今回は、音楽記事です。
ちょっと前に、ミュージックの日ということでパンク特集をやり、そこでエピタフの名前が出てきました。
そこには名前が出てきませんでしたが、エピタフといえばはずせない、というバンドがあります。
PENNYWISEです。
というわけで、今回は、このペニーワイズについて書こうと思います。
ペニーワイズは、現在はエピタフを離れていますが、もともとはエピタフから出てきたバンドです。
バンド名は、スティーヴン・キングの『IT』に登場する例のピエロから。
政治的なメッセージを込めた曲が多く、そういう意味ではバッド・レリジョンの方向性を色濃く継承しているバンドといえるでしょう。ラディカルな政治的主張というのは、パンクの一つの基本要素としてあるものなので、ある種王道ともいえます。
ただ、バッド・レリジョンは毒や皮肉といった要素が強いのに比べて、ペニーワイズはもっとストレートな告発という感じがします。
いまちょうどジャクソン・ブラウンが日本ツアーをやってますが、感覚としてはジャクソン・ブラウンに近いように思えます。もちろん音楽的にはだいぶ違いがありますが、真っ向からのアメリカ批判という姿勢は共通しているといえるでしょう。
それが鮮明に出ている曲、American Lies です。
Pennywise - "American Lies" (Full Album Stream)
「アメリカの嘘」ということで、いかにもジャクソン・ブラウンが歌ってそうな歌じゃないでしょうか。
この曲は、5年前にリリースされた最新アルバム Never Gonna Die に収録されてるんですが、結成から30年経ってもなおこうして尖り続けているのは、頼もしいかぎり。やはり、パンクの世界にはこういう存在もいて欲しいのです。
先ほどの動画は、静止画のオーディオでしたが、ブログ記事にMVを載せようとすると、ちょっと問題が生じます。
Youtubeの公式チャンネルにアップされている動画のいくつかは、攻撃的、不適切云々という警告文が出るものになっているのです。
歌詞が政治的な内容を扱っていて、戦争や暴動などの動画がMVに出てくるからということなんですが……そんなんものかな、と私としては思います。まあ、この警告メッセージはジョン・レノンのハッピー・クリスマスにさえ出るものなので、ロックンロールにとってはある種勲章のようなものなんじゃないでしょうか。
しかし、gooblogにリンクさせると、ブログ内では試聴できないようになってしまうので、今回は“自主規制”し、この警告が出ない動画を選んで載せておきます。
Pennywise - Homesick
この曲は、アメリカの銃社会を告発する内容となっています。
やはりこれも、ジャクソン・ブラウン流という感じじゃないでしょうか。この動画に警告メッセージが出ないのは、戦争などに比べればそこまで政治的に物議をかもすイッシューではなく(もちろん大きな問題ではありますが)、また、実際の映像を使っていないためと思われます。だとすれば、その判断基準ははたして妥当なのだろうかとも思わされます。
こんなふうに、物議をかもすからこそ、世間の常識がもつ欺瞞性が暴き出される……これが、ロックンロールというものの一つの作用なのです。