むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

フランス語アニメ映画「キリクと魔女」は素晴らしい

2006-09-16 03:42:59 | 芸術・文化全般
フランスなど欧州3国合作のフランス語アニメ映画Kirikou et la sorcière(日本語名:キリクと魔女、中国語名:嘰哩咕與野獸)が15日台湾で公開されたので、あまり体調はよくなかったが見てきた。
プロットは簡単にいうと、アフリカのある村(て、どこやねん?と思ったけど)で生まれたキリクという賢い子供が、体は成長しないまま、賢者として魔女カラバの仕掛けを次々破っていくというお話。
何より映像が美しいし、音楽もセネガルが生んだ世界的に有名なアーティスト、ユッスー・ンドゥールが担当しただけに素晴らしい。久しぶりに良い映画を観た。これはあと数回見てもいいかもしれない。
もちろん、フランス語を話しているので(笑)おそらく西アフリカが舞台として想定されているんだろうが、ライオンやキリンが出てきたり、そういう意味ではしょせん欧州人が作った映画という感じもしないではないが、ただ原作・監督を手がけたMichel Ocelotミシェル・オスロは子供のころギニアで育ったらしいから、アフリカ現地に皮膚感覚があるわけで、そういう意味ではオリエンタリズムというほどではなかったと思う
見た場所は(よりによって)西門町にある「真善美」といって国民党系だが英語以外の教養映画をよく上映しているところなのでよく私も足を運ぶ。ただ、場所が例の「囲城活動」キチガイの祭典・デモ行進の近くなので、今晩の西門町はたくさん赤いTシャツ着たアホがうろついていて異様な雰囲気でムカツいたのは事実だが、映画が始まるとそんなことは忘れて一気に引き込まれた。
台風も近づいていて騒ぎもあるので、観客はまばらだったが、子供連れの女性も2組くらい来ていた(しかも赤いシャツなど着ていなかった)。総統府前のキチガイ騒ぎに赤いTシャツ着せた子供を駆り出して演説させて嬉々としているアホがいるが、そんなことをしていると子供はろくな人間に育たないだろう。こういう映画を見せたほうがよっぽどいい。

キリクと魔女(日本語公式サイト):http://www.albatros-film.com/movie/kirikou/

Kirikou et la sorcière(フランス語公式サイト):http://www.kirikou-lefilm.com/

Kirikou and the Sorceress(英語公式?):http://www.kirikou.net/

IMDB:http://us.imdb.com/title/tt0181627/
Directed by Michel Ocelot
Produced by Didier Brunner, Paul Thiltges, Jacques Vercruyssen
Written by Michel Ocelot
Music by Youssou N'Dour
Editing by Dominique Lefèvre
Release date: December 9, 1998
Running time: 74 min.
Language: French
Budget EUR3.800.000 (estimated)
* Theo Sebeko ― Kirikou (voice)
* Antoinette Kellermann ― Karaba (voice)
* Fezele Mpeka ― Uncle (voice)
* Kombisile Sangweni ― The Mother (voice)
* Mabutho 'Kid' Sithole ― The Old Man/Viellard (voice)

音楽を担当したユッスー・ンドゥールYoussou N'Dourの公式サイト

映画日本語公式サイトより:
キリクが生まれたアフリカの村は、魔女カラバの恐ろしい呪いにかけられていた。泉の水は涸れ、魔女を倒しに出掛けた男たちはすべて魔女に食われ、村に残っているのは、女子供と老人だけ。「どうして魔女カラバは意地悪なの?」。持ち前の好奇心と行動力で、小さなキリクは賢者が住むという“禁じられたお山”へ旅に出る……。
人類誕生のアフリカだけが生み出し得た、この全く新しい世界神話は、フランスの公開で観客動員130万人、興行収入650万ドルという異例の大ヒットをおさめた。これはアニメーション作品におけるフランスでの歴代興行収入第1位の記録でる。さまざまな関連グッズも浸透し、ひとつの社会現象と呼べるまでに発展し、ビデオもアニメ作品としては異例の60万本のセールスを記録。いまだ本国では、伝説的に語られている希有な作品となっている。
原作・脚本・監督は、これが初めての長編作品になるミッシェル・オスロ。彼は幼少時代をギニアで過ごし、そこでの強烈な体験が、『キリクと魔女』を作る大きな動機になっている。アフリカは彼の原点でもあり、長年あたためてきた念願のテーマでもあった。監督の意図は多くの賛同者を得、サウンド・トラックにはあのユッスー・ンドゥールも参加した。また、彼は日本文化をこよなく愛する人物でもあり、若い頃、日本に滞在し、墨絵を描き、葛飾北斎の絵の心酔者でもある。『キリクと魔女』の映像に、どこか親しみを感じるのはそのせいかもしれない。
日本では、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『となりの山田くん』の高畑勲が日本語版を手掛け、自ら演出も担当。さらに吹替え版ではカラバ役に浅野温子、キリク役に『千と千尋の神隠し』“坊”役で注目を浴びた神木隆之介を迎え、本作に新しい息吹を与えている。
また、『キリクと魔女』は、フランスでの亜主―国際アニメーション映画祭グランプリはもとより、シカゴ国際児童映画祭での長編劇場・ビデオアニメーション部門成人審査員賞・児童審査員賞、モントリオール国際児童映画祭での長編部門審査員特別賞など多くの賞にも輝き、世界的な評価を得ている。
(日本公開は2003年8月)

続編?のKirikou et les bêtes sauvages(キリクと愚かな野蛮人)というのが2005年に制作されているらしい。

ほかにも台北では現在、アフリカ関係の映画が上映されているので、これも近日中に見ておきたい。
一つは南ア映画でズールー語とコサ語も混ぜているというTsotsi、もう一つは日本でも最近話題のHotel Rwanda。特に「ホテル・ルワンダ」は今回の深藍の病理を考える上でも必見だと思う。


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