ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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自民党総裁選、本格スタート

2021-09-18 23:23:56 | 時事



自民党の総裁選が、昨日告示となりました。

4氏が立候補。

菅総理の退陣表明でがらりと構図が変わった総裁選、各メディアの調査によれば河野さんが有力ということですが……果たしてどうなるでしょうか。

一方、この総裁選にあわせて、自民党内の若手・中堅議員らが「党風一新の会」というグループを立ち上げたそうです。
総勢90人で、派閥の意見や垣根を取り払って自民党の顔を選ぼうと訴えているとか。

党風一新を謳うなら、まずその試金石となるのは、森友問題や桜を見る会の問題でしょう。あるいは、学術会議の任命問題……うやむやにされてしまっているこれらの問題に、きちんとした対応ができるのか。それもできないようであれば、やはり自民党に自浄能力はないということにならざるをえません。
今回総裁選に出ている候補者は、一部の例外をのぞけば、ほとんどが安倍・菅政権で持ち上がった諸問題を再調査するつもりはないとしています。
そういう状況、せめて、若手グループが気概を示せないものでしょうか。




森山良子「愛する人に歌わせないで」

2021-09-15 21:27:48 | 音楽批評


今回は、音楽記事です。

前回の音楽記事ではブロードサイド・フォー「若者たち」について書きましたが、そこで森山直太朗さんの名前が出てきました。
……と、いうところから、直太朗さんの母親である森山良子さんについて書こうと思います。

その母子つながりというだけでなく、森山良子という人は、ブロードサイド・フォーのほうとも深いつながりがあります。

前の記事でも書いたようにブロードサイド・フォーの中心人物は、黒澤明の息子、黒澤久雄さんですが、この人は森山良子さんにとって成城の先輩にあたるのです。
同じ学校で本格的に音楽をやっている仲間ということで、アマチュア時代には一緒にコンサートに出ることも多かったとか。
ジャズミュージシャンの両親のもとに生まれ、自身もジャズを志向していた森山さんがフォークにむかうきっかけを与えたのも、黒澤久雄。具体的には、先輩が紹介してくれたジョーン・バエズのレコード……そして、後に彼女は「日本のジョーン・バエズ」という異名をとるようになるのです。
本人は必ずしもそう呼ばれるのを快く思っていなかったようですが……しかし、彼女の歌には、たしかにバエズっぽいものがいくつかあります。
声や歌い方が似ているということもありますが、反戦歌のようなものも。
その文脈ではなんといっても「さとうきび畑」が有名ですが、ここでは「愛する人に歌わせないで」という歌を紹介したいと思います。

愛する人に歌わせないで

作ったのは、森田公一さん。森田公一とトップギャランのバージョンもあります。
歌詞の内容は、兵士として戦場に行った夫が戦死してしまい、残された妻が息子に向かって歌う子守唄……というもの。
後半部分の歌詞を以下に引用しましょう。
 
  あなたのパパは 坊や
  私たちのことを
  あなたのパパは 坊や  
  とても心配してたの
  
  戦いに行くその日まで
  きっと無事に帰ると
  固い約束をして
  出かけていったのに

  あなたのパパは 坊や
  あんなに言ったけれど
  あなたのパパは 坊や
  ここに帰らないの

  あなたが大きくなったら
  愛する人に二度と
  歌わせないでちょうだい
  ママの子守唄を

まさに“日本のジョーン・バエズ”という言い方がふさわしく感じられる歌でしょう。
「さとうきび畑」もそうですが、本当ならこんな歌は歌われないほうがよかったし、二度と歌われないほうがいいわけです。森山良子さんも、特に好んで反戦歌を歌う人ではありません。しかし、こんな歌が歌われる。歌われなければならない現実がある……
「愛する人に歌わせないで」が発表されたのは1968年のことで、直接にはベトナム戦争を背景としているでしょう。そして、それから半世紀以上が経ちますが、その間、9.11.があり、アフガン戦争があり、イラク戦争がある。愛する人に二度と歌わせないでちょうだい――という悲しい歌が、何度繰り返し歌われてきたか。
先日、ジョーン・バエズの歌う「花はどこへいった」を紹介しましたが、まさにそこに通ずるテーマといえるでしょう。そうなるとやはり、日本のジョーン・バエズということになってきますが……それは、この世界の現実がしからしむるところなのです。




エドウィン・スターの名曲を振り返る+α

2021-09-13 21:27:18 | 過去記事

エドウィン・スター「黒い戦争」(Edwin Starr, War)

先日、戦争ファンタジーという記事を書きました。そこで、リアリティを欠いた戦争観を批判しましたが……今回はその延長で、戦争の愚かさを歌った歌を紹介します。エドウィン・スターの......


