むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

そういえば今年はプルードン生誕200年なんだな

2009-03-07 05:06:00 | 世界の政治・社会情勢
アナーキズムの生みの親とされ、私自身も多大な影響を受けたプルードン。一時帰国で買った Le Monde Diplomatique にたまたまアナーキズム特集記事があって、プルードンが生誕200年だとあった。1月15日。あらら。気がつなかったわ。
というか、アナーキストって、マルキストと違って、アナーキズム思想家を偶像崇拝したりしないから、意外に思想家の個人情報に無頓着なところがあるのだ。
マルクス主義全盛だった80年代前半より以前の日本では、岩波文庫がプルードンの「貧困の哲学」を出していないくせに、マルクスによる曲解と悪意に満ちた「哲学の貧困」だけは出していたり、何かとプルードンは日陰者扱いされていたものだが、現存マルクス主義が失敗した今となっては、その連合主義、分権、絶対自由の思想などが環境・女性などをテーマとした左派リバタリアン運動に応用されて、現実的力を強めている。歴史の皮肉というべきだろう。

もちろん私も大学時代の一時期マルクス(特に初期マルクスね)からもそれなりに影響を受けた時期はあるけど(マルクス主義系統でもグラムシとファノンは好きだよ)、私としてはより魅力的なのは昔も今もプルードンのほう。
体系がない?だから、いいのだ。体系があっても、それにがんじがらめになるほうがタチが悪い。プルードンみたいに最初から矛盾しまくっているほうがなんぼも人間くさい。
マルクスはどうも説教くさくて、高踏的なところが昔から好きになれない。マルクス主義の信奉者が実際に政治やって六なことがなかったことも歴史が証明しているわけだし。そもそも創始者の名前を主義の名前に冠して新興宗教まがいの個人崇拝に陶酔したり押し付けたりするんなら、いっそのことはじめからマトモな宗教を信仰したほうが精神的にはよほど健全だ。中東でもマルクス主義が廃れて、イスラーム主義に急速したのも必然的な流れだろう。

あ、プルードンは排外主義的なところがあったって?
マルクス主義と違って、アナーキズムは「思想家」の一字一句を金科玉条にしたりしないので、そんなことはどうでもいいことだけどね。

最新の画像もっと見る