むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

日本の右派の軍事力崇拝は間違い 現実の国際政治で経済力が物をいう

2009-03-17 04:00:04 | 世界の政治・社会情勢
軍事と経済と国際関係について、日本の右派や保守派ほど、問題設定を誤っていて、現実を見ていない人間が多い。
右派はとかく軍事的な視点で、台湾を取り巻く日本、中国、米国の関係を論じて、日本の存在を過小評価、中国の役割を過大評価(中国脅威論)、誇大視したがる傾向がある。
媚中派と表裏一体の裏を返した中国賛美論というべきものだ。

もちろん中国は邪悪な意図と不安定で膨大な人口を抱えているという点で、なんどき難民が押し寄せるかも知れないという意味で、社会の安全保障の警戒対象だが、国家レベルの軍事やそれを裏打ちするための経済の側面での脅威ではない。ただの野蛮で貧しい「中」国でしかない。

しかし、はっきりいおう。米国のイラク戦争が失敗し、米国型経済も破綻したいま、世界で物をいうのは、米国や中国が競争して誇示している軍事力やネオリベ経済ではなく、日本が戦後長い間にわたって築いてきた、抑制が効いて制度も整った社民的色彩の資本主義を基盤にした経済力である。
イラクすら制圧できないことでみられるように、あるいは軍国主義の北朝鮮や中国が破綻したことでも示されているように、実は今の世界において、軍事力は経済が作り出す国力を弱めるお荷物でしかなくなっている。
かつては経済を支えるのが軍事力だったが、いまは逆転していて、さらに軍事力が意味を持つ比率は3割程度に低下している。

もちろんだからといって非武装など主張するつもりはないが、米国とその走狗の「親米保守派」が最近やたらと日本に武装拡大を求めていることを見ると怪しい。そもそも米国が日本のことを思って重武装を求めるわけがないので、これは米国による日本の国力を削ぐための罠だと考えるべきだ。

そういう意味では、小沢一郎がいった「チェジュ島を買収してしまえばよい」というのは、実に現実の世界を見通した卓見というべきだ。
今の世界は軍事力や侵略で無理やり支配するのではなくて、経済を武器に交渉によって相手と駆け引きすることだからだ。

軍事信仰の保守派は、イラク戦争や北朝鮮の先軍政治から、何も学んでいないようだ。

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