ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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人吉へ

2018-05-05 23:11:59 | 旅行
熊本旅行の続きの記事を書きます。

八代を出ると、いよいよ目的地である人吉へ。

着いたのは、夕暮れ時。駅舎に趣があります。


駅前には、“からくり時計”も。


一定時間ごとに、からくりが作動します。
動くと、こんな感じに。


人吉は温泉地で、あちこちに温泉があります。私が利用したゲストハウスの近くには、なつかしい感じのする銭湯のような温泉もありました。妖怪でも出てきそうなたたずまいがたまらないですね。




翌日の朝には、青井阿蘇神社というところへ行ってきました。


阿蘇神社からわかれた神社の一つだそうで、いくつかの建造物が国宝に指定されています。
くっつくような形で青井稲荷神社というのもあって、稲荷神社によく見られるあの鳥居の通路がありました。



ここからは、人吉に関する情報をもう少し。

人吉というところは、「まいてつ」というゲーム、アニメの聖地となっているそうです。


私はまったく知りませんでしたが、聞くところによると艦コレの鉄道版みたいなやつで、近々アニメが放送されるらしく、ヒットするんじゃないかといわれています。

また、『夏目友人帳』の舞台となる村のモデルも、この人吉とのこと。作者の緑川ゆきさんが人吉の出身なのだそうです。
先ほど“妖怪でも出てきそうな”といいましたが、人吉には古い神社もあり、また“幽霊寺”なんてものもあったりして、そういうインスピレーションをかきたてるものには事欠かなかったということなんでしょうか。

さらに出身者のことでいうと、ウッチャンナンチャンの内村光良さんも人吉市の出身。そんなふうに見ていくと、この人吉というところ、なかなか侮れません。

さて……

そんな人吉に、私がいったい何をしにきたのかということなんですが……
それについては、また次の記事で書きましょう。
私は、聖地巡礼にきたのでも、温泉に入りにきたのでもありません。この人吉には、この記事ではまだ書いていない、私にいわせると最大の魅力をもつものがあるのです。
なにしろそれだけのものなので、ほかの記事と一緒に書くのもはばかられます。そういうわけで、またあらためて、別の記事で書こうと思う次第です。

能面乱舞……八代未来の森ミュージアムへ

2018-05-05 13:32:24 | 日記
熊本旅行の続きの記事を書きます。

熊本を出ると、そこからさらに南下して八代へ。

目的地は人吉ですが、鈍行で行った場合は八代までの電車しかないようで、強制的にそこでストップさせられます。そして、地方の路線ではよくあることですが、そこで次の電車がくるまで一時間待ち……ということになります。

それじゃあ、せっかくだから何か見ていこうということで、八代でも途中下車してきました。

熊本県は、江戸時代には細川家の領地でしたが、八代はその細川家の筆頭家老である松井氏の城下町だったそうです。

細川家といえば、戦国時代の細川幽斎が古今伝授の伝承者であったり、その息子の三斎忠興が千利休の門人であるなど、風雅な家風で知られます。永青文庫は有名ですが、その筆頭家老である松井家も影響を受けているのか、松井文庫というものがあるそうです。
で、この松井文庫が、能の面や衣装を多く収蔵することで定評があるらしく……八代市の博物館「未来の森ミュージアム」で能面乱舞なる企画展示をやっていました。これも何かの縁だろうということで、そこへ行ってみることに。



「未来の森ミュージアム」へは、八代駅からバスで。時間は5、6分ほどでしょうか。
市役所の近くにある、近代的なデザインの博物館です。



“能面乱舞”という字面をみると、シュールというかホラーというか、そんな絵が浮かびますが、もちろん実際に乱舞しているわけではありません。松井文庫が収蔵する能面などの展示です。

能面のような…という言い回しがあるように、能面というと無表情なものばかりかと思っていましたが、そうでもないようで、結構いろんな種類の能面があり、なかには表情をはっきりと出しているものもありました。ほかに衣装の展示や、能そのものに関する解説もあって、能も面白いかもしれないなと思える場所でした。

その解説によると、能には、すべて登場人物が見ていた夢だった……という、いわゆる“夢オチ”のパターンが結構多く、それが“夢幻能”という一類型をなしているそうです。

そこで私が思い出したのは、夢野久作でした。

以前このブログでも書きましたが、夢野久作は能の修業もしていた人で、当然この夢幻能という類型を知っていたでしょう。かの『ドグラ・マグラ』にもそれが反映されているのかもしれない……そんなことを考えました。

能面乱舞の話に戻りますが、この会場では“テスト”があります。
テストといっても、展示を見ながら書いていけば誰でも答えられるもの。



受け付けの人がその場で採点し、全問正解すると、ランダムで一つ能面缶バッジがもらえます。
私が引いたのは、翁面。



神を表す面です。あたり、という認識で大丈夫でしょうか。

この企画は、6月3日までやっています。
能に興味のある方、あるいは、能について勉強してみようかと思う方はいってみてはどうでしょうか。