○横浜2-1西武●(交流戦)
横浜が接戦を制し、連敗を8で止めた。二回に3連打で先制し、四回は藤田の適時二塁打で加点した。44歳の工藤は緩急をつけた投球がさえ、6回無失点の好投で昨年5月3日の阪神戦以来の勝ち星となる通算216勝目を挙げた。西武は打線が振るわなかった。
▽横浜・大矢監督 苦しい試合だったが、投手がよく頑張った。工藤は自分のペースで投げた。「これが工藤」と感じた。ああ、良かった。
▽西武・伊東監督 (工藤)公康のテクニックにやられた。ストライクの見逃しがすごく多く、術中にはまってしまった。積極的にいけなかったのが敗因です。
◇44歳の熱投さえる…工藤、古巣の西武を相手に

立ち上がりから、汗がしたたり落ちていた。プロ生活の駆け出しから80年代の黄金時代を過ごした古巣の西武を相手に、そして、かつての本拠地のマウンドに、工藤が立った。
六回途中まで投げて5点を失い、4敗目を喫した巨人戦(15日)から8日。「次回につなげるために投げさせてもらっているわけではない。一回一回が勝負」。危機感に満ちた気持ちが序盤からあふれ出た。
一回は1死から2番の福地に中前打を許したものの、中島をスクリュー系のボールで二ゴロに、カブレラを速球で中飛に打ち取った。六回、2死一塁から、和田に外寄りの球を打たせ、遊ゴロに封じた時には、してやったりとばかりにガッツポーズも飛び出した。
公式戦では、ダイエー時代の99年8月28日以来となったこの球場のマウンドにも、感慨はない。連敗中のチームを救うため、結果を伴ったピッチングをするために、投げた。140キロ台前半の速球と110キロ台のカーブを中心に、打者のタイミングを外し、6回散発4安打無失点。「一人ずつ、一球ずつ気持ちを込めて投げた。結果として、一球も気を抜くことなく投げることができた」と工藤。十分、納得のいく内容だったのだろう。
打線も二回には40イニングぶりの適時打で先制し、四回には追加点。8連敗のチームの中で、44歳の熱投がさえた。
(毎日新聞)