマン・ショックで優位に立ったが、自国の恒大ショックの波及と内憂外患

2021-10-10 02:01:49 | マクロ経済

 中国は社会主義で共産党一党支配であり、資本主義ではない。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD#%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%8C%BA%E3%83%BB%E9%9D%92%E6%B5%B7%E7%9C%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E6%9D%B1%E9%83%A8 )そのためGDPで比較するのはデータの前提が本当は違っている(土地は国家等が所有など、シンガポールも似ているが)

 リーマン・ショック(2008年)において、中国の経済の痛みは軽度で終わり、ちょうど日本のGDPを追い越した。また、毎年7%超の経済成長を継続し、10年で経済が倍になる計算だ。しかし、「中所得国の罠」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%89%80%E5%BE%97%E5%9B%BD%E3%81%AE%E7%BD%A0 )の懸念も出てきた。

 リーマン・ショックでの「資本主義に対する優越」を意識してか、「強気」で外交では「戦狼外交」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E7%8B%BC%E5%A4%96%E4%BA%A4 )と「一帯一路」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%B8%AF%E4%B8%80%E8%B7%AF )を推進してきた。

 自国内でも「強気」でモンゴル族、チベット族への弾圧など人権問題が明らかとなっている。また台湾を国家として認めない。

 2021年には、中国で恒大ショック、負債33兆円だが波及効果はどうか。リーマン・ショックのNINJYA Loan( https://www.investopedia.com/terms/n/ninja-loan.asp ) など100兆円だった。ローンの証券化や金融工学での複雑化によるレバレッジ効果が拡大しで被害はEUまでも波及した。我が国は輸出先の不況で二次的不況になった。

 

 中国は不動産バブルの崩壊である。なお、マンションは70年の土地使用権の一時払い(実質所有権 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=63593?site=nli )となっている。    現在、価格の年収倍率は我が国のバブル時期に比して3倍程度と「狂乱」水準だ( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM230X80T20C21A9000000/?n_cid=NMAIL007_20210927_A )

 恒大ショックのレバレッジ効果は不動産業界に波及の横と、材料・ゼネコンなど関連産業への縦、そして投資案件とのリスク認識の投資選好性におよび金融への影響など、広範囲で大規模な経済のマイナス波及があるだろう。

 しかも経済では、これから資本主義国家の特質だったものが中国に顕著になる

①格差問題:収入(ジニ係数)格差と出身による就職許可不平等、利権など( https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201903/201903l.pdf )

②人口減少と高齢化:一人っ子政策のつけといびつな人口ピラミッド

( https://www.jil.go.jp/foreign/report/2017/pdf/17-02_02.pdf  https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00740/ )

③強大な国家利権:先進国となる場合は小さな政府と不介入が必要、発展途上国なら有利

 外交では資本主義側の経済・安全保障・環境維持など中国包囲網がトランプで休止していたが、やっと連携して動くのはソフト・パワーとして評価できる。

 1988年頃、Japan As No.1と言われたバブルと崩壊から30年、我が国は成長せず、衰退もせず、Zero Sumに生きる。マーケットの奪い合いは得意だが、創造はできない

 同じように、中国は、巨大になり、さらに共産党と習近平の長期政権で巨大を指向するが止める動きもない。星と同じで分裂するか、ブラック・ホールかが予測される。さらに、内政と外交と経済の課題を抱え、体制として硬直化した ひずみ がある。

 なお、COVID 19の発生経緯や発表の中国患者の少なさも疑わしい。我が国は地勢リスクもあり、北朝鮮、韓国、台湾とのバランスもある。熟考した政策とチームが政府に欲しい。

 習近平の長期政権は安倍・菅と同様の陥穽がある

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