むじな@金沢よろず批評ブログ

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馬英九陣営、逆風で支持率低下に狼狽したのか、次々と「凸槌(ポカ)」、外交オンチぶりもさらけ出す

2008-03-20 02:51:17 | 台湾政治
馬英九陣営が「一つの中国市場」を政策の目玉としてきたことが、日本の毒ギョーザ事件などで裏目に出て、それを3月になってから謝長廷陣営に攻撃されるようになってから、馬の支持率は急降下、謝長廷が急追して、もっか接戦状態だと見られている。さらに馬陣営の幹部でもある国民党の国会議員4人が12日に謝長廷本部への乱入事件を起こしたり、16日の両陣営の集会には明らかに気勢の差が見られたり、14日以降は中国がチベット人虐殺を始めたりするなど、「中国との積極交流」を謳って来た馬英九陣営にとって不利な材料が続出していることから、馬陣営には次第に敗相が見られるようになっている。

馬英九はもともと精神力が強くない。つまり国の指導者の器がないのだが、ここに来てますますそうした欠点を露呈しつつある。そういえば「ハンサム」しか売り物がなくて、自分の発言に責任を持たず、言っていることがコロコロ変わり、他人に責任を転嫁したりするところが、まるで安倍晋三である(と、こないだ会った日本の民主党の議員にいったら、「我々もそう思った」と意気投合したw)。

馬英九はすでに錯乱しているのではないか?いっていることが数時間ごとに変わっている。
チベット問題については当初14-15日ごろには「チベットの自治を認めるべきだ」などと主張し、明らかにチベットを軽視する態度をあらわにしていたのだが、それが選挙に不利になると見たのか、18日になってから急に「中国政府による弾圧は横暴、傲慢であり、強く非難する。北京五輪ボイコットも排除しない」と民進党よりもはるかに「強硬」な発言をしはじめた。
ところが、これがまた問題を引き起こした。

もちろん、台湾人の多くも民進党も密に北京五輪はボイコットしたほうがいいと思っているし、私もそう主張しているのだが、問題はタイミング。
実は台湾は先週五輪野球アジア予選で出場権を獲得したばかり。日本統治時代の遺産で台湾人が最も熱狂的になるスポーツが野球で、ファン人口も日本よりもはるかに多いということもあって、目先の短期的には「五輪で台湾のパフォーマンスを見せ付ける」という雰囲気になっているところなのだ。
ところが、馬英九はKYであるだけに、そうした目先の社会の雰囲気が読めなかったらしい。しかも選挙のときにいきなり「ボイコット」というのは、いかにも「選挙目的」の発言と見られてしまう。

おかげで、野球大好きな台湾人の多くや選手たちから一斉に馬英九への非難の声が上がり、馬英九は四面楚歌状態。
19日になって慌てて「ボイコットは弾圧がさらに続くならという前提条件がある」などとして軌道修正を試みたが、ただでさえ「一つの中国市場」をめぐる二転三転で不信感をもたれている状態では、焼け石に水。

ロングステイで台湾人社会に接したつもりでも、やっぱり本質的には台湾人の心が読めていなかったのね>馬英九君!

しかも、ボイコットはいわば各国政府にとって最後の切り札。いまだにどこの国の元首や首相がボイコットを主張していないのに、国家の指導者になろうという人間が、切り札をこんなに簡単に切ってしまうのは、外交オンチもいいところだ。
馬英九ってもっと外交がわかっていると思ったが、うまいのは英語だけで、実際には外交センスがゼロなんだね(まだしも連戦のほうがマシのような気がする、連戦は副総統時代にチェコ、アイスランド、オーストリア訪問を果たしているし)。
コメント欄で読者も指摘しているが、「ボイコット」と「両岸共同市場」はどう見ても矛盾。陳水扁政権の対中強硬路線を「両岸対話を妨害した」と非難してきたのに、陳水扁でもまだいっていない「五輪ボイコット」なんて、そりゃあなた中国とどうやって「対話」するの?w

実際、謝長廷はその点をやんわりと指摘した。「馬氏は言うことが早過ぎる」と。さらに、「中国から国家として認められいる一般の外国なら、ボイコットを言うのは効果があるかも知れないが、台湾と中国の関係は特殊だ。今のように早い時期にボイコットをちらつかせたら、中国にとって好都合だ。中国は台湾選手に中国チームとして参加するように勧誘して、台湾選手の手柄を自分のものにしてしまうだろう」と逆に攻撃ポイントを稼いだ(さすが抜け目ない謝長廷)。
どうする馬英九w。

もちろん謝長廷は言外には「頃合を見てボイコットも悪くない」といっているわけだが、指導者を目指すなら、こうした重大な問題はオブラートに包み、カードとして使う賢明さが必要だ。

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