都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

就職してからの学びが必要になる:社会人教育と大学の改革を

2021-10-02 02:06:12 | マクロ経済

 45歳定年制( https://news.yahoo.co.jp/articles/abe561e39b18911ecc93dce2a971e6074c051c35 )をうたうサントリーHD新浪剛史社長(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%B5%AA%E5%89%9B%E5%8F%B2 )などはMBA取得もあり、会社を変わるのが当たり前と感じているのだろう。キャリアとして新卒から20年位で会社を変わり、あとの20年で65歳まで次の仕事というのは終身雇用制の会社でも部署異動や管理職への移行としてあったが。

 45歳で会社を変わるのが大変なのは、結婚し子供がいる場合、これから大学などの教育費がかかる前で、住宅など購入していると勤務地やローン負担がある時期だからだ。となると社員は35歳くらいまでに頭角を現し、さらに実績と資格を取るなどのキャリア形成と自分の商品化が必要になる。

 それ以外の社員は45歳以降会社にぶら下がるだけであり、企業としても役職定年を45歳に前倒しや能力給重視の制度でコントロールしないと「学び」のモチヴェーションは上がらない。

 新しい動きとして塩野義の週休3日制( https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/210922/ecd2109220543002-n1.htm )がある。管理職は対象外とあるため、スタッフ職の研究者や専門能力職能対象と思われる。学び直しや深耕ができるのは良い。当方の場合、論文博士を47歳で授与されたが土日の執筆は業務も忙しかったため目と肩を痛めつけた。しかし、あの時期に週休3日は管理職として取れなかったと思う。となると、スタッフ職に転向するキャリア変更なども必要になると思われる。

 自分のキャリアを作り、自分の職を守る時代にやっとなったと感じた。MBAなどは実務経験5年位で入学しTop10なら2千万円と2年を投資するキャリア・ギャンブルのようなものだ。しかも、授業や勉強はきつい。

 わが国では、MBAもあるにはあるがアメリカほど本格的で、かつランキングもない。学歴ロンダリングに使われるとも言われるほどだ。

 実務的、実戦的なカリキュラム構成とそれを教えられる実業出身の教授が必要だ。Lecturer(講師)のみならず、Clinical professor( https://en.wikipedia.org/wiki/Clinical_professor )やAdjunct professor( https://en.wikipedia.org/wiki/Adjunct_professor )という実業と学際の両方を知る教授の採用と講義・教育が必要だ。MIT Sloanでこの職制を知り、我が国でも必要となるだろうと思い1990年にその道を志向した。しかし、未だ「象牙の塔」の守りが固く、教授は持ち回りの伝統を打ち破れない。なお、アメリカでは大学が最も合理的( Publish or Perish:書かない奴は去れ)でTenure(終身雇用権獲得)も厳しい査定がある。

 終身雇用制を改革するなら、3年で就職活動、4年は卒論と卒業旅行の大学の教育に専門性があり実学的な教育改革と大学院の整備が必要だ。さらに、課題(Assignment)を増やし、読解と著述能力を伸長させ、教授とのディスカッションも増やす必要がある。

 教授についても、英文で論文を新しく出さない進歩なきものをリストラする制度を作ってはどうか。既得権益と卒業生優先採用では教授も腐敗する。

 実務教育なき学生が、Job型に変容する企業に就職する。確かに社会人教育で自己防衛・伸長するしかない。

 また、新しい教育産業の萌芽となりそうだ

コメント
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