映画『シン・ウルトラマン』が、いよいよ本日から公開ということになりました。
だいぶ時間がかかりましたが……とにかく公開にこぎつけたということで何よりです。
映画『シン・ウルトラマン』予告【2022年5月13日(金)公開】
13日の金曜日というのは、偶然なのか、それとも狙ったものなのか……
私の場合すぐに観に行くのは難しいですが、機会があれば劇場で観ようと思っています。
ウルトラマンといえば、先日NHKで『ふたりのウルトラマン』というドラマが放送されてました。
初期ウルトラシリーズを支えた脚本家である金城哲夫と上原正三に焦点をあて、関係者へのインタビューなども交えた半ドキュメント仕立ての物語です。ドラマパートには円谷親子や実相寺昭雄といった人たちも出てきて、非常に興味深い作品でした。
金城哲夫が沖縄出身で沖縄にちなんだ怪獣名がいくつかあることは知っていましたが、上原正三も沖縄出身だということは恥ずかしながら知りませんでした。
このドラマによれば、ウルトラマンがやってくる“光の国”には、ニライカナイのイメージがあるのだとか……そうなってくると、私が思っていたよりもウルトラマンは沖縄と関係があるのかもしれません。
鬼才として知られ、若くして世を去ったことで伝説的な存在となっている金城哲夫に比べると、あるいは、上原正三の知名度はそれほど高くないかもしれません。
しかし、私にとっては非常になじみの深い脚本家です。
この人は、特撮だけでなくアニメの脚本でもよく知られており……私は最近アマプラで昔のアニメを見たりするんですが、1970年代ぐらいのアニメを観ているとスタッフロールに「脚本 上原正三」とあるのをときおり目にするのです。
それらの中でも忘れてならないのが、キャプテン・ハーロック。
TVアニメ版で脚本を手掛けたのが、上原正三です。ドラマ『ふたりのウルトラマン』でも、ハーロックの脚本がちらっと出てきていました。
先日北九州漫画ミュージアムのことを書きましたが……同ミュージアムにその脚本も展示されていました。
これは第一話だったでしょうか。
上原正三といえば深いテーマ性ということがいわれますが、ここに書かれている内容からもそれはうかがえるでしょう。ハーロックという作品のもつテーマが上原正三の脚本によってこそ描き出されるのです。その最終話において太宰治『右大臣実朝』の一節が引用されていることは以前このブログで書きました。「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」……まさに、“深いテーマ性”ゆえにこそこういう引用ができるわけでしょう。
米軍占領下の沖縄からパスポートを持って上京してきた上原正三。特撮を「子供だまし」とあざ笑う業界人に「子どもはだませないよ」と言い返す上原正三……彼のスピリッツは、たしかにウルトラマンという作品の土台を支えていたのです。
そのテーマ性が、『シン・ウルトラマン』においてどう扱われるのか、しかと見届けようと思います。
さて、最後に……ウルトラマン記事ということで、これまで何度か登場してきたウルトラマン3DCGフィギュアに登場してもらいましょう。
北九州記事ともからんでいたので、小倉城をバックに。
シン・ウルトラマンは成田亨のオリジナルデザインにしたがってカラータイマーがないということなので、それにあわせてカラータイマーなしバージョンにしてます。