過去記事です。
エドウィン・スターの War について書いています。
例によって、動画を。

Edwin Starr - War

奇しくも、先日の9.11の記事で書いたことにぴったりといえるでしょう。



この曲をブルース・スプリングスティーンがカバーしている動画があるので、ついでにそちらも紹介しましょう。

Bruce Springsteen - War

最近このブログによく登場するブルース・スプリングスティーンですが、彼は9月11日にニューヨークで追悼の歌を歌っています。その動画を。

Bruce Springsteen Performs 'I'll See You In My Dreams'

また、ジョン・フォガティも、9.11にあわせて動画を公開しています。
8月に行われた NEVER FORGET コンサートのもの。
「雨を見たかい」はともかく、Fortunate Son をやってるのはなかなか挑戦的です。

John Fogerty Live at The NEVER FORGET Concert

20年目の9.11

2021-09-11 23:11:27 | 時事


今日は、9月11日。

あの同時多発テロから20年目9.11.を迎えました。

節目の年ですが……今年アフガニスタンではタリバンが復権を果たし、この20年はいったい何だったのかという話になっています。

結局のところ、武力はなにも変えることができなかった――これは現実であり、そこから教訓を得なければならないでしょう。
しかもこれは、はじめての教訓ではありません。
振り返れば、軍事力によって無理やり親米政権をつくっても20年ぐらいで崩壊するという例はいくつもあります。今回のアフガン撤退はベトナム戦争のときに似ているとよくいわれますが、その南ベトナムばかりでなく、イランのパーレビ王朝や、ニカラグア、エルサルバドルなどの中南米諸国でも同じようなことがありました。それらに、今回新たな例が加わったという話なのです。
ゆえに、問題は、軍事力がなにをなしうるかではなくて、アメリカという国が今回は失敗から学ぶことができるか、ということです。この事態をみてなお、今後も同じ失敗を繰り返し続けるのか……

ここで、名曲を一曲。
「花はどこへいった」です。ジョーン・バエズのパフォーマンスで。

Where Have All The Flowers Gone (Pete Seeger Tribute) - Joan Baez - 1994 Kennedy Center Honors

この歌は、以前一度紹介しました。
いつになったら彼らは学ぶのだろうか……この問いかけが、いままた響いてくるのです。




立憲民主党代表選を振り返る

2021-09-10 21:34:56 | 過去記事

新党代表に枝野氏選出

昨日も書いた合流新党の投開票が行われました。枝野氏が代表に選出。党名は、立憲民主党。まあ下馬評通りの結果ではありますが……ひとまずこれで、新党が一歩を踏み出しました。私がかねてから......



一年前の記事です。

立憲民主党と国民民主党の一部が合流し、新党代表として枝野さんが選出……それから、ちょうど一年が経ちました。

最近はとかく自民党総裁選のことが話題にのぼり、野党の存在が埋もれてしまいがちですが……先日、野党の側にも大きな動きがありました。
立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の4野党で、共通政策が発表されたのです。
この4党はこれまで必ずしも良好な関係にあったわけではなく、一部の政党間ではときにかなり激しい対立が起きていたこともありますが、ここにこぎつけました。これは、野党共闘に向けて大きな前進といえるでしょう。市民連合という民間の団体が関与したことも、一般市民の政治参加という意味で評価できます。

ただ、野党の側にももちろん、覚悟が問われます。

これは自民党総裁選についてもいえますが……いまこの状況で政権を担うということは、猛火のなかにあえて飛び込んでいくことであり、選挙に勝って万歳なんていう話じゃありません。

コロナ禍の現状をみるに、おそらく、この秋から来年の冬にかけて、もう一波、二波、かなり大きな波がくることは不可避と思われます。新政権は、船出と同時に、それに対応しなければならないわけです。
野球でいえば、無死満塁、これから強力なクリーンナップを迎えるという状態でマウンドを引き継ぐようなもの……野球ならば仮にそこで3失点しても自責点にはなりませんが、政治の世界ではそうもいかないでしょう。

この危機的状況に敢然と立ち向かう覚悟と実力を持った、“抑えのエース”の登板を期待したいところです。