この週末のJRAの競馬は、新型コロナウィルスの影響で無観客開催となりましたが、当場生産馬からはメルテッドハニーとセツメンノトビウオが出走しました。
マーガレットS(阪神芝1200、リステッド)に出走したメルテッドハニーは、最低人気ながら上がり3Fが2番目に早い末脚を見せて2着に食い込みました。
差し競馬をさせたかったようですが、松山騎手の好騎乗もあり、リステッドレースというレベルの高い舞台ながら見事な差し脚を見せたメルテッドハニー。
次走も期待できそうなレースでした。
セツメンノトビウオのほうは、中山3歳1勝クラス(芝1600)に出走しました。
3番人気で迎えたレースでは、道中4番手あたりにつけながら先頭集団を追いかけます。
最後の直線では先頭に追い付こうと頑張っていましたが、結果は3着でした。
3カ月休養明けで臨んだ今回のレースでは、プラス20kgの馬体重でしたが、これは成長分と見てとれる雰囲気でした。
一度叩かれた次走では、さらに良い競馬が期待できそうです。
そのセツメンノトビウオの半妹で、ローレルクラブに提供しているダンシングハートの2019について近況を報告いたします。
【体高】148cm 【胸囲】163cm 【管囲】19.2cm 【馬体重】351kg ※2月29日現在
前回の近況をお伝えしたときより、数字上も順調に成長していると言えます。
体高はこの時期の牝馬としては十分だと思いますが、馬体重は体高に比べるとそれほど重くないほうです。
セツメンノトビウオもそうでしたが、このきょうだいは母ダンシングハートの素軽さを受け継ぐところがあり、本馬の馬体にもそういう面が窺えます。
ただ、体高のほうはある程度上がっていきそうな雰囲気で、これは明らかに父ダンカークの影響と言えるでしょう。
当場におけるダンカーク産駒は、オーパキャマラード(現2勝)につづき2頭目ですが、オーパキャマラードもかなり体高がある一方で素軽さを感じさせる馬体です。
一概には言えませんが、「ダンカーク産駒は重たく見せるより素軽く見せるほうが走る」という見方があるようで、その意味では本馬の馬体は後者のカテゴリーに該当します。
今後も平均的な馬体重ながらも体高はある、という成長をしていきそうな気配です。
次に、ターファイトクラブに提供しているラヴァーズレーンの2019についての近況です。
【体高】152cm 【胸囲】169cm 【管囲】20.2cm 【馬体重】395kg ※2月29日現在
彼女はいま現在、当場における最も馬格に恵まれている一頭だと言えます。
母ラヴァーズレーンは1歳時の頃は他馬に比べて小柄な馬体で、競走馬になってから馬格に恵まれるようになった馬です。
ただ、彼女の産駒は平均して幼駒時から馬格に恵まれている面があり、本馬もやはり立派な馬体の持ち主です。
一方で、父ホッコータルマエも馬格に恵まれた種牡馬なので、本馬に関してはどちらの血が強く出ても立派な馬体になっていくでしょう。
相変わらずどっしりとした馬体をしていて、放牧地では他馬とともに運動して、馬房で舎飼いしている時間帯はしっかり寝るという、オンとオフがはっきりしているタイプの馬です。
例年の冬とは異なり、暖冬の影響で今年の冬はあまり雪が降っていません。
そのため、凍った地面が剥き出しになっている時期が長いことなどが影響して、一時期は放牧地での運動量が少し減っていたように思います。
冬期の昼夜放牧をしている他の牧場さんたちと話すことがあるのですが、やはり同じような印象を持っていました。
ただ、一時期はこちらが期待するほど成長を見せていなかった馬たちも、ここにきて順調な成長を見せるようになってきています。
上記のクラブ提供馬2頭は順調な成長を見せていますが、それでも個々の成長曲線にはしっかりと気を配る必要があると感じています。